新しい生活が始まって、ちょうど一週間。
新しい住処は、短気な人なら100回くらい切れるほど、ものすごく不都合だらけで、来る業者さんがみんな同情して、別のところを(ただで)直して行ってくれるほどなのですが (東京も結構捨てたもんじゃないじゃん)
朝起きて、好きな音楽を聴きながら、コーヒーを飲みつつ、11階の窓から見える東京の景色を眺めていると、たとえエアコンが壊れてても、お湯が出なくても、ドアが三回くらい気合を入れないと閉まらなくても、サッシが急にあかなくなっても、物干しに物が干せなくても、(ってあらためて書くとすご過ぎ)全然平気さぁ、と思うほど、幸せを感じるのでした。
新しくなったのは住処だけでなく、仕事もなのだった。今までは何かとストレスの多い職場だったけど、新しい仕事は、今までよりも忙しいけれど、気分的に楽だし、人間関係も良好なので、すごくうれしい。
一年前に一緒に仕事をしていて、その後出向していた仲のいい同僚が帰ってきたので、久しぶりにいろいろ話す。私の境遇のあまりの変化に絶句する相手。そりゃ、そうだろうな。思えば彼女に最後に会ったコンサートの翌週から、私の運命の歯車は逆回転し始めたのだった。今までが正しくて、今は誤った方向へ行こうとしているのか、それとも今のほうが正しいのかはわからないけれど、最近の私は誰が見ても元気で明るいらしいので、きっと今が正しいのだろう。
今まで着ていた重い重い鎧を脱ぎ捨てる。見栄だとか体面だとか虚栄とか同情とか惰性とか打算とか。最後に残るのが何なのか、私にはわかっている。それさえあれば何もいらない、と言うもの。それがなくては生きていけない、と言うもの。