プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展

060726_jyakucyu01.jpg060726_jyakucyu02.jpg060726jyakuchu1.jpg上野の国立博物館で開催中の「若沖と江戸絵画展」に行ってきました。

かれこれ2年ほど前になりますが、2004年早春に日本橋高島屋で開催された「若冲と琳派〜きらめく日本の美〜」とその夏の国立博物館の「世紀の祭典・万国博覧会の美術」、そして秋の「琳派 RIMPA展」の三つの展覧会によって、私の中に若冲ブームが巻き起こったのでした。とりわけ、最初に見た「若冲と琳派〜きらめく日本の美〜」の印象は鮮烈で、私の中に今まであった日本画の意識を根底から覆すほどのものすごい影響力でした。

今回の展示の特徴は、プライス氏の「江戸時代にガラスケースはなかった」という考えから、間にガラスを挟まずに絵画を鑑賞することができたこと、そして、実際の絵画は、差し込む陽の光に影響されて、一日のうちで、その表情を変えたはず、との想いから、特殊な光の効果によって、一日を再現できたことが挙げられます。特に光の効果は素晴らしく、感動しました。プライス氏、万歳!!

【展覧会概要】
■会  期  2006年7月4日(火)〜8月27日(日)
■会  場  東京国立博物館 平成館 (上野公園)
■開館時間  9:30〜17:00 (毎週金曜日は20:00まで、
       土・日・祝日は18:00まで開館。入館は閉館の30分前まで)
       ※時間帯ごとの会場状況についてはこちら
■休 館 日  月曜日(ただし2006年7月17日(月・祝)・8月14日(月)は開館、
       7月18日(火)は休館。)
■観覧料金  一般1300円(1100円/1000円)、
       大学生・高校生900円(700円/600円)、中学生以下無料
■交  通  JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
       東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 、千代田線 根津駅
       京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
■主  催  東京国立博物館、日本経済新聞社
■特別協力  財団 心遠館
■後  援  アメリカ大使館、南カリフォルニア日米協会
■協  賛  NEC、日本興亜損害保険
■協  力  ロサンゼルス・カウンティ美術館、日本航空、ファースト・デザイン・システム
■お問い合わせ  03-5777-8600 (ハローダイヤル)
◆展覧会サイト  http://www.jakuchu.jp/ (オフィシャルサイト)
         http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/ (オフィシャルブログ)
■巡回スケジュール  2006/7/4〜8/27  東京国立博物館
          2006/9/23〜11/5  京都国立近代美術館
          2007/1/1〜3/11  九州国立博物館
          2007/4/13〜6/10  愛知県美術館


060726jyakuchu.jpg特集記事につられて買いました☆プライス氏、スポーツカーを買おうと思って貯めていたお金で、若冲を買い占めちゃったそうです。今は車にはまったく興味がないとか。まさに人生を変える出会いだったんですね。


プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展
アメリカ・カリフォルニアのプライスコレクションは、魅力に満ちた江戸絵画のコレクションとして世界的に知られています。東京国立博物館では、2006年 7月4日(火)から8月27日(日)まで、プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展を開催します。

ジョー・プライス氏は、半世紀前に当時美術史家にも見過ごされていた江戸時代の個性的な画家たちの作品に目を奪われ、収集を始めました。プライス氏のコレクションおよび財団の名前として用いられている「心遠館(しんえんかん)」が、近年人気を高めている、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう) の堂号「心遠館」に由来していることからもわかるように、コレクションの中心は、若冲の作品です。また、長沢芦雪 (ながさわろせつ)、森狙仙(もりそせん)を中心とした上方の画家や、酒井抱一(さかいほういつ)、鈴木其一(すずききいつ)などの江戸琳派の画家たち、あるいは肉筆浮世絵など、近年になって、美術愛好家が大きな関心を寄せるようになったジャンルのすぐれた作品が数多くコレクションされています。

展覧会では、プライスコレクションの約600点の作品の中から、プライス氏と東京国立博物館が共同で選んだ101点を展示いたします。作品は画家の系統別に5章に分けて構成されますが、本展の特徴として、ガラスケースを用いず、光の効果に工夫を凝らした展示室を1室設けました。「江戸時代にガラスケースはなかった」というプライス氏の鑑賞態度に、よるものです。本展は、江戸絵画のすばらしさを見直して、楽しんで欲しいという、プライス氏から日本の人々へのプレゼントとして、実現したものです。会場に並ぶ個性的で魅力に満ちた作品を、理屈抜きにお楽しみください。

なお、プライスコレクションの8点の作品を展示し、鑑賞ツールやわかりやすい解説を用いて日本絵画の鑑賞を楽しむ《親と子のギャラリー「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」−あなたならどう見る? ジャパニーズ・アート−》も併せて開催いたします。

プライス氏のメッセージ
プライスコレクションの作品は、宗教や知識、あるいは様式のしがらみとはまったく無縁のものです。作品は自然の本質と深く結びついており、地位や職業に関係なく、あらゆる人々にアピールするものです。オクラホマ出身の一エンジニアである私が江戸美術を深く愛するようになった理由は、これでおわかりいただけることでしょう。

私がコレクションを始めたのは、ただ江戸時代の絵画から受ける視覚的なアピールが素晴らしかったからです。その美しさと線の正確さが、私の心を捉えた作品の圧倒的で共通した特徴でした。私は誰の指図も受けることなく、言い換えれば、人に言われて買うのではなく、自分が欲しいと思ったものを収集してきました。このとき、日本語の読み書きができないことは私にとってメリットとなりました。

なぜなら落款や印章ではなく、画家の腕だけを頼りに屏風や掛軸を選ぶことができたからです。今でも、絵を見つけたときに作者の名前を尋ねることはめったにありません。作品は質が素晴らしければ、それは偉大な画家が描いたものと言えるからです。彼ら江戸時代の画家たちは、細部にこだわる並々ならぬ訓練を受けており、その技能、能力および業績に、誇りをもっています。その筆遣いには凡人の能力を超越した何かが感じられるはずです。作品が大家と言われる画家の手によるものか、落款を確かめる必要はないのです。

趣味から始まったものが今や、私にとってとても大きな意味をもつように、なっています。コレクションは私の人生に新たな目的を与えてくれました。そして数々の作品によって私が味わった多くの楽しみを皆さんにも是非体験して欲しいと願うようになったのです。私の願いは、皆さんにこのコレクションはただの掛軸や屏風の集まりではないということを感じていただくことです。このコレクションはそれぞれの作品をただ眺めるためのものではなく、アルバムのように互いに比較しながら
味わうもので、そこから学ぶこともできます。巨匠、その才能豊かな弟子たち、そして彼らの作品から学んだ絵師たちの間にはどのような違いがあるのか、存分に確かめてください。プライスコレクションは、単なるコレクションとして見られることを目指してはいません。見る人それぞれが体験するものであって欲しいと願っているのです。


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