ルソーの見た夢、ルソーに見る夢

2006.12.10 Sunday 16:15
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このような一見稚拙に見える技法を用いながらも、彼の作品は完成度と芸術性の高いもので、いわゆる「日曜画家」の域をはるかに超えており、19世紀末から20世紀初めという時期に、キュビスムやシュルレアリスムを先取りしたとも言える独創的な絵画世界を創造した。

ルソーの作品は、画家の生前はアポリネール、ピカソなど少数の理解者によって評価されたのみであった。ルソーの年譜に必ず登場するエピソードとして、1908年、ピカソ、アポリネールらが中心となって、パリの「洗濯船」(バトー・ラヴォワール)で「アンリ・ルソーの夕べ」という会を開いたことが挙げられる。これは、からかい半分の会だったとも言われるが、多くの画家や詩人がルソーを囲んで集まり、彼を称える詩が披露されたのだった。

ルソーの絵には、何か人をひきつけるものがある。ワタシも実は、大昔、実家に住んでいた頃、何年もルソーのポスターを、部屋に飾っていた一人。牛と農夫を描いた作品だが、人物に対して牛が大きすぎて、今にも牛にがぶっと丸呑みにされそうなのに、なんともいえないのどかな空気も流れている、不思議な絵。

これは倉敷の大原美術館のものなんだけど、約15年ぶりに再会。ちょっと感動。

今回の展示の目玉は、ルソーだけでなく、彼から影響を受けたたくさんの画家達の作品を見ることができたこと。

イラストレーターを言う仕事をしていて思うのは、いい絵、売れる絵、人をひきつける絵というのは、うまい下手ではないということ。
ルソーから影響を受けた画家の中には、ルソーよりはるかに技術的に優れた画家もたくさんいる。それでも彼らがルソーになれなかったのはなぜなのか。

それが絵を生業としていくことの難しさを語っていると言える、と思うのだ。


「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」

世田谷美術館は、今年開館20周年を迎えます。
1986年に「芸術と素朴」展をもって開館。以来、芸術における素朴なるもの、ひいては芸術における初心とは何かを問いかけることを活動の核としてまいりました。

この秋、世田谷美術館では、20周年を記念して、活動の象徴的な存在ともいえるアンリ・ルソーを正面からとりあげる企画展を開催いたします。この不思議な魅力にあふれる画家の世界をご紹介すると同時に、アンリ・ルソーが私たち日本人にどのように捉えられてきたのかを検証し、ご紹介する企画です。

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