ひとり仕事術/中本千晶
この本は二年程前に読んだのですが、自分自身もひとり仕事(フリーランス)を始めてから感想を書こうと決めていたのでした。晴れてこの夏からフリーになったわたし(きらきらきら)
そう、この本は、フリーランスの人のための指南書。
「これから自分の力で生きていこうと決意した人へ。会社を辞めてたくましくなれる1冊」
とサブタイトルにもある通り、独立した人、したい人のためのバイブルなのです。
この本は、ひとり仕事を一つの会社に見立てて、
「ひとり営業部」「ひとり商品開発部」「ひとり広報部」「ひとり人事部」「ひとり総務部」「ひとりシステム管理部」「ひとり経理部」「ひとり法務部」「ひとり福利厚生」そしてタイムマネジメント、ステップアップと、
最初の「あなたもひとり仕事人になれる」と合せて12の章から成っています。
冒頭で「この本が必要な人」の3つの条件が挙げられていますが
1. 夢や目標を持ち、その実現に向かって行動している人、 あるいは、その第一歩を踏み出そうとしている人
2. 好きな仕事ができ、心の豊かさを保てるだけの 「ほどほど」の収入を確保したい人
3. 雇われることなく、雇うことなく、自分のスタイルで仕事をしたい人
わたしは特にこの2.にとても共感しています。
独立開業と言うと、すぐに一攫千金的な事や、棚ぼた的なことを夢見がちですが、この本でめざすのは「独立して儲けよう」とか「お金持ちになろう」ということではなく、あくまでも「心の豊かさ」に重点を置いています。
好きな仕事ができて、趣味にお金を使えるくらいの収入を確保できれば、人生は上々ですもの。
そしてこの本に書かれていることは、実はフリーランスだけでなく、会社員やアルバイトなど、どんな形式で働く人にとっても、心に留めておくべきことなのではないかと思うのです。そんなわけで、世に働く人すべてに薦めたい本です。
今年出た続編の「時間管理編」
こちらには青い帯がついていて、一冊目と美しい対になっているのですが、Amazonの方針で、帯なしの写真があれば、そちらを優先するのだとか。
著者の中本さんも嘆いておられたし、これではこの本の魅力も半減ですが、Amazonもものすごい点数を常時UPしていかねばならない都合上、一定の線引きが必要なのでしょうね。
また、この出来事は、今後は装丁を考えるときに、こういったことも考慮して行かねばいけないということを教えてくれています。本が売られるのは、もはや書店だけではないのですから。
著者の中本さんは、以前企画の講座で勉強していた頃の先生なのですが(といっても、年齢はそれほど変わりません)、東大卒業後、リクルートで活躍後、本を書くべく独立。以前にも「宝塚読本」をご紹介しましたが、宝塚がお好きで、最近は着物を着て文楽などを観劇になられる粋で乙女で素敵なお方。いろんな意味で、わたしが師と仰ぐお方なのです。
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