はずれ姫/長谷川純子


貧乏なワタクシは、出版業界にいながら、なかなか単行本を定価で買うことがありません。大抵は文庫で買うか、古書か図書館のお世話になります。

でもこの本は、どうしても読みたくて、帰ってからもう一度本屋さんに買いに行ってしまったと言う本なのでした。
万人受けするという本じゃないかもしれないけど、私は面白いと思ったし、ある意味痛快でした。
    
なんというか、ミもフタもなく、救いもない話ばかりがつまっている。文章表現も、女流作家がよくぞここまで書いたか、と思う。でもね、ただのきれいな恋愛物語に、なぜ私が心打たれないかわかった。
綺麗な男と女が出会って恋をしてって話にはもう辟易している。

だから何?って思うのは同じかもしれないけど、綺麗な言葉だけを並べただけじゃ絶対に伝わらない真実ってあると思う。それをこの本は描いてると思う。

美しくなくても大事にされる女もいるし、美しくても大事にされない女もいる。そのわけはなんだろう?どこにボーダーラインがあるんだろう。
この小説の残念なところは、そこに少しも答えを見出してはいない事。そこが救われないと感じられる一因か。 そんな必要性も感じていないのかもしれないが。

とりあえず私は美しくないけど「はずれ姫」じゃなさそうだ。「あたり姫」かどうかはわからないけど(笑)でも今も結構幸せだな、と思うからいいのだ☆
   


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