リョコウバト〜オーデュボンの祈り〜

2009/04/11 Sat 23:23
陽菜ひよ子


image[090411ryokoubato0.jpg]リョコウバトは、すでに絶滅した鳥です。
その名のとおり渡りをするハトの仲間で
最も美しいハトだったとも言われています。

18世紀には全米で50〜90億羽が生息しており
世界でもっとも数の多い陸の野鳥と
言われていたにもかかわらず、その後
たった200年ほどで絶滅してしまったのです。

オーデュボンとは、リョコウバトが億単位で
群れを成して飛んでいた頃の鳥類研究家。
この画像は博物画家でもあった彼の作品で
リョコウバトの求愛の様子が描かれています。

彼は1838年の日記に、頭上を通過中のリョコウバトの群れが
3日間途切れることなく飛び続けたと記録しています。

想像してみてください。億単位の鳥の群れを。空を覆う鳥・鳥・鳥です。
その群れが飛ぶと太陽の光がさえぎられ、空一面が暗くなったそうです。
まさかその鳥が絶滅するなんて。
当時の人々が想像できなかったのも無理はないかもしれません。

『オーデュボンの祈り』とはそのリョコウバトとオーデュボンを
モチーフにした伊坂幸太郎の長編小説。
「誰にも止められない、悲しい結末に向かうことを」
「人間ってのは失わないと、ことの大きさに気がつかない」
という伊坂氏の痛烈なメッセージが胸に突き刺さります。

今もこの地上から次々姿を消してゆく動物たち。
そして私たち人間にとっても、それは他人事ではありません。
まさか絶滅するはずがないと思っているわれわれ自身が
滅びる日が一刻一刻と近づいているかもしれないのです。

誰にも止められないかもしれないけれど、止めなくてはいけない。
それが私たち一人ひとりに与えられた宿命なのかもしれません。


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