本を読んで泣く〜「トラッシュ」山田詠美

山田詠美「トラッシュ」を読んだ。わたしは、あまり一人の作家の本を読み漁ると言うことをしないのだけど、彼女の本は、比較的たくさん読んでるほうだと思う。この作品は女流文学賞を取ったもので、著者としては最長の作品である。でも、長さを感じないほど、さらりと読めてしまう。最近になく感動したのは、共感できる部分が多いからなのかもしれない。

家で本を読む時間はないので、電車の中とか、ランチで入ったカフェなどで、読むことが多いんだけど、もう泣けて泣けて、困ってしまった。彼女の本は多く読んでるけど、泣いたのははじめてかも。それほど、せつない物語だった。幸せと言うものについて考える。目の前の幸せを享受する事に不器用な恋人・リック。でも、リックの気持ちもわからなくはないのだ。幸せな自分に、慣れることができないと言う悲劇。わたしの中にも、彼に似た部分があるからなのかもしれない。


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