フィラデルフィア美術館展

2007.11.29 Thursday 12:46
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◆見どころ
「フィラデルフィア美術館展」は、まるで美術史の教科書さながらに、近代西洋絵画をまとめてわかりやすく理解できる格好の展覧会である。
サロン絵画から印象派への変化、そしてアメリカで大衆文化を反映して、独自の発展を遂げたモダンアートまでの近代西洋美術の流れを、美術史上重要な47作家の作品で網羅している。美術を教える人、学ぶ人にとってまさに必見の内容といえる。フィラデルフィア美術館には、よくぞここまで重要作品を気前よく出品してくれたと感謝したい。

本展は、油彩72点(うちヨーロッパ絵画57点、アメリカ絵画15点)に加え、彫刻が5点の計77点で構成される。コロー、クールベ、ブーダンに始まり、マネ、ドガ、ピサロ、モネ、ゴーガン、ルノワール、ゴッホ、セザンヌといった、日本人がこよなく愛する印象派の傑作がずらりと並ぶのに加え、ピカソ、マティス、レジェ、シャガール、ミロ、デュシャンなど、きら星のごとき20世紀の巨匠の名作が惜しげもなく出品されている。

もちろん、誰もが知っている傑作が数多く展示されるが、とくに監修者として、お勧めの作品はルノワールの《大きな浴女》(1905)だ。豊かで美しい女性を数多く描き「女性の画家」とも呼ばれるルノワールの女性像のなかでも、ベストテンに入る傑作であり、アメリカ国外になかなか出ないことで知られている。
それが日本で初公開されるので、この機会にぜひご覧いただきたい。
また本展ではルノワールが計4点も出品される。一つの美術館から、ルノワールの名作がこのようにまとめて出品されることは非常にまれである。

マティスの《青いドレスの女》(1937)は、数年前に国立西洋美術館で開催された「マティス展」にも出品がかなわなかったものだ。画家が得意とした静物と女性像という二大テーマの傑作3点が展示される。
いずれも色遣いが開花した1920年以降の作品で、マティス独特の色彩を堪能できる。

ピカソは彫刻を含め5点出品されるが、なかでも、彼がバリエーションとして取り組んだ平面的キュビスムの最高傑作《三人の音楽師》(1921)と、《自画像》(1906)をぜひ見てもらいたい。
この自画像はピカソ前期の代表作《アヴィニヨンの娘たち》の直前に描かれたもので、当時アフリカ民俗芸術に触発されたピカソが、自身を黒人になぞらえて表現しており、影響を受けた対象と自己を同一視するといったピカソのアイデンティティが見て取れる。

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