宮部みゆきさんの「RPG」を読んだ。実は彼女の作品は、これが初めてなのですが、おもしろかった。ぐいぐい引き込まれてしまうのは、さすがだ。
心に残った言葉がいくつか。警察官である女性の思う言葉。
「誰かを助けたり、誰かの役に立つために頑張りぬく精神力も必要だが、それと同じくらい、いやそれ以上に切実に、誰も助けることができなかったり、誰の役にも立てなかったときに、そういう自分に耐え抜くことのできる忍耐力も必要とされるのだ」
これは、何も警察官だけに当てはまるのではないと思う。人は、誰かの役に立ちたいという潜在意識があるのだと思う。だからこそ、世の中で一番辛いのは、自分が誰にも必要とされていないと感じること。困っている人、打ちひしがれている人を前にしても、何もできないと感じること。そんな、無力感なのではないだろうか。
また、警察官である男性の言葉。
「自分で自分をお人よしだと言う人間を信用しない」
これは、言えてると思う。わたしもそうかもしれないと思った。