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仏像展 - 一木にこめられた祈り -
せめて月記を目指そうと思っていたのに、
10月は無情にも過ぎ去ってしまいました。
12月の初めに新しい本が出る予定で、そのイラストを描くのに、
毎日3時間くらい睡眠、と言う日々を、2ヶ月以上送っていました。
自分でもタフだなぁ、とちょっと感心。
でもお陰で、自分では割と満足の行く出来映えになりました。
発売日が決まったら、このブログでお知らせしますね☆
前の仕事とのからみで、またもや次回作も仏像関係なので、
バタバタの中、参考までにと、上野の東京国立博物館で行われている
「仏像展」に行ってきました。
有名な仏像っていうと、何を思い浮かべますか?
やっぱり奈良の大仏?あれは、毘盧遮那仏と言う仏さま。
それに対して、鎌倉の大仏は、阿弥陀如来なんです。
似てるようだけど、違う仏さまなんですね。
アルカイックスマイルで有名な、京都・広隆寺の弥勒菩薩に、
その数に圧倒される三十三間堂の千手観音や、興福寺の阿修羅を
最初に思い浮かべる人も多いかな?
有名どころというと、そんな感じですが、日本で一番たくさん
作られている仏さまは、十一面観音なのだそうで、
会場には、いろーんな十一面観音さんが、ガラスケースに入れられて、
並んでいました。
十一面観音は、観世音菩薩(観自在菩薩)の変化形で、
ごく普通の人間らしい形を取られてる観音菩薩(聖観音とも言う)が、
顔を増やして、あっちこっちを向かせる事で、もれなく人々を
救って下さるという意味を持たせているのだそう。
それがさらに変化して、手が千本あれば、もっともっと大勢の人を
救う事が出来るのでは?という事で作られたのが千手観音。
こっちは作るのが大変だったせいか、十一面観音ほどは作られませんでした。
十一面観音は、真後ろにも顔があるのですが、ガラスケースなので、
後ろに周り込むことができて、すいてる場所で、じっくり大笑面を
堪能できて、にんまりな私だったのでした。
そういった古い時代のオーソドックスな仏像以外に、今回の目玉は、
江戸時代などの比較的新しい、モダンな仏像を見られる事でした。
イラスト左上のは、京都・西住寺の宝誌和尚立像なのですが、
なんと、顔から顔が産まれてます。脱皮状態です。
こうやって見ると怖いですが、実物は怖いと言うより厳かな感じ。
一本の木で作られているので、体の一部が細くなってるという事
でしたが、全然不自然な感じはしなかったな。
てか、そんなの超越しちゃってるんだろうね。
左下のは、古いもので薬師如来なのだけど、薬師如来って
右手をまっすぐ壁に当てるように前に出してるんだよね。
それが両手だったら、パントマイムみたいなんだけど、
左手は薬壷を持ってる。
だから何か変、と私も思っていたのだけど、その「変」の理由が、
この日、友人によって解明されました。
「ひよこ、ダメだ、ワタシには酒の席で『あ、もう結構です』って
言ってるようにしか見えない」
事もあろうに彼はそうのたまったのです。
何て罰当たりな!でも、何て的を得た発言・・・・・・
私にももう、酒を断る仕草にしか見えません、薬師如来。
右中央は、江戸時代の放浪の仏師・木喰の作った釈迦如来。
木喰の仏像はとにかくこっちも微笑んでしまうような、
柔和な笑顔が特徴なのだけど、この釈迦如来、驚くべき事に、
我らがロールちゃんと、同じ髪型じゃないですか。
これ以外にも、たくさんの木喰作品が並んでいて、圧巻でした。
あとは木喰と並ぶ(多分歴史の長い仏像界に置いては)
モダンな仏師・円空のバリ土産かトーテムポールにしか見えない
作品群も面白かったです。
国立博物館の展覧会は、大抵いつも「これでもか」というほど
見応えがあるものが多く、割と利益とかあんまり考えてなさげっぽい
感じがしてたんですが、今回のこの展示は結構姑息で、一番メインを、
会期中にたった一体だけ入れ替えて
そのたった一体のために、前期後期の通し券が発売されたのでした。
で、それを買っちゃったんですねぇ。
後期は、人と行くかもしれないですが、もしかしたらひとりで行って
大人気の市原悦子のナレーションの解説付で楽しんで来るかも
しれません。(友人は、一回でいいそうです・・・・)
『見仏記』のみうらじゅんといとうせいこうのトークショーがあったり
(気づいた時には完売済みでザンネン)、今月頭の連休には期間限定で
夜間ライトアップをしたり、何だか姑息だけどノリノリな、国立博物館。
混雑していても、九段下の近代美術館みたいなストレスはあまり感じずに
ゆったりと見られるのが、ここの魅力かな、と思います。
COMENNTS
ぴぴちゃまおひさしぶりですー。
イラストの「あ、ホントにもうけっこうですので」でやられた。
おもろすぎー!
お友達発だったんですね。さすがぴぴちゃまのお友達(笑)
みうらじゅんといとうせいこうのトークショー、出来ればワタシも見てみたかったっす。
毎日3時間睡眠?大丈夫デスカ?
どんどん寒くなるし、体には気をつけて下さいね〜!
ともぞぅ :: 2006/11/12 01:07 AM
ともちん
長いの読んでくれてありがとう!
この日の友人は絶好調で
これ以外にもワタシは何度も笑わせられ、
人と一緒に美術館に行くのが、こんなにおもろいとは、
意外な発見。
しかし、周りには迷惑かもしれません・・・
みうらじゅんは、別でトークを聴く
機会に恵まれたのですが、
最高です。でもサインしてもらおうと
せっかく『D.T.』持って行ったのに
それは無理でした。ザンネン。
(なぜか『見仏記』ではない)
そいでもって、体は元気です。
心配してくれてありがとう!
ひよこ@管理人 :: 2006/11/14 02:22 AM
おおぅ〜ぴぴちゃんが更新してるぅぅ(喜)
・・・・全部読んだ。
・・・・やばい。
「あ、ホントにもうけっこうですので」
としか見えない(笑)
私はこのポスター見ながら、それにしてもこんなにたくさん仏像集めちゃって、全国のお寺空っぽぢゃない?なんていつもいつも思っておりました(^^;;
ご利益はあるのだろうか???
そら :: 2006/11/14 05:48 PM
そらちゃん
コメントありがとう!
そして全部読んでくれてありがとう!!
やばいでしょ?
ホント「もう結構です」にしか
見えなくなってきたでしょ?(笑)
確かにいっぱい集めちゃってるよねー
でもどこのお寺も大抵仏像の
10や20はあるはずなので
各お寺で一体ずつくらいなら
とりあえずおっけーなのかも?
昔興福寺までわざわざ行って
阿修羅が見られなかったときは
かなりショックだった記憶があるけどっ!
仏像ってね、不思議なことに
お寺で見ると、ありがたい感じで
ご利益がありそうなんですが
美術館で見ると、「美術品」に見えるんだよね。
ただただ美しかったデス・・・
ひよこ@管理人 :: 2006/11/15 01:08 PM
12月に出る本ってどんなかな。
3時間の睡眠時間とはがんばってるね(^^)
体にだけは気をつけてね!
みほ@小山だより :: 2006/11/15 01:13 PM
みほさま
ありがとうございます。
仕事と言うのは厳しいものです。
とにかく描くしかないわけで。
最中は苦しくて、逃げたくもなりましたが
達成感はかなりのものでした。
こんな感じで頑張って行きます。
太く短い人生もいいかなと。
ひよこ@管理人 :: 2006/11/16 01:13 AM
やっぱり奈良の大仏?あれは、毘盧遮那仏と言う仏さま。
それに対して、鎌倉の大仏は、阿弥陀如来なんです。
似てるようだけど、違う仏さまなんですね。
アルカイックスマイルで有名な、京都・広隆寺の弥勒菩薩に、
その数に圧倒される三十三間堂の千手観音や、興福寺の阿修羅を
最初に思い浮かべる人も多いかな?
有名どころというと、そんな感じですが、日本で一番たくさん
作られている仏さまは、十一面観音なのだそうで、
会場には、いろーんな十一面観音さんが、ガラスケースに入れられて、
並んでいました。
十一面観音は、観世音菩薩(観自在菩薩)の変化形で、
ごく普通の人間らしい形を取られてる観音菩薩(聖観音とも言う)が、
顔を増やして、あっちこっちを向かせる事で、もれなく人々を
救って下さるという意味を持たせているのだそう。
それがさらに変化して、手が千本あれば、もっともっと大勢の人を
救う事が出来るのでは?という事で作られたのが千手観音。
こっちは作るのが大変だったせいか、十一面観音ほどは作られませんでした。
十一面観音は、真後ろにも顔があるのですが、ガラスケースなので、
後ろに周り込むことができて、すいてる場所で、じっくり大笑面を
堪能できて、にんまりな私だったのでした。
そういった古い時代のオーソドックスな仏像以外に、今回の目玉は、
江戸時代などの比較的新しい、モダンな仏像を見られる事でした。
イラスト左上のは、京都・西住寺の宝誌和尚立像なのですが、
なんと、顔から顔が産まれてます。脱皮状態です。
こうやって見ると怖いですが、実物は怖いと言うより厳かな感じ。
一本の木で作られているので、体の一部が細くなってるという事
でしたが、全然不自然な感じはしなかったな。
てか、そんなの超越しちゃってるんだろうね。
左下のは、古いもので薬師如来なのだけど、薬師如来って
右手をまっすぐ壁に当てるように前に出してるんだよね。
それが両手だったら、パントマイムみたいなんだけど、
左手は薬壷を持ってる。
だから何か変、と私も思っていたのだけど、その「変」の理由が、
この日、友人によって解明されました。
「ひよこ、ダメだ、ワタシには酒の席で『あ、もう結構です』って
言ってるようにしか見えない」
事もあろうに彼はそうのたまったのです。
何て罰当たりな!でも、何て的を得た発言・・・・・・
私にももう、酒を断る仕草にしか見えません、薬師如来。
右中央は、江戸時代の放浪の仏師・木喰の作った釈迦如来。
木喰の仏像はとにかくこっちも微笑んでしまうような、
柔和な笑顔が特徴なのだけど、この釈迦如来、驚くべき事に、
我らがロールちゃんと、同じ髪型じゃないですか。
これ以外にも、たくさんの木喰作品が並んでいて、圧巻でした。
あとは木喰と並ぶ(多分歴史の長い仏像界に置いては)
モダンな仏師・円空のバリ土産かトーテムポールにしか見えない
作品群も面白かったです。
国立博物館の展覧会は、大抵いつも「これでもか」というほど
見応えがあるものが多く、割と利益とかあんまり考えてなさげっぽい
感じがしてたんですが、今回のこの展示は結構姑息で、一番メインを、
会期中にたった一体だけ入れ替えて
そのたった一体のために、前期後期の通し券が発売されたのでした。
で、それを買っちゃったんですねぇ。
後期は、人と行くかもしれないですが、もしかしたらひとりで行って
大人気の市原悦子のナレーションの解説付で楽しんで来るかも
しれません。(友人は、一回でいいそうです・・・・)
『見仏記』のみうらじゅんといとうせいこうのトークショーがあったり
(気づいた時には完売済みでザンネン)、今月頭の連休には期間限定で
夜間ライトアップをしたり、何だか姑息だけどノリノリな、国立博物館。
混雑していても、九段下の近代美術館みたいなストレスはあまり感じずに
ゆったりと見られるのが、ここの魅力かな、と思います。
COMENNTS
ぴぴちゃまおひさしぶりですー。
イラストの「あ、ホントにもうけっこうですので」でやられた。
おもろすぎー!
お友達発だったんですね。さすがぴぴちゃまのお友達(笑)
みうらじゅんといとうせいこうのトークショー、出来ればワタシも見てみたかったっす。
毎日3時間睡眠?大丈夫デスカ?
どんどん寒くなるし、体には気をつけて下さいね〜!
ともぞぅ :: 2006/11/12 01:07 AM
ともちん
長いの読んでくれてありがとう!
この日の友人は絶好調で
これ以外にもワタシは何度も笑わせられ、
人と一緒に美術館に行くのが、こんなにおもろいとは、
意外な発見。
しかし、周りには迷惑かもしれません・・・
みうらじゅんは、別でトークを聴く
機会に恵まれたのですが、
最高です。でもサインしてもらおうと
せっかく『D.T.』持って行ったのに
それは無理でした。ザンネン。
(なぜか『見仏記』ではない)
そいでもって、体は元気です。
心配してくれてありがとう!
ひよこ@管理人 :: 2006/11/14 02:22 AM
おおぅ〜ぴぴちゃんが更新してるぅぅ(喜)
・・・・全部読んだ。
・・・・やばい。
「あ、ホントにもうけっこうですので」
としか見えない(笑)
私はこのポスター見ながら、それにしてもこんなにたくさん仏像集めちゃって、全国のお寺空っぽぢゃない?なんていつもいつも思っておりました(^^;;
ご利益はあるのだろうか???
そら :: 2006/11/14 05:48 PM
そらちゃん
コメントありがとう!
そして全部読んでくれてありがとう!!
やばいでしょ?
ホント「もう結構です」にしか
見えなくなってきたでしょ?(笑)
確かにいっぱい集めちゃってるよねー
でもどこのお寺も大抵仏像の
10や20はあるはずなので
各お寺で一体ずつくらいなら
とりあえずおっけーなのかも?
昔興福寺までわざわざ行って
阿修羅が見られなかったときは
かなりショックだった記憶があるけどっ!
仏像ってね、不思議なことに
お寺で見ると、ありがたい感じで
ご利益がありそうなんですが
美術館で見ると、「美術品」に見えるんだよね。
ただただ美しかったデス・・・
ひよこ@管理人 :: 2006/11/15 01:08 PM
12月に出る本ってどんなかな。
3時間の睡眠時間とはがんばってるね(^^)
体にだけは気をつけてね!
みほ@小山だより :: 2006/11/15 01:13 PM
みほさま
ありがとうございます。
仕事と言うのは厳しいものです。
とにかく描くしかないわけで。
最中は苦しくて、逃げたくもなりましたが
達成感はかなりのものでした。
こんな感じで頑張って行きます。
太く短い人生もいいかなと。
ひよこ@管理人 :: 2006/11/16 01:13 AM