タイポグラフィとレタリングやカリグラフィーとの違いは?
そういえば、タイポグラフィとレタリングやカリグラフィーとの違いは?
調べたら、ますますよくわからんくなった・・・
今はいろんな言葉を複数の意味で使ってるから、元の意味は全然違っても
意味が重なる言葉になってしまっているのかも。
タイポグラフィ(英: Typography)
活字(あるいは一定の文字の形状を複製し反復使用して印刷するための媒体)を
用い、それを適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える技芸。
タイポグラフィの領域はその周縁においては、木版を用いて文字を印刷する
整版、見出し用途のための木活字の使用、やはり木活字を使用する古活字版、
さらには、レタリングやカリグラフィ、東アジアの書芸術と、技術的内容に
おいても審美的様式においても、深く連関する。
レタリング(英: lettering)
本来手で「文字を書く」という意味である。しかし、現在はデザインされた文字を
指す場合や、書体を選択することなど、広い範囲で使われている言葉である。
広告や雑誌には実に様々な書体が使われており、どこでどのような文字を
使うかによって、同じ文章でも印象が変わるため、主にデザイン業界では色や
写真・イラストに続く大きな要素の一つとなっている。身近なところで言えば
テレビ番組や企業のロゴに使われる文字もレタリングの一例と言える。
■文字の種類
◆日本字
○明朝体・・・新聞の文章などで使われている、日本で最も標準的な文字。
○ゴシック体・・・縦横の線の長さが同じ太さで見えるように作られた文字。
先端の丸いものは丸ゴシックと言う。
○楷書体
◆ラテン字
○ローマン体・・・日本字の明朝に当たる文字で、大きくオールド・スタイル
・ローマンと、モダン・ローマンに分けられる。
○サンセリフ・・・日本字のゴシック体に当たる文字で、「セリフ(下記)が
無い」という意味。
○エジプシャン・・・文字の上部と下部に分厚い板のようなもの(セリフ)を
持つ安定的な書体。
○スクリプト・・・筆記体を活字にしたもの。原則として筆末が次の字の
書き始めの部分へつながっていくように作られる。
○ゴシック・・・日本字のゴシック体とは意味が違う。クリスマスや結婚式の
時などに好んで使われる大文字に装飾の多い書体。
○ファンシー・・・装飾的で変わったものは全てここに含まれる。文字の
形を極端に変形させたものや、可愛らしく少女的に
したものなど。
さらに細かく分ける場合もあるが、書体の分類にはいくつかの方法があり
書籍によって記載にばらつきが見られる。
フォント (font)
本来「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」を指す言葉。
しかし現在ではコンピュータ画面に表示したり、紙面に印刷(書籍など)したり
するために利用できるようにした書体データを意味している。
金属活字の時代から書体の世界に関わっている者からは、データとしての
フォントはデジタルフォント (digital font) として区別して呼ばれる
こともある。
カリグラフィー(ギリシア語: καλλιγραφία)
西洋や中東などにおける、文字を美しく見せるための手法。字を美しく見せる
書法という面は日本の書道など東洋の書と共通する部分があるが、筆記に
ペンまたはそれに類する道具を用いているため、毛筆を使用する書道とは
表現されたものが異なる。
記録媒体としての羊皮紙が高価であるため、文を残す際により多くの文字を
紙に詰め込みつつ、より美しい表現を試みた結果、発明された。
カリグラフィーでデザインされるものはアルファベットだけでない。
イスラム圏ではコーランの一部をカリグラフィーを用いて書いた
タペストリーが見られるなど、文字を美しく見せる書法が発達している
(アラビア書道)。インドにおいても様々な文字による書法が盛んである
(インドのカリグラフィー)。
活版印刷の発明後も、さまざまなフォントのデザインにカリグラフィーは
影響を与えた。印刷物の章の頭の1文字で、カリグラフィーの手法で
デザインされた通常の活字より大きなものを用いることがあり
直接ペンで描写するもの以外にも応用されている。
【キャピタル・モニュメンタリス】
現代に至る活字書体の原型。また、手書き書体の規範。
このキャピタル・モニュメンタリスを元にしてペン書きに適するように
作られたのがローマン・キャピタル。
【ローマン・ラスティック】
ローマン・キャピタルより手書きに適した書体として、11世紀頃まで使用。
【アンシャル体】
現在の小文字の起源。2世紀から3世紀頃、ギリシャ語の書体をもとに
ローマ字体にしたもので、主にキリスト教の文書に使用。
【ハーフアンシャル体】
アンシャル体を基に生まれた字体。アセンダーとディセンダーは
アンシャル体より長くなり、文字による大きさの違いがよりはっきり。
【カロリング小文字体】
現在使われているほとんどの小文字の基本形。
6世紀後半にフランク王国で生まれた。
【インシュラー大文字体】
6世紀から8世紀にかけて、ハーフアンシャル体を基にして、イギリスや
アイルランドで生まれた書体のひとつ。宗教的な荘厳さを重視した方向へ変化。
段落や章の最初の文字を大きく装飾的に書くヴァーサルという
書字スタイルも多く使われるようになった。ダブリンの「ケルズの書」や
ロンドンの「リンディスファーンの福音書」は、インシュラー体による
代表的な写本。ケルト民族独特の紋様による装飾がほどこされ、現存する
最も美しい書物と言われている。
【ゴシッククアドラータ】
紙が高価であった時代により多くの文字を書き留めるため、角張って
余白が少ない。別名ブラックレター。
12世紀以降には、発展形は大きく2つに分かれていく。
その1つがイギリス(セクレタリー体)やドイツ(フラクトゥール体)の
草書的な筆記体で、主に日常的な場面で使用。もう1つがゴシック体。
【ヒューマニスト体】
イタリック体の元となる書体。
ルネッサンス期に、ローマ時代の書体が見直されて生まれた。
イタリック体は日本ではカリグラフィーの初学者がほとんど必ず最初に習う
書体。当初はより速く書くための日常的な書体として生まれたが
読みやすさや美しさから、ローマ教皇庁で教書用に使用。
【カッパープレート体】
イタリック体をさらに速く書けるように変化させた結果生まれた書体。
非常に速く書くことができるため、、主にビジネス文書や契約書など
商業分野において使用。
他の書体・・平らなペン先の角度の違いにより線の太さを変える
カッパープレート体・・細いペン先を使い筆圧の変化によって太さを変える
15世紀以降、印刷技術の普及により、手書きの文字は次第に衰退。
しかし、19世紀末、イギリスのウィリアム・モリスによって古典的な
手書き文字の見直しが行われたのを契機とし、エドワード・ジョンストン、
ジョン・ハワード・ベンソンらによって普及活動がおこなわれるようになった。