「GOTH」「謎解きはディナーのあとで」に見る小説に置ける「萌え」要素についての考察。

81s5eN6+ndL.jpg2011年本屋大賞を受賞し、約140万部のセールスを記録している大ベストセラーということで、今更ながら「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)を、ようやく読みました。
読み終わって、こうして感想を書こうとして初めてAmazonレビューを読んだのですが、こんなに売れた本なのに、評価が★2.5って低すぎないか?

しかしながら、皆さんが書いてることは言い得ている。これはラノベだ!とか、全盛期の赤川次郎っぽいとか。そしてこの設定。お嬢様と執事。この設定勝ちだよね。これにはやっぱり「萌え要素」があるからさ。

この「お嬢様」と「下僕」萌えってのは、今に始まった話ではなく、古くは「春琴抄」から、ハーレクインロマンス、シドニィ・シェルダンも、この設定やたら多かったわ。
「わたくし、お嬢様をずっと前からお慕いしておりました」とか、一生に一度でよいから言われてみたい♡みたいな願望を持つ女性が多いってことなのかしらねー。

推理小説としてではなく、お嬢様と執事の恋の行方と言う意味でなら、結構気になる
女性が主な読者層である小説誌『きらら』への掲載作品を依頼された著者が、女性読者を意識し、「ミステリーを読み慣れていない人向け」に考え出されたという経緯があり、「安楽椅子探偵の執事と新米刑事のお嬢様」という設定は、著者が執事喫茶のニュースを見たことから生み出されたものである。タイトルは著者の70もある案の中から決定したものであり、『きらら』掲載時のタイトルは『宝生麗子の謎解きはディナーのあとで』だった。(wikipediaより)

180211_31tGd9GApgL.jpg41IKaJhYCVL.jpgそして賛否両論あるのはこの作品も同じ。乙一の「GOTH」シリーズ。

私はこの作品には結構はまって、それこそ「萌え萌え」になって読んでいた。若干グロなので、そこ受け入れられれば、ストーリー展開としてはお見事。文庫版は「夜」「僕」の順に読まないと大変なことになりますが、番外編も含めた3冊セットがkindleで出ておりますね。ナイフが完成しているっ。読んだのは、昨年2017年の春から初夏にかけてくらい。
ライトノベル雑誌『ザ・スニーカー』に掲載されていたが、ライトノベルとして発売されず、一般小説として発売されたという変則的な経緯を持つ。第3回本格ミステリ大賞受賞作。

ストーリー
高校生の「僕」と森野夜は人間の持つ暗黒面に強く惹かれる。そんな二人は毎回、奇妙な巡りあいで猟奇的な事件に関わっていくことになる。
(ネタバレあり)

はっきりと言うと、猟奇的な犯罪や人の暗黒部分に「萌え」てしまう変態ちゃんの男女が主人公。
女子は森野夜と言う超絶美少女。男子の名前は、シリーズ終盤まで明かされない。
「夜の章」の「夜」とは森野のことで、「僕」の一人称で進めながらも、森野の感覚で進んで行くのが一冊目。
まだ甘いんである。

読者は最初、森野こそがこの2人の主導権を握っており、残酷な思考を持つ張本人だと思い、「僕」はただ「森野」につきあっているだけのような感覚で読み進むが、物語が進み、「僕の章」を読むと、それはとんでもない勘違いだったと気づく。そこがこの物語の一番恐ろしいところかも。こんな人が近くにいたら、嫌だし!

乙一はこのシリーズ全般を通じて、本当にミスリードが上手い!てか、いつもか!
悔しいけど「してやられた」と思うこと数回。でも面白いから許す(笑)

「僕」の正体は、物語の最後の最後に明かされるのだけど、実は彼はそれ以前に登場していて、とてもそんな嗜好を持つ変態とは思われない「好青年」として描かれる。ええーーーーー!って感じ。彼がその誰からも好かれる無難な人物だと知ると同時に、読者には彼こそが、快楽殺人を愛し、「殺す側」であると自分を認識していることが判明していく。ただの傍観者である森野などかわいいもの。

森野と「僕」を対比させるためと、ちょっとした疑似恋愛の萌え要素を加えるために、ちょいちょい森野は他の変態から狙われ、実は「僕」に救われている。自分ではしっかりしていると思い込んでいる森野のうっかりしたところに、読者はホッとし、萌えるのだ。

小説を読むというのは、想像と妄想の織りなすファンタジーなので、やっぱり萌え要素は大事。だけど、物語のどっしりとした作り込みや、登場人物のキャラクターを作りこんでから、の話ではあるけれど。

どの話が良かったかと言われると迷うけど、乙一らしい「切なさ」が出ていたのは「土」かなぁ。ちょっと昔の小説みたいな雰囲気とか。この空気感がたまらなあい。印象に残ったのは「犬」で、やっぱりびっくりしたけど、でも珍しくこのどんでん返しには途中で気づいた!

一番強く心に残ったのは、森野の白い腕を見て、切り落としたいと妄想する「僕」のモノローグ。てっきり「僕」は森野を好きなのだと思ったのだけど、そういう相手に対してもそう思うのか。それとも、愛ゆえなのか?

正直この2人にははまった!この先どうなるのか、気になるけど、謎のままの方がいいんだろうなぁ。普通の大人になってしまってもツマラナイし、本当に犯罪者になってしまっても、なんだかだし。。。。
世界に殺す者と殺される者がいるとしたら、自分は殺す側だと自覚している少年「僕」。人間の残酷な面を見つめるのを趣味とする美少女、森野夜。2人が出会う7つの事件を網羅した合本版!
「夜の章」・・・「暗黒系」最近起こっている連続殺人事件に関係すると思われる手帳を拾った森野夜は「僕」にそれを見せる。そこにはまだ見つかっていない死体の放置場所が書かれており、二人は死体を見つけ出すことにした。
「リストカット事件」動物、人間の老若男女を問わず手だけを切り落とし持ち去るという事件が起こっていた。その犯人を特定することができた「僕」は、ある計画を実行することに。
「犬」町内で犬の連続連れ去り事件が発生。「僕」は犯人の犯行現場をつきとめる。
「僕の章」・・・「記憶」「僕」と森野夜は、彼女の寝不足を治すための紐を買いに行った帰り道に、彼女は寝不足の原因である過去の事件を話しだした。
「土」人を生きたまま棺に入れ、埋葬することにとりつかれた男・佐伯。彼は第二の犠牲者を出そうとしていた。そして「森野夜」の生徒手帳を持つ少女が棺に入れられる。
「声」廃病棟で起こった女性惨殺事件。その被害者の妹は、その事件の犯人だと名乗る少年からひとつのカセットテープを渡される。
「番外編」・・・「森野は記念写真を撮りに行くの巻」死体の撮影をする日々を過ごしていた「私」は、ある日「僕」と約束をすることになる。




                  


1月末から2月初め。病がちだった1月と違い、2月は楽しいこといっぱいでワクワク。
後半の野菜や肉の盛り合わせは、私にしては珍しく、ネクタイした人たちと飲み。何かけっこう新鮮だった。
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このシロノワール小枝はなかなかのヒット!


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。

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