すっかり間が空いてしまいましたが、6/30(火)は、DAZZLEさんでの展示初日で、ギャラリートークに大勢の方がお越しくださり、熱気むんむんな中、デザイン担当のマルプデザイン宮崎さんと一緒にトークしました。
今回のワークショップでプレゼンの大切さを痛感していたので、結構落ち着いて話せたかな、笑いも取れてよかったです。私の絵はいつもと何も変わってないのですが、何かが違う、と言う感じで、おおむね好評いただいてるようです。
今までにも何度も書いて来ているので、少々しつこいですが、この展示の概要はと言いますと、DAZZLEさんで毎年開催されている「老若男女世界文学選集」と言う展示の第8回目でして、「老若男女世界文学選集」というのは、オーナーの村松さんが選んだ本を一冊読んで、イラストレーターとデザイナーが組んで装幀を作り上げると言うもの。
左の画像は展示を見に行くともれなくもらえる冊子。ここで「イラストレーター」と「デザイナー」ってどう違うの?と言う方もいるかもなので、一応説明すると、イラストレーターと言うのは、中身の素材「イラスト(絵、図解)」を制作する人で、デザイナーと言うのは、それ以外の文字の形やバランス、イラストの配置、色合いの調整など、全体をまとめる人なんです。ブックデザイン(装幀)は、絵も大事ですが、やはりそれ以上にデザインは重要です。デザインによって絵の魅力が増したり、購読意欲をそそられ、誘導される、と言うチカラがあるので。
話がそれましたが、今回の作品は「宇宙の眼」。あのSF映画の金字塔「ブレードランナー」の原作者の隠れた名作で、コッテコテのSFです。ハッキリ言って私の絵と合うわけがない!と思いましたが、ここにも記した2回のワークショップを通じて、何とか行けるかも?と言うところまで、持って行くことが出来ました。
今回の展示はいつもとは趣向が違って、原画以外に、制作した装幀のカバーをかけた文庫本が置いてあります。いわゆる表紙を「表1」裏表紙を「表4」と呼びますが、全員の本が、表4まできっちり作り込んでありますので、ぜひ手に取ってご覧くださいね。帯も外してみてください。また、今回の原画は上が「挿画(中の挿絵)」で、下が「装画(カバーイラスト)用の絵」なのですが、挿絵が該当ページに挟みこんでありますので、そちらもぜひ。
私のは、表1と表4では、ほんのちょっとだけ変えてあります。原作をお読みの方は、ご覧になると、どこが違うか、ピンとくるかもしれません。また、挿絵と原画とでは、少しだけ違うところがあります。イラストの一部が寂しかったので、PCでテクスチャを入れています。
お陰様でトークは大盛況。お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました!せっかくなので、オープニングトークで話したことを少し。私は今回の展示で、デザイナーさんに未知の自分をひきだして欲しいと言う想いがあったので、宮崎さんとの打ち合わせで最初に「今まで通りの陽菜さんのイメージで行きますか?それとも、今までとは全く違うイメージで行きますか?」と聞かれて、迷わず「今までとは違うイメージで」と答えました。
すると宮崎さんからは「人形ってかわいいですけど、同時に怖さもありますよね。そういう怖さを表現したい」という提案がありました。なるほど!この物語を読むと、現実と言うのが一体どこまで「本当の現実」なのか、もしかしたら自分だけの都合のいい現実を作り上げているのではないかと言うような疑いが頭をもたげてきます。そう言った現実と虚構を表現するのに「人形のような人間」と言うイメージはしっくりくるように思いました。
また、宮崎さんとのやり取りで心がけたのは、今回のメンバーで、間違いなく私は最年長だったのですが、恐らく仕事歴も長い方なのではないかと感じたので、そのあたりも恥ずかしくないように、キチンとプロの仕事を見せたいと思ったのでした。そこも懇親会で、宮崎さんから「提案した時に、迷わず『やります』と返答が返って来たことは、とてもありがたかった。イラストの切り抜きまで完璧に仕上げてくれて助かった」と言っていただき、ホッとしました。いろんな意味で「また一緒に仕事がしたい」と思っていただくことは、とても大切だと思うので。
トークの後は懇親会。図書設計協会のM先生も来て下さって、いろいろお話し下さり、たくさんの気づきがあった一日。「常に疑いを持ちつつ」精進して行きたいと思います。そして、さらけ出すことを恐れてはいけないんだな、と言うことも感じました。また、ここに書いた展示メンバーの方から「すでに強い世界観持ってるのに、変えてきたのがすごい」と褒めていただき。。。やったぜ!
「老若男女世界文学選集8-宇宙の眼-を描く」
7/12(日)まで開催中(2週間)。宜しければ、足をお運びくださいませ。銀座線外苑前から徒歩3分くらいの場所です。
2015年06月30日(火)〜 2015年07月12日(日)
12:00〜19:00 (最終日17:00まで)
Gallery DAZZLE(銀座線・外苑前駅すぐ)
map http://gallery-dazzle.com/about/
詳細:http://hiyoko.tv/a_tori_ie_dayori/log/flyer/eid124.html
ワークショップの記録・一回目の様子・二回目の様子
マルプ日報 「宇宙の眼を描く〜オープニング〜」(2015年7月 1日 -李生美)
http://malpu.com/nippou/2015/07/nippoui7674.php