ドラクロワからムンクまで 〜19世紀ヨーロッパ絵画の視点

2004.08.06 Friday 11:46
陽菜ひよ子の名刺や販促グッズ


☆第一章「古への憧れ」
印象派以前の絵画の世界においては、絵画のモチーフの中で、一番崇高なのは、歴史や神話の世界を描くことだとされていました。古代ギリシアやローマの歴史や伝説、ラファエル前派、ルネッサンス様式など、19世紀とは、古に熱中した時代だといえます。これを、20世紀初頭には、過去に頼りすぎで、着想に欠いているとみなされましたが、さらに100年経った、21世紀初頭の現代では、19世紀とは創造的で脈動する時代だったと、理解されているようです。ホメーロスの叙事詩や神話、宗教に題材を取った絵画、また、現代の恋人を描きながら、ルネッサンス時代の服装をさせ、その時代を思い起こさせる絵を描いたものなど、細密で、美しい絵画が続きます。

☆第二章・東方への憧れ 
西洋の人たちの、オリエンタリズムへの憧れというのは、今も昔も変わらないようです。19世紀初頭のヨーロッパ人にとっての東方とは、ペルシアやトルコなどのイスラム圏を指しています。やがて、19世紀も終わりになると、今度はアジア、特に日本への関心が高まり、それが、アールヌーヴォーなどの芸術運動へ結びついていくわけですが、ここでは、東方=中近東の作品を見ることが出来ます。われわれ日本人にとっても、オリエンタリズムへの旅情をかき立てられる絵が多いでしょう。

ロマン主義の中心的画家で、後に大きな影響を与えたドラクロワ、そのドラクロワへの賞賛に触発されて東方を旅したルノワールなど。ロマン主義というと、なにやらロマンティックな甘い絵を描いたのかな?などと、わたしなどは思っていましたが(笑) 、ドラクロワの絵は、ドラマテッィクで、雄大なロマンにあふれています。今まさにライオンを捕らえようとする『ライオン狩り』は、よもやモデルを前にしての、忠実な描写ではないでしょうが、まるでこの瞬間、目の前で展開していることのように、見る者をその世界へ引き込みます。

☆第三章・現実を見つめる
19世紀の美術世界は、大きな転換期であったと言えます。上にもあるように、当時は、古典主義やロマン主義以外の絵は好まれず、現実の生活を描いた絵は、低く見られ、軽蔑の対象にすらなりえました。しかし、同時に写実主義に傾倒する運動が起こり始めました。今では、目の前にあるものをそのままに描くのは、むしろ古典的な手法で、そこから、いかに自己を表現するかが、主題となってきますが、当時は、目の前のものをそのままに描くという、一見当たり前に思えること自体が、とても前衛的だったと考えると、絵画の歴史は、面白いものだなぁと感じます。

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