先のことなんて考えない

いよいよ明日は引越しだ。もうこの家ともお別れなのだと思うと、さすがに感慨深い。もしかしたらこの先、こんなきれいで広い家には住むことはないかもしれない。それを別段惜しいとも思わない自分がいるのが不思議だ。
    
今迄の自分の半生に思いをはせてみると、中学のころ、受験が終わって高校生になったらきっと楽しい日々が待っているの違いないと思っていた。実際の高校生活は思っていたほど楽しくはなくて、卒業したらきっと楽しいことが待っていると思っていた。そして結局、結婚したら・・・となるわけだけど、それも、期待はずれだったわけで。

つまり私はいつも、先のことばかり考えて、先に期待ばかりして、今の自分自身をないがしろにして生きてきたのだと思う。こんな風に、今のことだけを考えて生きるのは初めてで、とまどいつつも、でもそれがすごく楽しい。普通はそろそろ落ち着き始める年齢に、こんなことをしている自分は、すごく馬鹿なのかもしれないと思う。でも、長年分別を持って生きてきたおかげで、社会的なスキルはある(と思う)。だからこそ、怖いものはないとも言えるのだ。

今年は37歳。いざというときの仕事も、年齢制限はあるだろうけれど、ま、何とかなるでしょ。安定した生活をしてもどうせ不幸なら、不安定も悪くないさ。先のことなんて考えない。


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