「そして私は一人になった」山本文緒

060215yakan.jpg最近知ったのだけど、私はどうやら、かなり見栄っぱりらしい。 山本文緒の「そして私は一人になった」という本を読んだ。これは著者が離婚して、一人で暮らし始めた時の一年間の日記なのだけど、一人暮らしで何が辛いかと言えば、病気の時だと誰もが思いそうだが、著者は病気の時ほど、一人になれてよかったと思うのだそうだ。見栄っぱりな自分は、たとえ死にそうにしんどくても、そばに人がいると、「大丈夫」と言ってしまう。だから、一人のほうが、心置きなく苦しむことができる、という。 私にもそういうところがあって、でもそれは、自分が忍耐強いせいなのだと思っていた。単に見栄だったのか。

初めての海外旅行でバリ島に行った帰り、ストでトランジットができず、6時間くらい空港で足止めをくらった挙げ句、経由地のグァムで一泊する事になったのだが、空港で足止めされている間、友人達はぐったりしていたのに、私一人、誰に頼まれたわけでもないのに、みんなを励ましつつ、元気にはしゃぎ回った結果、グァムで倒れて、寝込んでしまったのだ。友人達は、私を置いていくわけにもいかず、結局、私の枕元にずっといてくれたのだけど、これが本当に辛かった。みんなにとっても迷惑な話だったよな。

本当は大丈夫じゃないのに、大丈夫なフリをして、一人で勝手に疲れている、本当に困った、見栄っぱりな私である。だから、大丈夫だと言っても、本当は大丈夫じゃないことをわかってくれる人じゃないと、一緒にはいられないのだ。たまに本当に大丈夫で、放っておいて欲しいときもあるのもややこしい。

こんな見栄っぱりな私に、幸せは訪れるのだろうか?


※画像はニワトリケトル。こういうの以前は絶対買わなかったのに、最近は家中が妙にかわいいもので埋まってゆく〜


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