ワタシにとっては2008年に読んだ本の中で
ベストワンに輝く本でした。
ひさしぶりにこんなにココロを乱される本に出会いました。きゅん。
目の見えない女性と、存在を隠さねばならない男性の、
少しずつ、まるで息をつめるように心の通い合う様子が、
淡々と描かれていて、本当に切ない。
そしてその影で急展開していく現実の事件。
男性は殺人犯として追われているのですが
読んでいくうちに、彼が犯人かどうかなど
どうでもよくなってしまうほど、この二人の
ハッピーエンドだけを願わずにいられなくなる。
その後乙一さんの作品は何冊か読みましたが、コレが今まででは最高。
どの本も、人とうまく相容れないことへの恐怖や孤独感や葛藤を
恐ろしいくらい的確にそして哀しく描写しています。
この本にこんなに共感する人が多いのは、うまく人と折り合っているようで
皆心の底では似たような痛みを抱えているからなんでしょうかね。
文庫: 262ページ
出版社: 幻冬舎 (2002/04)
ISBN-10: 4344402146
ISBN-13: 978-4344402140
発売日: 2002/04
商品の寸法: 15 x 10 x 1.2 cm
おすすめ度: ★★★★☆(4つ半) (108件のカスタマーレビュー)
商品の説明
出版社/著者からの内容紹介
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。
他人の気配に怯えるミチル。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。
内容(「BOOK」データベースより)
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。
駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。
他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。
奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乙一
1978年福岡県生まれ。一七歳の時「夏と花火と私の死体」で第六回ジャンプ小説
ノンフィクション大賞を受賞し、衝撃のデビュー。日本ホラー小説界の将来を担う
書き手として、注目を集めている
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)