とりあえず風邪なので、ゆっくり眠って本を読んでいた
先日からぽつぽつ読んでいた山本文緒の「恋愛中毒」
途中からぐいぐい引き込まれて、一気に読みきってしまった
読み終わったあとも、しばらく放心状態になっている
ストーカーと言う犯罪が犯罪として扱われるようになってまだ久しい
人を愛しすぎたゆえ、あるいはゆがんだ愛情ゆえの犯罪
けれどそれは何も特殊なことなんかではないのだ
誰でも自分がそうした罪を犯す危険を常に従えている
一皮向けば人間はみな同じ
弱くもろい部分を誰もが持ってると思う
一見異常な女性を描いてるかのようなこの作品が、
世間の女性たちからこんなに共感されたのも、そのせいなのだろう
人を愛するって、決して美しいばかりじゃない
愛する気持ちの裏には、いつもほんの少しの憎しみに似た気持ちが隠されてる
人はそこから生まれる罪悪感から、他人に優しくなれるのかもしれない