おふくろの味

今日は父親の誕生日。 生きていたら、だけど。

週末から帰省する予定なので、母や姉から、毎日のように電話がかかって来る。最近、家でほとんど料理しないていたらくになってしまった。そこで、実家では料理でもしようか、などと思っていると、母が「あんたのいる間、お勝手はしないからね」と先回りして言う。父が死んでから、姉が結婚するまでは、姉が食事担当だったし、姉がいなくなってからはひとりなので、もう5年も料理をしていないから、やり方を忘れたと言う・・・・・(そういうものか?)

「私が作ろうか?」と試しに言ってみると、母は「作ってくれるの?うれしい!!」と大喜び。「肉じゃがとか、簡単な物だけどね」「いいよいいよ、何でも嬉しいわ〜〜〜」

そういえば、父が生きていた頃、たまに帰省して、母が留守の時に、父のためにご飯を作ると、妙に喜んでくれて、何だか新婚夫婦みたいだわ、と、面映い気持で、差し向かいで食事をしたことを思い出す。今だったら、もっと料理の腕も上がったのに、と思う。二度とは食べてもらえないのが、本当に寂しい。まさか母と差し向かいで、新婚夫婦ごっこはないだろうが、親孝行にはなりそうだ。

そんなわけで、「おふくろの味」をおふくろに食べさせるために、週末から帰省します。


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