ハチドリ28羽が全滅 奈良・橿原市昆虫館

2009/01/11 Sun 14:19
陽菜ひよ子


光沢のある羽と愛らしさから「空飛ぶ宝石」と呼ばれる世界最小の鳥
ハチドリの姿を西日本で唯一楽しめた奈良県橿原市の市昆虫館で飼育していた
ハチドリ28羽が死に絶えたことが、30日、分かった。

ここ数年の猛暑などが原因とみられるが、輸入先だったペルーの政情不安や
米中枢同時テロの発生で輸入が困難になったことも重なった末の“全滅”。
地球温暖化や国際情勢に翻弄(ほんろう)された不運な結果となった。

ハチドリは体長5〜10センチで、陽光を受けると、羽がエメラルドグリーンに
輝く。中南米に分布するが、熱帯林の衰退に伴って生息数が減少し、絶滅危機に
ある野生動植物を保護するワシントン条約で、商取引に輸出国の許可が必要な
II種に指定される希少種だ。

同昆虫館では、平成3年にペルーから26羽を輸入し、亜熱帯の環境を再現した
温室で飼育。
栄養分の豊富な餌をオランダから輸入するなど丹念に飼育して繁殖にも成功し
一時は50羽近くに増加した。

しかし、1996(平成8)年に起きたペルー日本大使公邸人質事件以降
同国の政情が不安定になって輸入が途絶え、フジモリ政権崩壊(2000年)
を挟んで平成15年にはわずか1羽に減少した。

ペルー政府に輸入再開を再三要請し、17年には27羽の輸入が実現したが
鳥インフルエンザ対策で隔離飼育した際にストレスなどで半減。

さらに、相次ぐテロを受けた国際航空貨物便の厳しい規制で輸入が困難になった
うえ、ここ数年の猛暑で温室内が37度前後に上がる追い打ちがあり
昨年末までに最後の1羽も死んだという。

同昆虫館の飼育担当者は「早朝からこまめにエサを取り換えたり、デリケートな
鳥なので一生懸命育てたのに、がっくりきている」と話す。

中南米では「神の使い」「子供の生まれ変わり」とも言われ、最近では
ハチドリを主人公にした絵本『ハチドリのひとしずく』が注目を集めたことも
あり今もハチドリ目当ての来館者が訪れる。

西川明秀館長は「ハチドリを見て元気になったというお年寄りもおられ
昆虫館のシンボルだっただけに残念。今後も輸入を働きかけ、何とかもう一度
育てたい」と話している。

日本動物園水族館協会などによると、国内の公共施設でのハチドリの生息は

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