a・鳥・家だより(atelier-dayori)・vol.2

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『アカペラ』山本文緒

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いつもは絵日記ってことでもう少し適当に描くんだけど
今日はフォトレーションを本格的に描いてみて、試行錯誤したりして
それが少し反映されて、きちんと描いてる感が出てるかも。

しかし、トランプがスペードの2と5と7ってのは知らなくて
ずっと適当にハートで描いてた気がするー。
今日も途中で気がついて、なので片方の頭だけハートなんですが(笑)
そこ、my365で突っ込まれた。あはは。すみませんーーー
展示ではちゃんと描くから許してw

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そんなわけで、展示まで一ヶ月を切ったので、本腰入れて描き始めてる。
今回はフォトレーションと言って、オットの写真の上に絵を描いてるのだけど
彼の写真が強過ぎて、絵が完全に負けてる。うーむ、頑張らねば。

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もう二年も前に休学した帽子の学校から誕生日カードが届いた。
ホントに、先生はこの世で尊敬する人の三本の指に入る。
先生に出逢えて、本当によかった。
いつか、絶対に帽子の世界に戻りますので、もう少しだけ、待ってて下さいね、と心に誓う。

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やっと食べた横手焼きそばスナック。
これうんまい!!軽くてサクサク食べられちゃう〜


読み始めたら、止まらなくなってしまって、3時近くまでかかって読んでしまった。
面白かったー。3つのお話は全く無関係で連作でもないのだけど、主要な登場人物が
4月生まれなのと、いわゆる「血」が近い者同士の恋愛なのが同じ。

情報が極めて遅いのだが、これは著者がうつ病から復帰した第一作だったのだそうだ。
以前より、ちょっとやわらかくなったかなーと思うけど、やっぱ山本文緒は健在だ。

『アカペラ』
3つの中で一番好きな話。全部切ないんだけど、コレが一番かわいいー。
自分に無関心な両親に見捨てられた15歳の「タマコ」はおじいちゃんが大好き。
まることトモゾウさんみたいと周りから言われるが、おじいちゃんは
なぜかタマコを「まぁこさん」と呼ぶ・・・コレがのちに深い意味を持つのだが。
そこに、物語のもう一人の語り部の担任教師・蟹江(カニータ)とその彼女とか
タマコが年をサバ読んでバイトしてる古着屋の元ヤンの社長・姥山とか
いろいろからまって、うんうんとうなずきながら読んでしまった。

家ではDVなのに、外では被害者みたいにふるまう母親にゲゲーッという感じで
DVされるトモゾウさんと何かを重なり合わせてしまう私なのだった。
それにしても最後は切ない。これが表面化して事件になったら、心のケアとか
イロイロ言われるような事例だけど、きっとタマコはたくましく、雄々しく
生きて行くんだろうと思う。「タマや」と呼ぶおじいちゃんを看取ってからも。

『ソリチュード』
イケメンだが、誰もが認めるダメ男の春一(はるいち)が、父の死をきっかけに
20年ぶりに帰った故郷で、年老いた母や、かつての恋人の美緒やその娘の一花(いっか)
悪友の武藤などとの交流を通じて、「スナフキンごっこ」をしている自分を自覚する。
「オレはいつでも旅に出ますよって顔で、でもずっとムーミン谷のはしっこで
ギター弾いてるニートな男」
そう言えば、今の私たちだってそんなものなんじゃないかって思ったけど
昨日この本を読みながら、彼は私に楽しい話をしてくれた。
未来がパーっと明るくなるような話。
スナフキンは、ごっこじゃなくなる。
いずれは旅をしながら暮らしていきたいと思う。
もっと年をとったら、そんな風には思わなくなるんだろうか。そうかもしれないけど。
そういえば、主人公と元恋人の美緒は、いとこ同士だからと仲を裂かれたのだが
同じ二つ違いのいとこ同士でも、彼と秋に結婚したあの子とは全然違うねーと笑いあった。

『ネロリ』
ネロリとはアロマオイルの名前。催淫作用があるらしい。
50歳になる姉・志保子と、39歳の弟の日出男は寄り添うように暮らしている。
日出男は絶望的に体が弱く、食事も生活も精神的にも管理した生活を送らねばならず
一度も働いたことがない。
そんな中、姉の志保子はリストラされることになり、ほぼ時期を同じくして
一回り年下の須賀からプロポーズされる。
結局、須賀とは結婚せず、どうにか姉弟二人での生活を模索してるところで
この二人の話は終わるのだが、その後、この物語のもう一人の語り部である
19歳の心温(ココア)ちゃんのモノローグで、意外な事実が判明する。
しかし、その節で行くと、年齢がちょっと合わないような気がするのは、私だけだろうか。
日出男の体調が崩れるところとか、須賀との結婚が破談になるところとか
ちょっと自分たちに重なる部分もあるようなないような・・・
私は恵まれてると改めて思うのだった。

内容紹介
苦しみ抜いた日々から再生を果たした著者が贈る、あなたの心を温める珠玉の物語。

無職で病弱な弟と暮す50歳独身の姉。20年ぶりに田舎の実家に帰省したダメ男。じっちゃんと二人で生きる健気な中学生。人生がきらきらしないように、明日に期待し過ぎないように、静かにそーっと生きている彼らの人生を描き、温かな気持ちと深い共感を呼び起こす感動の物語。6年ぶり、待望の小説集にして最高傑作!
内容(「BOOK」データベースより)
ひたむきに、健気に、静かにそーっと生きているあなたに、切ないほどの優しさがゆるやかに胸にしみ入る珠玉の小説集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山本/文緒
1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で第124回直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

単行本: 254ページ
出版社: 新潮社 (2008/07)
ISBN-10: 4103080116
ISBN-13: 978-4103080114
発売日: 2008/07
商品の寸法: 19.4 x 13.6 x 2.4 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 3.9 (27件のカスタマーレビュー)
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