生誕100周年 トーベ・ヤンソン展〜ムーミンと生きる〜

150916tove_jansson1web.jpg京都市美術館でマグリット展を見た後は
大阪に移動して、トーベ・ヤンソン展へ。

実は今回最初の目的はマグリット展だったにかかわらず
トーベ・ヤンソン展が見られるとわかった途端
私の中ではメインはトーベに移っていたので
マグリットが思いがけず早く観終わって
予定より早く移動出来て、ホントよかったのです。

さて、トーベと言えば、日本ではアニメ・ムーミンの原作者
と言うことで有名ですが、彼女の祖国フィンランドでは
トーベは総合芸術家として著名であるというのは
予備知識としてあったので、ムーミン以外の彼女の作品を
とても楽しみにしていました。

そして、その期待は裏切られることなく
いえ、もう予想以上の作品たちが待ち受けていたのです。
いやもうホント素晴らしい!
この感動は、2009年に現代美術館で見たメアリー・ブレア展以来
かもしれません。


              


150916tove_jansson2web.jpg150916tove_jansson3web.jpg150916tove_jansson4web.jpg150916_MG_8135.jpg昨日も描きましたが、マグリット展を見て、私が一番に感じたのは
マグリットはこのシュルリアリスムの世界こそが唯一の表現方法で
例えば、もう少し早く生まれて、印象派やフォービズムを描いていたら
恐らく画家として大成しなかっただろうということ。

彼は何を描いても素晴らしいというような器用な画家ではなかったのね。
でも、その唯一の表現方法をちゃんと見つけられてよかったね。
なかなか見つけられない人も多いんだからさ。
なんて思ったのでした。

一方、トーベ・ヤンソンは、ムーミンを代表とする漫画や児童書、
イラストレーションの世界より、画家でありたいと願っていたそうで
けれど、彼女は多才過ぎて、その才能をひとつに絞ることなど
到底できなかったのだそうです。

彼女の幼少時に父が「トーベはきっと偉大な芸術家になる」と
喜んだというエピソードは素敵で、大いなる予言となりました。

そんな彼女の若いころの作品も、本当に素晴らしく
特に色彩の美しさは特筆すべきものがあります。
今回展覧会のフライヤーのTOPに使われたムーミンの
色彩豊かな作品のもととなる彼女の色彩感覚は
既にこの頃から健在だったのです。
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ひゃひゃひゃ。写真撮っちゃった♡

そして初期からサインの横に登場していたムーミン。
大コーフンのムーミン原画は「驚くほど小さい」
と聞いていても驚くほど小さく、細密で、ビックリ。

そういえば、ムーミン・トロールは、日本ではよく
「妖精」だと言われますが、本展覧会でははっきりと
「おばけ」と書いてありました。
おばけだったのか、ムーミン。。。。

漫画の原画で感動したといえば、2010年夏の水木しげる展
素晴らしかったですが、おばけ繋がりってことで。
(キレイにまとまった!!)

トーベはあの「不思議の国のアリス」の挿絵も描いているのですが
実はアリス好きの私、その本を持っているので、原画が見られて
超うれしかった!

私もイラストレーターの端くれとして、人の作品を見ることも
「見られる作品としての」自分の絵と向き合うこともしょっちゅうですが
いい作品って、理屈ではない魅力があるんですよね。
必ずしもデッサンが正しいとか、正確さとか、そういうことではなく。

私にとってトーベの絵は、初期の絵画もムーミンも「なんかイイ!」
そう思う人が多いからこそ、彼女は天才なんだな、と思うのです。

途中で、コスプレコーナーがありました。
オットがスナフキンの帽子を被ってパチリ。
私は誰のコスプレか分からないけど(笑)お花いっぱいで
カワイイものをいっぱい持って撮ってみました。
妖精気分満喫(だからおばけだって!)。

よく見たら、パパの帽子やママのエプロンが見つかり
ムーミンのシッポもつけて
ひとりでムーミン一家を表現してみました。
このエプロンカワイイ!グッズであったら欲しかったかも!

でもグッズはどれもなかなかいいお値段で
行くまでは、割とイロイロ買う気満々だったのですが
結局、図録と限定のマステだけ買って、展覧会を後にしたのでした。

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生誕100周年 トーベ・ヤンソン展〜ムーミンと生きる〜

展覧会概要
フィンランド生まれの画家、トーベ・ヤンソン(1914-2001)の生誕100周年を記念し、その生活と創作の秘密に迫る大回顧展。代表作「ムーミン」シリーズの挿絵原画をはじめ、生涯を通じ取り組んだ油彩画、児童文学の挿絵、家族らが撮った写真など約400点に加え、トーベが愛したクルーヴ島の別荘「夏の家」の再現モデルもお目見えします。

会場
あべのハルカス美術館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F アクセス

開催期間
2015年 7月25日(土)〜 9月27日(日)

開館時間
火〜金 / 10:00〜20:00
土日祝 / 10:00〜18:00

*サマータイムデー:8月8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)は閉館時間を20:00に延長します
*入館は閉館30分前まで
休館日
月曜休館(ただし、8月10日、8月17日、8月24日、9月14日、9月21日は開館/10:00〜18:00)
※8月24日は「親子で楽しむ こどもDAY」を開催いたします(10:00〜18:00)。

入館料
            当日    前売・団体
一般           1,200円 1,000円
大学・高校生       800円 600円
中学・小学生       500円 300円
*団体料金は15名様以上からの適用になります。
*障がい者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添い1名様まで当日料金の半額でご覧いただけます。
*前売券は2015年6月1日(月)〜7月24日(金)まで販売。
[チケット販売所] あべのハルカス美術館ミュージアムショップ、近鉄駅営業所、セブン-イレブン(セブンコード=039-165)、チケットぴあ(Pコード=766-885)、ローソンチケット(Lコード=52567)、イープラス、CNプレイガイド、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップほか
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《絵本「ムーミン谷へのふしぎな旅」挿絵》
トーベ・ヤンソン

1977年
タンペレ市立美術館ムーミン谷博物館蔵
© Moomin Characters ™





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