ピカソ展 躰[からだ]とエロス

2004.09.28 Tuesday 16:37
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04 肉体の賛美

マリー・テレーズは、豊満な肉体と、ギリシャ的な鼻の高い、美しい金髪の女性だったそうで、45歳と17歳の人目をはばかる恋に、彼は生涯で一番情熱を注いで、作品制作に取り組んだそうです。彼は、自分にしか見る事のできない恋人の姿を描くことに熱中し、デフォルメされた中に、ピカソの強い愛情と賛美を感じ取る事のできる《庭の中の裸婦》《横たわる裸婦》は素晴らしいです。どちらも、特筆すべきは、色彩の美しさで、絵から幸福感がにじみ出ていて、見るものを、優しく暖かな気持ちにさせてくれる絵だと思います。1934年には、二人の間に娘・マヤが生まれますが、その頃にはピカソのマリー・テレーズへの恋愛感情は薄れていってしまいます。
マリー=テレーズとの出会いから数年間、家庭生活の崩壊や、政情不安などのせいでしょうか、作品のフォルム(かたち)はねじれ、痙攣し、解体され、激しい表現へと向かい、時には不気味な形となって描かれるようになります。また、この頃、アトリエや彫刻家を主題とした作品も描いています。しかし、1930年代前半には、マリー=テレーズをモデルとした優しい肉体の線を持つ女性が、数多く描かれるようになっていきました。ボワジュルーを舞台とした豊穣な作品は絵画も彫刻もほとんどがマリー=テレーズの姿で占められることとなります。

05 闘牛:愛と暴力のかたち

幸せな愛を描きながらも、ピカソは、暴力的な表現も同時に描いています。フランスでの生活が長いピカソですが、スペイン出身の画家で、この頃に里帰りして見た闘牛が、彼に強い影響を与えたのです。戦争と言う社会情勢もあるのでしょうが、ピカソの生涯のテーマが、愛とエロスであり、男女の愛とは、決して貞淑なものではなく、戦いであると言う信念の元に、自らを、ミノタウロスに見立て、時に暴力や陵辱のシーンも描かれます。この頃、マリー・テレーズとの情熱的な恋は終わり、シュールレアリズムの女流写真家・ドラ・マールとの静かな恋が始まります。
そして、1933年から1937年にかけては、闘牛やミノタウロスをテーマに数多くの作品が描かれます。ミノタウロスはピカソ自身であり、それはアトリエ、閨房、暴力、凌辱などさまざまな題材に変貌していきます。


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