仏像展 - 一木にこめられた祈り -

061008butuzou_ten1.jpgせめて月記を目指そうと思っていたのに、10月は無情にも過ぎ去ってしまいました。(今ここに載せている日記のほとんどはmixiに書いていたもので、ブログはとんとサボっていたのでした)

12月の初めに新しい本が出る予定で、そのイラストを描くのに、毎日3時間くらい睡眠、と言う日々を、2ヶ月以上送っていました。自分でもタフだなぁ、とちょっと感心。でもお陰で、自分では割と満足の行く出来映えになりました。発売日が決まったら、このブログでお知らせしますね☆

前の仕事とのからみで、またもや次回作も仏像関係なので、バタバタの中、参考までにと、上野の東京国立博物館で行われている「仏像展」に行ってきました。    

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有名な仏像っていうと、何を思い浮かべますか?やっぱり奈良の大仏?あれは、毘盧遮那仏と言う仏さま。それに対して、鎌倉の大仏は、阿弥陀如来なんです。似てるようだけど、違う仏さまなんですね。
アルカイックスマイルで有名な、京都・広隆寺の弥勒菩薩に、その数に圧倒される三十三間堂の千手観音や、興福寺の阿修羅を最初に思い浮かべる人も多いかな?

有名どころというと、そんな感じですが、日本で一番たくさん作られている仏さまは、十一面観音なのだそうで、会場には、いろーんな十一面観音さんが、ガラスケースに入れられて、並んでいました。
十一面観音は、観世音菩薩(観自在菩薩)の変化形で、ごく普通の人間らしい形を取られてる観音菩薩(聖観音とも言う)が、顔を増やして、あっちこっちを向かせる事で、もれなく人々を救って下さるという意味を持たせているのだそう。

それがさらに変化して、手が千本あれば、もっともっと大勢の人を救う事が出来るのでは?という事で作られたのが千手観音。こっちは作るのが大変だったせいか、十一面観音ほどは作られませんでした。

十一面観音は、真後ろにも顔があるのですが、ガラスケースなので、後ろに周り込むことができて、すいてる場所で、じっくり大笑面を堪能できて、にんまりな私だったのでした。


そういった古い時代のオーソドックスな仏像以外に、今回の目玉は、江戸時代などの比較的新しい、モダンな仏像を見られる事でした。

イラスト左上のは、京都・西住寺の宝誌和尚立像なのですが、なんと、顔から顔が産まれてます。脱皮状態です。こうやって見ると怖いですが、実物は怖いと言うより厳かな感じ。一本の木で作られているので、体の一部が細くなってるという事でしたが、全然不自然な感じはしなかったな。てか、そんなの超越しちゃってるんだろうね。

左下のは、古いもので薬師如来なのだけど、薬師如来って、右手をまっすぐ壁に当てるように前に出してるんだよね。それが両手だったら、パントマイムみたいなんだけど、左手は薬壷を持ってる。
だから何か変、と私も思っていたのだけど、その「変」の理由が、この日、友人によって解明されました。

「ひよこちゃん、ダメだ、ワタシには酒の席で『あ、もう結構です』って言ってるようにしか見えない」
事もあろうに彼女はそうのたまったのです。何て罰当たりな!でも、何て的を得た発言・・・・・・

私にももう、酒を断る仕草にしか見えません、薬師如来。

右中央は、江戸時代の放浪の仏師・木喰の作った釈迦如来。木喰の仏像はとにかくこっちも微笑んでしまうような、柔和な笑顔が特徴なのだけど、この釈迦如来、驚くべき事に、我らがロールちゃんと、同じ髪型じゃないですか。

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これ以外にも、たくさんの木喰作品が並んでいて、圧巻でした。あとは木喰と並ぶ(多分歴史の長い仏像界に置いては)モダンな仏師・円空のバリ土産かトーテムポールにしか見えない作品群も面白かったです。

国立博物館の展覧会は、大抵いつも「これでもか」というほど見応えがあるものが多く、割と利益とかあんまり考えてなさげっぽい感じがしてたんですが、今回のこの展示は結構姑息で、一番メインを、会期中にたった一体だけ入れ替えて、そのたった一体のために、前期後期の通し券が発売されたのでした。

で、それを買っちゃったんですねぇ。

後期は、人と行くかもしれないですが、もしかしたらひとりで行って、大人気の市原悦子のナレーションの解説付で楽しんで来るかもしれません。(友人は、一回でいいそうです・・・・)

『見仏記』のみうらじゅんといとうせいこうのトークショーがあったり(気づいた時には完売済みでザンネン)、今月頭の連休には期間限定で、夜間ライトアップをしたり、何だか姑息だけどノリノリな、国立博物館。混雑していても、九段下の近代美術館みたいなストレスはあまり感じずに、ゆったりと見られるのが、ここの魅力かな、と思います。


              


COMENNTS

ぴぴちゃまおひさしぶりですー。
イラストの「あ、ホントにもうけっこうですので」でやられた。
おもろすぎー!
お友達発だったんですね。さすがぴぴちゃまのお友達(笑)
みうらじゅんといとうせいこうのトークショー、出来ればワタシも見てみたかったっす。

毎日3時間睡眠?大丈夫デスカ?
どんどん寒くなるし、体には気をつけて下さいね〜!
ともぞぅ :: 2006/11/12 01:07 AM

ともちん
長いの読んでくれてありがとう!
この日の友人は絶好調で
これ以外にもワタシは何度も笑わせられ、
人と一緒に美術館に行くのが、こんなにおもろいとは、
意外な発見。
しかし、周りには迷惑かもしれません・・・

みうらじゅんは、別でトークを聴く
機会に恵まれたのですが、
最高です。でもサインしてもらおうと
せっかく『D.T.』持って行ったのに
それは無理でした。ザンネン。
(なぜか『見仏記』ではない)

そいでもって、体は元気です。
心配してくれてありがとう!
ひよこ@管理人 :: 2006/11/14 02:22 AM

おおぅ〜ぴぴちゃんが更新してるぅぅ(喜)
・・・・全部読んだ。
・・・・やばい。
「あ、ホントにもうけっこうですので」
としか見えない(笑)

私はこのポスター見ながら、それにしてもこんなにたくさん仏像集めちゃって、全国のお寺空っぽぢゃない?なんていつもいつも思っておりました(^^;;
ご利益はあるのだろうか???
そら :: 2006/11/14 05:48 PM

そらちゃん
コメントありがとう!
そして全部読んでくれてありがとう!!

やばいでしょ?
ホント「もう結構です」にしか
見えなくなってきたでしょ?(笑)

確かにいっぱい集めちゃってるよねー
でもどこのお寺も大抵仏像の
10や20はあるはずなので
各お寺で一体ずつくらいなら
とりあえずおっけーなのかも?

昔興福寺までわざわざ行って
阿修羅が見られなかったときは
かなりショックだった記憶があるけどっ!

仏像ってね、不思議なことに
お寺で見ると、ありがたい感じで
ご利益がありそうなんですが
美術館で見ると、「美術品」に見えるんだよね。
ただただ美しかったデス・・・
ひよこ@管理人 :: 2006/11/15 01:08 PM

12月に出る本ってどんなかな。
3時間の睡眠時間とはがんばってるね(^^)
体にだけは気をつけてね!
みほ@小山だより :: 2006/11/15 01:13 PM

みほさま
ありがとうございます。
仕事と言うのは厳しいものです。
とにかく描くしかないわけで。
最中は苦しくて、逃げたくもなりましたが
達成感はかなりのものでした。
こんな感じで頑張って行きます。
太く短い人生もいいかなと。
ひよこ@管理人 :: 2006/11/16 01:13 AM 


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