中吊り小説/吉本ばなな 他
2003.09.29 Monday 20:06
陽菜ひよ子の名刺や販促グッズ
「帰る」曽野綾子
この本の中で、この話が一番好きだった。どんな人にも、生物にも帰るべき場所と、帰るべきときがある。そんな「帰る」事に関する話を、友人のカメラマンが何気なく話す。ちょっといい話だったり、切ない話だったり・・・どこかに、何かに帰属するという意識が、生きるものを生かし、そして死してまた、どこかへ帰っていく。
「幸せのお菓子」森村桂
唯一メルヘンなお話。幸せはみんなで分かち合ううちに、もっともっと幸せになれる、という感じかな。できれば味気ない文庫じゃなくって、かわいらしい絵本で読みたかったなぁ。
「電車古典文学大系」嵐山光三郎
一応、文学になぞらえて書かれた、やっぱりナンセンスな世界。これはおもしろかった。ばかばかしくてよかった。特に、駒子と結婚したものの、トンネルを抜けないと心が燃えないと気づいて、反対側から電車に乗ってこさせたり、挙句に離婚と結婚を繰り返したり、という「雪国」もどきの話は、うけました。
「あなたに似た人」森瑤子
これは素敵だった。森さんらしい世界。阿刀田さんのところにも書いたけど、男女の仲って、ちょっとしたことで、よくなったり悪くなったり。そんな感情の微妙な機微が、絶妙に描かれている。どれも、一言では説明しがい複雑な感情だ。そんな感情を、誰もが持っているものなのかも。だから、ここに出てくる人はどこか、自分に似ているのかもしれない。
「赤チンの午后」ねじめ正一
思いがけないことが起こったとき、それがとんでもないことであればあるほど「たいしたことないよ」と言ってもらうことが、どんなにありがたいか。気休めがどんなに気を楽にしてくれるか。そして、それがやっぱり、とんでもないことだったと、はっきりしても、全然平気さ、という顔をしていたい。少年とは、男とは、そういうものなのかも。
「留守番電話」赤川次郎
赤川さんらしい、軽快なサスペンス。自分が留守中に、物事がどんどん進んでいく。商談も妻との約束も。どうやら、留守番電話が自分の代わりに、話をしてくれてるらしい。最後は、意外な結末で、ちょっとゾッとしてしまう。久しぶりに読んだけど、ついつい引き込まれてしまった。
「東京走馬燈」和田誠
やっぱりノスタルジックなエッセイである。戦後の日本は、貧しかっただろうけど、夢のある素敵な場所だったように思う。年配の方に、そんな時代の話をよく伺うんだけど、本当にうらやましいと思う。その頃の銀座や上野なんかを、歩いてみたいなぁ、と思う。
[7] << [9] >>
-
-
<< 誕生日カードを書く
柘榴 >>
[0] [top]