
2013年9月に北青山の
ギャラリーDAZZLEさんで行われた展示
「寺子屋マルプ『形容詞を描く』」。
選んだ「形容詞」をモチーフに、製本会社から支給された「束見本」(真っ白の本)に自分だけの本を描く。
なんて魅力的な展示。
池袋のデザイン会社
マルプデザインさんのご協力で、7月にワークショップが行われた。
「形容詞を描く」というテーマで、自分自身の過去を掘り下げていく。
色鮮やかな色彩が浮かび上がり、明確に好きなものが目の前に広がって行った。
私たちのグループは「清々しい」という形容詞をモチーフに、各自が本を作ることになった。
7月の後半、静岡にある掛川花鳥園を訪ね、鳥への愛を確認。
8月には、瀬戸内の島を巡り、島への愛も改めて感じた。
島への愛?
実は、私には島を愛するようになったキッカケらしきものが別にあるのだ。
その話は、また別の機会にすることにして。
私は「鳥」と「島」をテーマに、本を作ることになった。
今これを書いているのは、2018年8月。
これまでは、束見本を利用した本の形でしか読めなかったものを、こうしてWeb公開することに決めたのは
3年前に本を出し、文章を依頼されることが増えたことと、この展示の際にも、全く知らない人から
「陽菜さんのがすごく面白かった」という感想をいただいたのを思い出したから。
今読むとつたないものもあるので、文章に関しては加筆修正しながら、載せていきたい。
そして時間のある時に、ページを増やして完成させ、いつか紙の本の形でお目にかけられたら、と思うのだ。
ところで、実際に葉販売されていないこの本のこのISBNコード、いったい何だっけ?
と、5年経った今では、この番号が謎の暗号のようで、ドキドキしながら検索したら
友人の奥中尚美さんの本の番号だった(笑)
「笑顔のおくりもの」(PHP研究所)ISBN 978-4-569-80738-6
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80738-6
そういえば、思い出したどうでもいい話。
ペンネームを作る時にも、陽菜ひよ子と最後まで迷ったのが「コトリ◯◯(本名の下の名前)」だったっけ。
私はひよこだけでなくて、小さめの鳥全般が好きなので、本当はこっちの方が合ってるのかもしれないね。
#寺子屋マルプ『形容詞を描く』
寺子屋マルプ『形容詞を描く』詳細はコチラ
いよいよ中身。ワクワクする。
絵を描くより、形を考えるのが、実は私にとっては楽しい時間。
ここ数年、そういった自分の傾向に気づいてきたのだが、この「寺子屋マルプ」も今思えば、自分のそう言った部分に
気づかせてくれた貴重な機会だったのだ。
展示って、仕事に結びつけられたら、それが一番だけど、それ以外にも「気づき」があれば、それでまずは上々。
(私の場合はこの展示でのマルプ社長の清水良洋さんとの出会いが、後にまさかの出版に結びつくのだけど)
イラストレーターがやりたい仕事といえば
「装画」「絵本」「商業施設のヴィジュアルデザイン」「企業カレンダー」
あたりがたいてい最初に上がる。「装画」や「絵本」の講座はいつもイラストレーターの熱気むんむんで大盛況だ。
私も「装画」つまり、本のカバーイラストを描きたくて、この二年後の2015年には、同じDAZZLE×マルプさんの
装画のWSに通うことになるのだけど(さらに2017~2018年には自ら講師を招いて装画塾を開催するんだけど)
手ごたえという意味では、中身を書いたこの「寺子屋マルプ」の方が全然あった。
最近は、文章やディレクション的にWebなどに携わることも増えて実感したのは
私はただ絵が描きたいというより、コンテンツを作ることが好きだし、向いてるんだなぁと。
絵が好きでイラストレーターになった、文章が好きでライターになった、とりあえず夢はかなった、そんな人も
一度立ち止まって考えてみるといいのかもしれないし、行き詰まったら、あえて違うことをするのもいい。
少し幅を広げて、他のこともしてみたほうが、別の自分を見られて、本当はこっちが向いてたってことは往々にしてある。
絵が上手な人って本当にたくさんいるし、そう言う中で自分が行き残っていくには?って考えた時に
他に売りに出来ることって何だろう?
この先のイラストレーターには、そういう視点って、とても大切なことだと思う。
話が脱線したが、ここからは本の構成を考える。
ワークショップで浮かんだ色鮮やかな世界と、極彩色の鳥と、島で出会ったたくさんの色。
「色」をキーワードに進めて行くことにした。
「あとがき」の200ページ越えにビビるけど、これ、単行本の束見本なんで、数ページの冊子とはわけが違うんである。
ざっと作った目次、この時点でもはや埋まっていない。。。。当たり前か。
数十名の参加者のうち、埋めた人は一人もいなかったもんね。



そして、「1」は長くなっちゃったので端折っちゃったけど、帯も作った。
デザインは全部一緒で、文言だけちょっと違う。結局最後の「あなたの知らない」にした。
だって、この本を読むまでは「知らない」のは継続してるんだもんね。


さて、いよいよ本文に入る。
ドキドキワクワク「鳥と島」の世界を楽しんで行って下さいね~。
#寺子屋マルプ『形容詞を描く』
寺子屋マルプ『形容詞を描く』詳細はコチラ
奥付は、その本の情報が詰まっているところ。
この業界にはいってすぐに、先輩から、「人から本を渡されたら、まずは奥付を見ろ」と言われたものだった。
今でもまだまだだけど、2013年頃は、本当にへっぽこイラストレーターだったなぁ。
今だったら、どんな風になるかなぁ?
#寺子屋マルプ『形容詞を描く』