サントリー美術館開館記念特別展「ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて」

2008.03.21 Friday 17:55
陽菜ひよ子の名刺や販促グッズ




            image[080224lautrec2.jpg]この絵は顔だけをじっくり丁寧に描き、体や服装に塗り残しを作る事で、嫌でも見るものの視線を顔に集中させると言う意図を持って描かれたと言います。

イラストを描くときにも、どの部分にも同じように力を入れてはいけない、見せるところとその他の部分への力加減を変えて描く事が必要だと言われましたが、ここまで極端なのはすごいなー。

このロートレック展は、絵の素晴らしさもさることながら、添えられたエピソードのおもしろさにおいても、魅力的な展覧会でしたが、すごかったのが、ロイ・ファラーと言うダンサーの踊りを収録したフィルム。

衣装をフワフワと大きくうねらせながら踊るんですが、その動きが、とても一人の人間が両腕だけを使っているとは思えないほど大きくて、まるで生きているような動き!(う〜。うまく説明できないのがもどかしい)
当時から大人気なダンサーだったそうで、彼女をモデルにした彫などもたくさん残されており、ロートレックも彼女に着目して絵を残したのですが、当のロイは、全然彼の絵に関心を示さず、ポスター制作はオランダ生まれの画家・マニュエル・オラジ(ちょっとミュシャ風)に依頼。
とほほですね。

オラジがミュシャ風だったように、ミュシャ(1860 - 1939)とロートレック(1864 - 1901)はほぼ同時期の画家だったのですね。
ミュシャを擁護した舞台女優、サラ・ベルナール(1844 - 1923)のリトグラフを1893年に描いていたことで彼らが同時代であった事を思い出したのですが。ミュシャがサラにポスターを依頼されたのが、1894年のクリスマスなので、ロートレックの方が先に彼女を描いていたんですね。

しかし、冒頭にも書いたように、ロートレックは決してモデルを美しくは描こうとしなかったので、彼に喜んで肖像画やポスターをお願いしようと言う女優や歌手やダンサーはいなかった模様。
実際の彼女らの写真とロートレックのポスターを並べてみても
「何コレひどい〜」
と思わずつぶやいてしまうほどの不細工なできばえ。何でしょう?にんげんの本質を描きたかったのか、それとも女性に対する根深いコンプレックスがあったのでしょうか。

長い黒手袋がトレードマークのスター歌手・イヴェット・ギルベールは、その生き生きとした歌唱スタイルから、彫刻や写真など様々なメディアでモデルとなりました。中でも、彼女の表情や仕草をギリギリまで強調して描いたロートレックの作品が一番彼女らしさを表現していると言われてるそうですが、そういった場合、本人的には「何もここまで・・・」と思うものなのでしょうね。

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