『若冲と琳派 〜きらめく日本の美〜』

040206art1.jpg2/6(金)、日本橋高島屋に、若冲と琳派展を見に出かけた。こちらは、元々京都の細見美術館のコレクション。最近、日本画づいてるわたしである。

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とにかく、感動した。素晴らしかった。琳派は、尾形光琳ではなく、後に登場した実力派・鈴木其一にスポットを当て、紹介していた。細見コレクションは、琳派の代表画家である、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一だけでなく、酒井抱一の弟子である、鈴木其一のコレクションが特に充実しているということだ。雅やかで、とにかく美しい作品群には、ただただ、うっとりするばかりであった。日本人の、心の根底にある、誰も通ずる美意識の世界、それが琳派なのでは、と感じた。

そして、それ以上に心震えたのが、伊藤若冲であった。この人の経歴はおもしろい。京都の大きな青物問屋の跡取りとして生まれ、一度は家業を継いだものの、絵に没頭し、40歳で弟に家督を譲ると、絵の道へ進むことになる。鶏を何羽も飼って、写生に写生を重ねたせいで、彼の作品には鶏の絵が多い。わたしが引かれたのも、そのせいかもしれない?(笑)いやしかし、この迫力ある、無駄のない、それでいて精密な描写は、実に印象的で、見る人の心を捉えて離さないものがあると思う。華やかさでは、琳派にとてもかなわないのに、何故か心に残る絵なのだ。

ミュージアムショップで、50000円以上もする画集を購入してる女性がいた。お店の人は、わたしにも見るように薦めてくれた。限りなく原画に近い美しさだった。購入していた女性は、ずっと若冲が好きで、でも京都まではなかなか見に行けないので、今回の展示会を楽しみにしていたそうだ。これからは、家でも楽しめると、うれしそうに帰っていかれた。わたしにはとても買えなかったけれど、今日の感動は絶対に忘れずに胸にとどめておこうと思った。


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