人のセックスを笑うな/山崎 ナオコーラ
2000 河出書房新社 山崎 ナオコーラ
すうっと読めてしまったが、単純な話ではなく、言葉の合間に、行間や含みを持たせていて 、余韻を残しながら読み進む感じ。もしかしたら若い人には、主人公の気持ちはわかっても、ユリの気持はさっぱりわからないかもしれないが 、ユリに近い年齢の読者に取っては、書かれていない 、ユリの気持にも、十分感情移入できる。 それをまだ20代の著者が書けるのはスゴいと思う。
この種の小説は、感じるもので、物語の筋は あまり重きを持たないものなのだと思うが それにしても、あらすじを言ってしまえば、 一行でたりそうなのに、この後を引く感覚。 今度はこの人の書く女性視点のものも是非読んでみたい。