オリジナル紙芝居『ひよこの帽子屋さん』

オリジナル紙芝居『ひよこの帽子屋さん』
ダミー用イラスト

2009年8月『紙芝居塾第3期修了展』出展

2009年8月制作。
サイズ:A3
画材:CARAN d'ACHE水彩色鉛筆
   Mac+Photoshop

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ひよこ「やぁ、ボクはひよこの帽子屋さん。
    っていっても、ボクの作る帽子は、ほかとは
    ちょっと違うんだ。

    何が違うって?
    帽子で、みんなの夢や希望をかなえちゃうんだよ。
  
    ボクのこの羽のついた帽子。
    コレをかぶると、小さなボクは大きく見えるし
    飛ぶことだってできちゃうんだよ!」

ポンッッ!!

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ゾウ「わぁ、ワタシこんな赤くて小さい
   カワイイ帽子が欲しかったの。ありがとう」

黒ヒョウ「私、ずっとヒョウのくせに
     ヒョウ柄じゃないっていじめられてきたけど
     ひよこさんの帽子のおかげで、ヒョウ柄になれたのよ」

シマウマ「ボクは水玉模様が大好きなんだ!
     ひよこさんのこの帽子のおかげで
     お出かけするのが楽しいんだ、ありがとう!」

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トントン

ひよこ「お客さんかな?どなた?」
   ガチャ・・・「雪だるまさん!」

雪だるま「ひよこさん、こんばんは。
     ボクも帽子をお願いしたいんだけど」

ひよこ「どんな帽子がいいの?」

雪だるま「あったかい帽子がいいな。
     ほら、ボクって冷たいでしょ」

ひよこ「あったかい帽子ね。
    わかったよ、ボクにまかせて」

雪だるま「ありがとう〜」

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ひよこ「ああは言ったものの・・・あったかい帽子かぁ。
    雪だるまさん、溶けちゃわないかなぁ

    あったかいといえば・・・
    死んだおばあちゃんのことを思い出すと
    胸がポカポカしてくるなぁ。

    帽子作りの名人だったおばあちゃん。
    この羽の帽子も、おばあちゃんが作ってくれたんだ
   
    まだボクには飛べる帽子なんて作れない。
    だからこの帽子は、ボクの宝物なんだ」

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ひよこ「そうだ、この帽子をかぶったら
    雪だるまさんも、ぽかぽかするんじゃないかなぁ。

    おばあちゃんの想い出の詰まったこんな帽子だったら・・・
    でも、コレはおばあちゃんの大切な形見。
    どうしよう・・・」

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ひよこ「雪だるまさーん」

雪だるま「ひよこさん、おそろいの帽子なんだね!」

ひよこ「うん。それね、死んだおばあちゃんの形見なの」

雪だるま「ええっ。そんな大切なモノを・・・いいの?」

ひよこ「いいんだ」

雪だるま「ありがとう、ひよこさん」

そう言って雪だるまは帽子をかぶってみました。
何だか不思議な感じがします。

雪だるま「そうだ、この帽子って、飛べるんでしょ?
     ボク、飛んでみたいな。一緒に飛ぼうよ」

ひよこ「ボクには無理なんだ」

雪だるま「そんなことないよ。一緒に飛ぼうよ!」

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ひよこ「あっ、飛んでる!ボクの帽子は飛べないはずなのに!」

雪だるま「ほらね、ちゃんと飛べてる!
     きっと、ひよこさんが、ボクに
     大切なことを教えてくれたからなんだね。

     ひよこさん、ありがとう。

     今ね、胸のあたりがポカポカして、あったかいの
     あったかいって、気持ちいいんだね
     ボク、ずっと、あったかいってことが怖かったの
     でももう、怖くないよ。

     ひよこさん、ありがとう・・・」

ひよこ「雪だるまさん??!!!!!」

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ひよこ「あれ??・・・・お花が咲いてる・・・春が来たんだ!
    あ、おばあちゃんの帽子!
    手紙がついてる!雪だるまさんからだ!
    『ありがとう』って・・・

    雪だるまさん、喜んでくれたかなぁ    
    来年もまた、会えるよね」

                    (おわり)


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