『アトピーの夫と暮らしています』の担当編集・PHP田畑さんから
ある日、メールが届きました。
「啓文堂新宿店さんで本書が展開されている旨
営業の担当者から連絡が入りました。
POPについては、以前、陽菜さんが教えてくださった
他社の営業の方の持ち込みによるものということです。
その方にも改めて御礼をお伝えいただけますと幸いです」
なんのこっちゃ、と思いますよね。
本は、出版社の編集部で作りますが、本を売るのは営業部の仕事です。
営業さんは、書店を一軒一軒回り、新刊の受注をします。
書店営業の方は、出版社の壁を超えて、皆さん仲が良くて
自社の本でなくても、お互いに書店さんで「この本いいですよ」と
オススメし合ったりされるようです。
私の本が出た時に、友人で某版元営業のA氏が「ひよ子さん、POP送って下さいよ」とおっしゃるので
素直にお送りしたのです。そしたら、数日後、冒頭の啓文堂書店新宿店さんに5冊入荷していただいたと連絡があり
さらに数日後、2冊売れたとご報告があったのでした。
Aさんのお名前を出したいのですが、ここまでして下さってると
「お前自分とこの本売らずに何やっとるんだ」
と、会社から叱られてしまいそうなので、お名前は伏せておきますが
担当編集の田畑さんには、トークショーでお会いした時に
「他社の営業さんが、東京の書店さんを回って下さってるので、見おぼえないPOPで展開されていて
(PHPの)営業の方が、驚かれるかもしれません」とお伝えしたところ
「そんな話、初めて聞きました!」と、田畑さんにもビックリされたのでした。
その後、Aさん情報によると
池袋ルミネのくまざわ書店さん
西国分寺のオリオン書房さん
でも入荷して下さるそうです。
東京ではレア(笑)な、私の手描きPOPに出会える貴重な(?)お店ですので、よかったら脚を運んでみてくださいね。
PHPの営業の方の名誉のために付け加えると、決してPHPの営業の方がサボっている訳ではないのです(^^;
とても刊行点数の多い出版社なので、どうしても全部の本、特に新人には手が回らないこともあります。
特に私は名古屋を重点的に営業していただいているので、どうしても東京は手薄になるのだと思います。
書店さんでも、他の出版社の営業の方からも「PHPの営業さんはきちんとやってくれるから、安心していいですよ」
と何度か耳にしたくらいなので。そうでなければ、いくら地元とは言え、なかなか平積みにはしていただけないですよね。
多くの方にバックアップしていただき、本当に感謝です。
さて、タイトルにもある「出版してみて感じたこと」
まだまだひよっこですが、この1ヶ月ほどで実感したことです。
イラストレーターの仕事で、雑誌や書籍の挿絵を担当しても
出版社の編集さんやライターさん、デザイナーさんとは関わりはあっても
同じ出版社の営業さんや書店さんとはほぼ関わりなく、仕事が進んで行きます。
私はなぜか、出版社の営業の方と交流することが多くて
イラストの仕事をしていただけの頃は、特に恩恵を受けたことは無かったのですが(笑)
著者になってみると、営業の方や書店さんとのかかわりはとても重要になってきます。
自分がお店を持ったり、営業を担当していると考えれば分かりますが、同じ商品でも
作り手をよく知っていたり、熱意の伝わる作り手のものは、頑張って売ろうと思いますよね。
なので、私は営業さんと連携をもって、頑張って売っていこうと考えていました。
今回私は運よく、トークショーの際に、営業の担当の方とお会い出来たので
書店巡りの際の注意点などご相談して、書店の皆さまにご迷惑をおかけすることのないように
コツコツお邪魔するように心がけています。
しかし、私の拠点は名古屋ですので、名古屋以外の書店さんを訪問することは、今のところ、できていません。
(なので、私の代わりに(?)回って下さってるAさんには感謝感謝です!)
長く住んだ東京にも愛着があり、出来れば回りたいですが、やはり今自分がするべきは
地元名古屋でしっかりと根を張ること、だと考えています。
それに、地元の作家と言うのは、何かと応援していただけるようです。
先月MARUZEN名古屋本店さまで、トークショーを開いていただけたのも、地元作家だからですし
昨日のジュンク堂書店 ロフト名古屋店さんのように「郷土の作家コーナー」を作って
地元の作家を応援して下さる書店さんもあります。
文化の中心である東京に住む恩恵は、はかりしれないものがありますが
地方に住むというのも、悪くないなぁ、というのが、出版してみて感じたことです。