山本容子さんと言えば、春のさいたまの展示を見損ねたのがショックで、しばらく何も手につかなかったほど。いわばリベンジ、と言うには規模の小さい展示ではあったかもしれませんが、私には十分満足のいく展示でした。
鏡の国というからにはアリス。
日本では不思議の国に比べて知名度が圧倒的に低いのは、ひとえに鏡の国のテーマとなっている「チェス」が難解であるから。そんなわけで、この展示、最初はこのアリスの世界を、チェスの盤の上で、どのように物語が進んでいくかを展開して行きます。
そこで、山本容子さんは一つの仮説を思いつきます。鏡の国とは、アリスが入りこんだチェスの世界で、真ん中に鏡を置いた状態なのではないかと。だから、その先は、アリスが進んだ=戻ったということになるのではないかと。
会場にはその大きな鏡で仕切られた、鏡の国の世界も再現されていて、アリス気分を体験することができました。
チェスの部屋が終わると、今度は物語順に、モノクロとカラーの版画を楽しむことができます。コレもとっても素敵でワクワクしましたが、私が一番気に行ったのは次のコーナー。油彩です。こちらでは、「鏡の国のアリス」だけでなく「不思議の国のアリス」も堪能できました。
色が本当に本当に素敵だったーーー
特に、チェシャ猫との出会いの場面の、オレンジと水色の空の色がすんばらしー。山本容子=版画だし、そう呼ばれているけれど、でもでも、油彩も素晴らしすぎるっっこんなに素晴らしい油彩が描けるのにあえて版画、というのもかっこよい。画家でも、彫刻がめっちゃうまい人とかいるけど、ちょうどその逆なのね。
素晴らしい展覧会でした。
2010年9月25日(土)
鏡の国のアリスをテーマにしたこの展示
まずはチェスのルールのお勉強から入ったり、楽しい仕掛けがいっぱい!
そのあと向かった、オットの写真の展示会場で
ワタクシ、すっかりお絵描きタイム。
激写されてしまってました。いやん☆えっちぃ〜〜(どこが??)
そんなわけで、ひよこ流のアリスの世界を、お楽しみくださいませ。
この白うさぎは不思議の国に出てくる、急いでるうさぎ。
このうさぎを追って、アリスは不思議の国に迷い込むんですね〜
マザーグースでもおなじみのハンプティダンプティ。
鏡に出てくるキャラでは、一番好きかもです〜〜〜
いかれ帽子屋は、不思議だけじゃなくて、鏡にも登場するんですね〜
昔はさほど好きじゃなかったんですが、我らがデップさまが演じて以来
大好きになっちゃいました☆
アリスと言えばつい描きたくなる、白いバラを赤いペンキで塗るトランプ。
んでも、これは「不思議」の登場人物ですね.
最後に眠ってばかりの赤の王様。
物語が進むと、アリスは白の女王になります。
ロリータコンプレックスのキャロルが、この物語のモデルとなったアリス・リデルが大人になるのを悲しんで
この物語を描いたと言われていますが・・・
なんだか切なくて、私は「不思議」より「鏡」のほうが好きです。
■山本容子の劇場 鏡の国■
会期 2010年9月22日(水)〜27日(月)
時間 10:00〜20:00(最終日は18:00まで。入場は各閉館30分前まで)
会期中無休
会場 銀座三越8階催物会場 東京都中央区銀座4-6-16
観覧料 一般・大学生・高校生500円、中学生以下無料
※ 三越Mカード、エムアイ友の会カード、株主ご優待カード、伊勢丹アイカードのご提示で2名様まで無料
■展覧会概要■
山本容子の新作展「鏡の国」は、展覧会場を「劇場」と名付けました。
なぜなら作品を観ていただくだけではなく「鏡の国」と遊び、制作を体験し
「鏡の国」を体感することによって、何かを発見できるライブ空間になっているからです。
テーマは山本容子が1994年から描きはじめたルイス・キャロル作
『不思議の国のアリス』の続編『鏡の国のアリス』です。この物語では、アリスは
チェスというゲームのルールに則って、「鏡の国」で自分を発見する旅に出ます。
考えてみると鏡というのは、薄い平面なのに奥行きをもっている不思議な空間です。
アリスの見た世界を体験して、今までの自分をShaking−揺さぶり
Waking−目覚めさせ、そして「目覚めてみる夢」に出会いましょう。
新作版画、油彩画と共に「不思議の国」と「鏡の国」ふたつの冒険世界の全貌を絵で
読み解く展覧会をお楽しみ下さい。
※文章はH.P.などより転載