自分の限界〜「キッチン」よしもとばなな〜より

040207plants.jpg去年の冬に買ったアマリリスが、ようやく芽を出した。実はこれ、冬になったら、当然家の中に入れてやらないといけなかったんだけど、なんとわたし、1月の半ばまで、すっかり忘れて外に放置してたのだ。でも、去年の葉が青々としてて、すんごく元気だったので、なーんだ、大丈夫じゃん♪なんて思ってたら、室内に入れた途端、見る見る枯れて行き・・・あああ、力尽きたかぁ〜〜〜なんて思ってたら、ある日、こんな風に〜〜〜〜!やったぁ〜〜〜♪
   

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花を育てていると思い出すのは、吉本ばななの「キッチン」の続編。主人公が、ある人から「自分の限界を知りたいときには、何かを育ててみるといい。そうすると、自分にどれだけのことができるか、わかるから」と言われるくだりがある。

あー、何でこう、花を枯らしてしまうのだろう。何でどんどん、庭が荒れていくのだろう。そう思うたびに、自分の限界を思う。

同じ話の中で、主人公が料理を習いに行って、どんどん上達して、認められていくことに、最初はとまどうのだけど、だんだん納得する。「そのわけがわかった。自分と周りの人たちとの、料理にかける意気込みが、あまりに違いすぎるのだ。」周りは、花嫁修業程度の気持ちで習いに来ている女性ばかりで、そんな中で、本気でプロを目指そうとしている自分とは、上達に差があって当然だと言うのだ。

同じことを、同じ期間、同じ金額を支払って行っても、自分がどうして行きたいのか。目的を持っているのといないのとでは雲泥の差なのだ。目的や行き先は、見えたと思うと、またすぐに見失う。うつろいやすいもの。でも、たとえ何度見失っても、決してあきらめずに、また見つけて行きたい。一度決めたことなら、少し形が変わっても、どこかで、目的地にたどり着きたいのである。


#gardening


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