11月二週目は、名古屋に帰省していました。
今年三度目の帰省の目的は父のお墓参り。
それも無事にすませて、時間があったので
名古屋市美術館で開催中の『ピカソとクレーの生きた時代』を見て来ました。
エッシャー展以来2ヶ月以上ぶりの展示です。
これ来年初頭には東京にもやって来ます。
Bunkamura ザ・ミュージアムの20周年記念だそうです。
そのBunkamuraは1989年開館で、ちょうど開催される来年で20周年。
実は名古屋市美術館にとっても、これは20周年記念だそうで
こちらは1988年開館。そそ、開催されている今年で20周年なんですね。
偶然というか、なかなかうまい具合に行ったものです。
2008.11.22 Saturday
画材:カランダッシュ水彩色鉛筆
ドイツの美術館のコレクションと言うことで、あまりなじみのない
ドイツの画家の絵が見られて楽しかったです。
第二次世界大戦に出征して、亡くなってしまった画家も多くて
特に『3匹の猫』(一番下の画像右下)がとても気に入ったのですが
コレを描いたフランツ・マルクは36歳と言う若さで戦死。
このヒトが生きていたら、どんなにか素晴らしい絵を残しただろうと思うと
すごく残念な気分に。速水御舟もそうだけど、夭逝は悲しいです。
ピカソ、クレーをはじめとして、カンディンスキー、ミロなど
日本でも人気の高い画家の作品がある程度まとまって見られて
とても見応えのある展覧会です。
特にクレーは日本ではとても人気が高いそうですね。
なんと言うか、とってもお茶目でチャーミングな絵ですよね。
コレを当時の感覚でアートだと自信を持って発表したそのことにまず
感嘆してしまう。ハートモチーフなどが普通にちりばめられているのね。
そしてタイトルがかわいい!
『直角になろうとする、茶色の△』
と言うタイトルが気に入って描いた絵が上のモノ。
『ひよこになろうとする、黄色の△』
すみません、ベタで(^^;
(てか、絵の中のタイトルが微妙に間違っとりますなぁ)
最近絵画において大切なのは、色と質感かな、と思うのですが
(以前にダリが人をその人として認識するのは肌の質感だと述べているのを
読んだ)カンディンスキーもクレーもブラックもそしてもちろんマティスも
色がとってもキレイですね。たくさん描けばテクニックは上がるだろうけど
この色の感覚ってのは天性のものなんでしょうなぁ。
なんてあきらめたようなことを言ってはいけないけど。
今回感じたのは、結構いろんな絵をたくさん見て来て、最近はさすがに
「あ、このヒトの絵は誰それの影響を受けているなぁ」
と感じながら説明文を読んでいると、それが記述されていたりして
ちょっと得意になったりしたこと。
この絵は「デ・キリコ風」だなぁとか。(コレはわかりやすいか)
ワタシはセザンヌが好きなんですが、セザンヌ風の絵はわかりやすいですね。
それにセザンヌに影響を受けている画家は本当に多くて今回もたくさん発見。
玄人ウケするのかな。それを受けてか今度横浜美術館で、セザンヌに影響を
受けた画家の展覧会が開催されるようですね。
名古屋でわざわざこの展覧会を見に行ったわけですが、この時期ちょうど
西国の仏さまが名古屋市博物館で見られたようで、コレは奈良国立博物館と
名古屋市博物館でしか見られない展示だったそうで、ちょっと残念でしたが
Bunkamuraと名古屋市美術館との違いは、なんと言っても市美には充実した
常設展示があると言うこと。
モディリアーニの『お下げ髪の少女』も久しぶりに見ました。
そして北川民次の絵を見て
「メキシコ・ルネッサンスの影響受けてるよね、リベラとか」
なんて言ってたらまさにその通りで、その後はリベラ、オロスコ、タマヨの
メキシコ・ルネッサンスの3大巨匠たちの絵がドドーンと!見ているだけで
元気が出るような萎えるような・・・(どっちなんだ)すごい迫力です。
1989年にこの名古屋市美術館で開催された『メキシコ・ルネサンス展』を
思い出しました。東京では西武美術館(のちのセゾン美術館1989-1999)で
開催されたそうですね。
ディエゴ・リベラ(Diego Rivera)と言えば、フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)
の夫としても有名ですが、フルネームはなんと
Diego Maria de la Concepcion Juan
Nepomuceno Estanislao de la
Rivera y Barrientos Acosta y Rodriguez
というそうです。ながっ。
他にフジタの自画像も見られたし、なんと言っても、東京ではありえないくらい
すいてたし!!いいことづくしの展覧会でした。
こちらはBunkamuraでの展示案内。