イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画展

2008.04.17 Thursday 20:23
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5つの大きなセクションについては、会期の前半、後半で大半の作品が入れ替わります。

※注: 見る人が天井、壁、床、オブジェ、光、色といったあらゆる要素が結合したインスタレーションの中を進んでいくにつれ、それぞれの空間が劇的な展開を見せるもの


保護者の方へ--作家カバコフについて

現在、ニューヨークに住み、ヴェネツィア・ビエンナーレといった国際的な現代美術の大規模展覧会を舞台に活動し、世界的な注目を集める美術家イリヤ・カバコフ。

1933年、現ウクライナ共和国ドニエプロペトロフスク市のユダヤ人家庭に生まれ、貧しい生活を送りながら、美術大学を卒業し、同時に児童書の挿絵画家となります。

当時、強力な共産主義体制のもとにあったソビエト社会では、芸術家として自由な表現などは許されず、生きて行くための仕事として、カバコフは挿絵を描く一方、仲間の芸術家たちといわば「非公認」の創作活動を行っていました。

80年代、徐々にソ連の体制が変化していく中、西ヨーロッパでの展示を行ったカバコフの作品は、欧米の現代美術界で一躍注目を集めました。そして89年ソ連崩壊の直前に亡命、現代に至っています。

その作品は、たとえば、ソビエトの共同アパートの生活を等身大に再現する「トータル・インスタレーション」と呼ばれる巨大展示物の形を取るものです。
深くソビエト社会の市民生活に根ざし、そこはかとないユーモアを漂わせながら、彼の主張は矛盾に満ちた体制への痛烈な皮肉と厳しい批判に満ちたものでした。

挿絵画家と現代美術家という二つの顔をもっていたカバコフ。挿絵の仕事を本格的に展示するのは、世界でも本展が初めてです。
本人にとってはあくまでも生活のための仕事であり、編集者の気に入ることが、最優先だったとのことですが、そのひとつひとつに、カバコフの描くことへの深い愛着と類いまれな才能を見ずにはおれません。

なお、展示の最後に、カバコフの現代美術家の仕事として「ぬり絵」という付属のコーナーがあります。一見、たわいなく、かわいらしい花や動物のイラストの下に見え隠れしているのは、「くそくらえ!」に相当する作家の体制批判のことばです。

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