最近のお仕事。
2015.07.29 Wednesday 17:32
陽菜ひよ子
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商業用イラストと言うのは、描いた時間の対価で金額が決まるのではなく、あくまでも使用料としてお金を頂きます。なので、雑誌用に描いた絵が書籍に使用されれば、二次使用料と言って、別料金が発生します。
当然、描き下ろした時と全く同じではなく、通常何割かではありますが、たとえば、本のカットとして描いた絵を表紙に使うことになった場合などは、元々表紙のイラストの金額が、中身の挿絵の金額に比べてかなり高額なので、二次使用料の方が高くなるというケースもあります。
昨今の出版事情の厳しさや、電子書籍化などで、二次使用料の支払いを渋るケースも増えているようですが、今回は当然のように金額を提示していただけたので、ホッとしました。
確かに一見、どこも苦しいんだから、一度しか描いてないのに、二次使用料を受け取ろうなんて強欲だ、とはた目からは見えてしまいそうですが、では、二次使用料をもらえなくなってしまう、イラストを全くの買取とした場合、どのようなことが起こるかと言うと。。。
たとえば、こう言った食べ物イラストなどは、他でも使いまわしができるので、その後永久的に食べ物イラストといえば、これを使われてしまい、イラストレーターへの新規発注がなくなってしまいます。
そうなると、イラストの仕事自体が大きく減ってしまい、いや、ずっと続くと仕事自体無くなってしまい、イラストレーターと言う職業が成り立たくなってしまいます。
そして、いつも同じ絵が永遠に使われることになるのです。何という文化的喪失でしょうか。
本当にいろいろと大変な状況ではありますが、自分たちの仕事を守るためにも、言わなくてはいけないこと、線引きをしなくてはいけないことはあります。心強く、頑張って行かねばと思います。
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