書くのは久しぶりだけど、読んでいなかったわけではなくて。
この本も、まだ池袋の家にいた頃に読んでいたので、
おそらく、「死神の精度」のあとの6月頃。
冒頭の「本屋襲撃」部分のみが、
あらすじとして読者にはインプットされているが
その原因となった二年前の出来事と、交互に違った視点で描かれていく。
冒頭の本屋襲撃を含む現在は退屈で
二年前のほうに急速に引き込まれていき
続きが気になって気になって
途中でやめることができなくなってしまう。
伊坂作品はどれもおもしろいけれど、途中でやめられなくなったのは
本書が初めてで、そういった意味ではおすすめかも。
ただ、のっけからペット虐待という重苦しいテーマが出てくるので
拒否反応を示す人も多いと思う。そもそも伊坂作品は闇社会の
どす黒い描写が結構多いので、読みながら憂鬱になったりもする。
それでもやめられないんだけどね。
2008年は、伊坂幸太郎を読みふけった一年だった。
今までなんで読まなかったんだろうと、不思議になるくらいの
はまり方。
特に本書は、タイトルで当然ながら注目はしていただけに
未読だったのが本当に不思議。
「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」「死神の精度」に続く4冊目。
どれもおもしろかったけれど、最後の最後のどんでん返しで
ああ!と言わせると言う意味では、最初のオーデュボンには
どうしてもかなわない。アヒルと鴨は、終盤で意外な展開を
見せるけど、彼の思想を語ると言う点でもちょっと弱い。
だけど、夢中になって読ませてくれるのと、切ない感じは
なんとも言えない読後感を与えてくれる。
価格:¥680
文庫: 384ページ
出版社: 東京創元社 (2006/12/21)
ISBN-10: 4488464017
ISBN-13: 978-4488464011
発売日: 2006/12/21
商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
おすすめ度:★★★★☆ (96件のカスタマーレビュー)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の
長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に
本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった
一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに
なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立って
しまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治
文学新人賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂 幸太郎
1971年千葉県生まれ。2000年、『オーデュボンの祈り』で
第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビューする。
『アヒルと鴨のコインロッカー』で、第25回吉川英治文学新人賞
短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)