コレを書いてるのは11月8日(月)。
この展覧会に行ったのは、永遠に終わらないかに思えた戦後最高に暑い夏のこと。
久しぶりの損保ジャパン東郷青児美術館。めっちゃ混んでました。
この美術館、損保ジャパンのビルの42階にあるんですが、一階でエレベーターに乗るまでに数十分待たされました。考えてみると、この美術館に休日に来たのは初めてのこと。
人気の美術展はいつもこんな感じなのかな。しかし、エレベーターで待たされる分、中に入ってからはそんなに混まずに、ゆったり見られるのは、悪くないかもです。
ただこの日(8月21日)の私たちは、すでにこの展示を見て、この展示を見た後に、銀座に出て、ITO-YAで絵の額装をお願いして、さらにコレも見て帰るつもりだったので、全部見られるかどうかドキドキでした。
てか、元気でしたねぇ。よく3つも見られたもんだ。
さて、展覧会の内容についてですが、実はワタシ、一生の不覚ともいえる、2009年Bunkamuraのだまし絵展、見損ねたんです!なので、この展覧会、すっごく楽しみでした。
ただ、この展覧会は昨年のに比べれば、かなり小粒な内容となってました。だからこそ、3つ見られたと言うのもありますが。数日後に、「ブリューゲル版画」と「マン・レイ」のはしごしましたが、このふたつは、ふたつだけでもうお腹いっぱい。3つなんて絶対無理でしたから。
森村泰昌
《肖像(ヴァン・ゴッホ)》 1985年
カラー・プリント
最近気になってしょうがないこの方の作品が見られて大満足。森村さんと言えば、いろんな著名人の扮装をして撮った写真が作品と言う、ユニークな作風で注目を集めるアーティスト。
顔の濃い我がオットは、こんなネタ(『国際結婚だったんだがね?!』)にされてしまってますが(笑)その後、ゲバラが気になって仕方ない私たち。
森村さんは、このゴッホ以外に、ピカソ、ダリ、ゲバラ、そしてフリーダ・カーロなどに扮していて、それが違和感がないのがすごいっ。この方も日本人としては濃い顔だからなんでしょうねぇ。
上田薫
《なま玉子J》 1978年
油彩・アクリル、キャンヴァス
すごいリアルです、絵とは思えません。2010年現在の写真技術でしたら、こういう瞬間を切り取ることは容易ですが、この時代にこの写真を撮り、さらにそれを写し取ると言うことはすごかったわけです。
ものすごい超スーパーリアルと言えば、三尾公三さん。私はこの人の絵にくぎ付けになってしまいました。すごすぎです。画像なくて残念ですが、ググッて見てくださいませ。
河口龍夫
《無限空間におけるオブジェとイメージの相関関係
又は8色の球体》1968年
石膏・ミラー・ガラス・蛍光灯
一概にトリックアートと言っても、エッシャーみたいないわゆる「だまし絵」だけではなく、あるものを、何か別のものに見せる、とか、角度を変えると別のものに見えるとか、ニンゲンの錯覚とか、いかに人がちゃんとモノを見てないかとか、そんなことを訴えかけてくるアートが満載の展示でした。
昨年の展示に行ってないので、あんまり語ることはできませんが、Bunkamuraは、古今東西の主だった「だまし絵」を系統立てて、かなり突っ込んで展示していたのに対し、今年の損保ジャパンは、そのモダンアートの部分に絞って展示していると言う感じです。
どちらかと言えば、アカデミックなルネッサーンスな絵画よりは、モダンアート好きな私にとっては楽しい展示でしたが、正直、入場料1000円前後の展示って微妙で、終わりに来ると「え?もうこれで終わり??」的な物足りなさが残ることがあります。
コレが入場料1300円超えると、これでもかってくらいの展示量だったり。あまり下世話に金額を語るのもなんですが、その辺で展示の量は推し量ることはできるので
参考までに。ただし、展示の質と量は違うので、そのあたりもくれぐれもお間違えなく。
トリック・アートの世界展 −だまされる楽しさ−
【特別展】
トリック・アートの世界展 −だまされる楽しさ−
見まちがい、見落し、思い込みによる目の錯覚などを、私たちは日常よく経験します。見ることの不確かさに着目した美術は、「だまし絵」のように東西問わず古くからあり、現代にも手法を変え引き継がれています。1960年代の錯視効果を狙ったオプ・アートや光を用いたライト・アート、70年代の写真を利用したスーパー・リアリズム、90年代の古典絵画のパロディ作品などに、多彩でユニークな視覚的仕掛けが見られます。
高松市美術館の「戦後日本の現代美術」コレクションを中心とする本展では、このような、視覚や固定観念にゆさぶりをかける絵画や彫刻を展示しています。
近年、西洋の伝統的な「だまし絵」をテーマにした展覧会が開催されていますが、本展は時代を現代に絞り、第一線で活躍する日本作家を中心とした戦後美術を、トリック・アートという切り口で紹介するユニークな展覧会です。
【出品作家】(全25名 姓のアルファベット順)
チャック・クロース 福田美蘭 堀内正和 伊藤隆康 伊藤利彦 柏原えつとむ
河口龍夫 金 昌烈 小本 章 桑原盛行 桑山タダスキー 三尾公三
三島喜美代 宮脇愛子 森村泰昌 中川直人 名和晃平 坂本一道 佐藤正明
多田美波 高松次郎 立石大河亞 上田 薫 ヴィクトル・ヴァザルリ 吉村益信
開催概要
会 期 2010年7月10日(土)〜8月29日(日)
月曜定休 ただし7月19日は開館
会 場
損保ジャパン東郷青児美術館
〒160-8338 新宿区西新宿1-26-1
損保ジャパン本社ビル42階
開館時間 午前10時から午後6時まで、金曜日は午後8時まで
*入場は閉館の30分前まで
料 金 一般1000(800)円
大学・高校生600(500)円
シルバー〈65歳以上〉800円
中学生以下無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※前売り券はチケットぴあ、ローソン等でお求め下さい(6月26日発売)。
主 催 損保ジャパン東郷青児美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会
協 賛 損保ジャパン、ライオン、清水建設、大日本印刷
協 力 高松市美術館
<ワークショップ>会期中1階ロビーにて開催(7月19日を除く月曜休)
「トリック・アートに挑戦!」 参加無料
午前11時〜午後5時(午後4時30分申し込み締め切り)
※ 上記時間内にご自由に参加できます。
<ギャラリートーク>学芸員が会場で作品の説明をします(当日自由参加)
小・中学生と保護者対象
7月17日(土)、7月18日(日)、
7月24日(土)、7月25日(日) いずれも 午後1時30分〜
5月1日(土)午後1時30分〜
一般対象
7月23日(金)、7月30日(金) いずれも午後5時30分〜
常設展示コーナー
ゴッホ《ひまわり》
セザンヌ《りんごとナプキン》
ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》
東郷青児、グランマ・モーゼス