眠れるラプンツェル/山本文緒
いつも強く共感できる山本作品の中でもピカ一に感情移入できる作品。
28歳の人妻が13歳の中学生に恋なんて、到底考えられない設定だけど、それだけ主人公の孤独の闇は深かったという事なのだと思う。
女性がただ家にいて、寝食に困らなければシアワセなんだと、そんな考え違いをしている男性は未だ多いのだろうし、そこにつけ込んで惰眠をむさぼる女性もまた多いのも事実で。
自立しないでいる事が、妻の座を守る唯一の手段だなんて悲しすぎる。そんな「妻の座」なんてくれてやるわい、と座布団を蹴飛ばしてやりたい。私は私として生きていきたい。
(読んだのは多分2年ほど前。これと『そして私は一人になった』は、読んでて切なかったなぁ)