アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂 幸太郎

090221ahirutokamo.jpg久しぶりの読書記録。
書くのは久しぶりだけど、読んでいなかったわけではなくて。
この本も、まだ池袋の家にいた頃に読んでいたので、
おそらく、「死神の精度」のあとの6月頃。


冒頭の「本屋襲撃」部分のみが、
あらすじとして読者にはインプットされているが
その原因となった二年前の出来事と、交互に違った視点で描かれていく。

冒頭の本屋襲撃を含む現在は退屈で
二年前のほうに急速に引き込まれていき
続きが気になって気になって
途中でやめることができなくなってしまう。

伊坂作品はどれもおもしろいけれど、途中でやめられなくなったのは
本書が初めてで、そういった意味ではおすすめかも。

ただ、のっけからペット虐待という重苦しいテーマが出てくるので
拒否反応を示す人も多いと思う。そもそも伊坂作品は闇社会の
どす黒い描写が結構多いので、読みながら憂鬱になったりもする。

それでもやめられないんだけどね。


            


2008年は、伊坂幸太郎を読みふけった一年だった。
今までなんで読まなかったんだろうと、不思議になるくらいの
はまり方。

特に本書は、タイトルで当然ながら注目はしていただけに
未読だったのが本当に不思議。

「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」「死神の精度」に続く4冊目。

どれもおもしろかったけれど、最後の最後のどんでん返しで
ああ!と言わせると言う意味では、最初のオーデュボンには
どうしてもかなわない。アヒルと鴨は、終盤で意外な展開を
見せるけど、彼の思想を語ると言う点でもちょっと弱い。

だけど、夢中になって読ませてくれるのと、切ない感じは
なんとも言えない読後感を与えてくれる。


価格:¥680
文庫: 384ページ
出版社: 東京創元社 (2006/12/21)
ISBN-10: 4488464017
ISBN-13: 978-4488464011
発売日: 2006/12/21
商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
おすすめ度:★★★★☆ (96件のカスタマーレビュー)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の
長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に
本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった
一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに
なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立って
しまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治
文学新人賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂 幸太郎
1971年千葉県生まれ。2000年、『オーデュボンの祈り』で
第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビューする。
『アヒルと鴨のコインロッカー』で、第25回吉川英治文学新人賞
短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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