『悦びの流刑地』と『しびれフグ日記』/岩井志麻子

070116flower_girl.jpg秋頃、岩井志麻子が気になって気になって仕方なくて、『しびれフグ日記』と『悦びの流刑地』を読んでみた。(流刑地は流刑地でも、昨年ブレイクした『愛ルケ』とはちゃうのだが)おそれいった、と言う感じだった。

『しびれフグ日記』

おもしろかった。期待を裏切らないおかしさ。ホント、ココまで自分の恥部をさらけ出して、それでなおかつ、最後のオチ!!岩井志麻子ってただもんじゃねーな、と思う。
本人もさることながら、脇を固める登場人物たちの濃さも相当だと思う。今度はちゃんと小説を読みたいと思った。


そんなわけで、このあといよいよ小説を見つけて購入。


            


最後のオチとは、何と岩井志麻子は、担当編集者と結婚してしまうのである。
37歳で田舎に夫と二人の子を残して上京。このエッセイ中にも、外国人との恋や、幾人かの「床友達」の存在をにおわしていながら、いきなりの再婚。しかも、最近知ったのだが、さらに離婚して、今はヒモを飼う身分だとか。あっぱれ岩井志麻子。ヒモを飼ってもかっこいいぞよ。

そんなわけで小説。


『悦びの流刑地』

帯で竹中直人が書いてるけれども、「臭ってきそうな文体」ってこう言うのを言うんだろうな。文体だけでなく、匂いに関する描写がすごい。

実際、他人には耐え難いような醜悪な状況も、快楽の中にある二人には、官能を手助けするものにしか他ならないものだと思うのだ。
そして美しい姉と弟のそれは、読んでいて決して不快ではない。ダメな人はダメかもしれないけど。これ以上行っちゃったら、受け入れられないだろうと言うギリギリの境界線で、旨い事書かれてる。そんな感じ。

寝る前にちょっと読むつもりで、結局朝までかかって、一気に読破してしまった。あらすじとか結末は予測できるのに、続きが気になって止まらなくなってしまう。
何と言ってもエログロですから、私の好きな世界なんです。 もういいさ、認めてしまおう。

日本語は本当に美しく、無理の無い文章ですよ。歌の下手な歌手も文章の下手な作家も嫌いだ。いくら面白くても文法崩れてるような文章は読みたくない。
でもやっぱり結末にもう少し工夫が欲しいので、☆4つ。




  •   このエントリーをはてなブックマークに追加  

<< 極楽極楽(^e^) 戻る ファースト・プライオリティー/山本文緒 >>