世界を変える美しい本 & 怪談えほん原画展

180421_IMG_7754.jpg180421_00052468web.jpg180421_00202683web.jpg2018.04.21 Saturday
本日無事、ミッツさんでの個展でお買い上げいただいたイラストをお渡ししました。初対面なので、ドキドキしましたが、とてもいい方で、なんと、代金以外にお菓子までいただいてしまいました。ライブペイントも楽しみにして下さっていて、ミッツさんに行く回数が増えたそうで、ミッツさんにも貢献できてよかった!また来年も頑張ります!朝早くお会いしたので、ゆったり朝食♡

そしてやって来ました♡
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インド・タラブックス、本日初日で、トークイベントがあったのですが、すごい人!こんなに混んでる刈谷市美術館ははじめてです。いつも展示をテーマにした和菓子をいただくのを楽しみにしてるんですが、時間モロかぶりで食べられなくて、残念!

トークイベントはすごくよかった。かなり脱線した部分もあったけれど、でも、著者の皆さんの伝えたいことは、すごくよくわかった。特に編集の野瀬さんの「ただ美しいだけでなく、タラブックスの本を作る姿勢や思想を伝えたかった」という言葉がグッと響いた。

インドではカースト下位や少数民族や女性など、虐げられた人が多く、弱者の問題、社会問題を多く取り上げているのがタラブックスの大きな特徴。出版を決めるのに、マーケでィングが大きな要素を占める日本と違い、社会にとって必要な本かどうか、という点が重要視される。本来本とはそうあるべきなはずなのだが・・・という話。

また、日本の本のほとんどはオフセット印刷での大量生産ですが(日本では基本的に数千冊以上の大きなロットなので)、インドでは、シルクスクリーンで手づくりで本が作られています。それにはひとつの理由として、シルクスクリーンの方が、オフセットより安いからというのがあるんだそう。人件費が日本に比べて圧倒的に安いからなんですね。というのを聞いて、これは、インドが発展していく過程で、やはり失われて行くものなのかもしれないな、と思いました。

アートの後継者としてインターンをすごく大事にしていて、イギリスなどからも受け入れていて、だからタラブックスのフォント?タイポグラフィ?は、イギリス風のものが多いんだそうだ。タラブックスでは、ミスプリントを幾重にも重ねたものを利用して手帳を作っていて、その収益をそういった人たちの育成に役立てているんだそうだ。

タラブックスの隣には印刷会社の社長の家があり、そこはタラブックスの社員の寮になっていて、タラブックス?の屋上は、ジムになっている。ジムが屋上(笑)インドではマッチョになりたい人が多いんだそう。そんな映画スターのポスターの写真なんかも図録に入ってて、笑ってしまった。のどかだなー。

こんな風に世間に知られていないことを広めて、ムーヴメントを起こせる仕事って素晴らしい。そして、丁寧な本づくり、いいなぁ。。。。

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180421_IMG_7866.jpg今回の本、『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)は愛蔵特装版を限定400冊で作っていて、タラブックスでのミスプリントを使用して手製で仮フランス版で製作したもの。会場で20冊限定で売りだすということで、トークイベント終了後、レジに殺到。一冊として同じものは無いということで、私も必死に選んだのですが、どう見ても、見本のが一番良くて、現品でいいなら・・・と、見本を売っていただきました。そしたら、帰りに刈谷駅で、トークイベントに出演された方々と遭遇(都お目でもすぐに分かりました)。思わず「トークイベントすごくよかったです。本も買いました!」と声をかけると、サインして下さるということに。愛蔵版なので、中に書かないように、カバーにサインして下さいました。ものすごくキャラの立っていた装丁家の矢萩さんは、トークもお上手でしたが、絵もすごくお上手!お魚描いて下さいました♡矢萩さんから「イイの選びましたね。と褒められました。うふ。


                  


180421_00283921web.jpg180421_00295540web.jpgさて、同時開催は、岩崎書店から出た「怪談えほん」シリーズの第一期作品と宇野亜喜良さんの『ぼくはへいたろう』シリーズの3パターンを展示するという贅沢なもので、はっきり言って、もったいないと感じました。
    
タラブックスだけでも「怪談えほん」だけでも十分お客さん呼べる展示なのに、なんで合わせ技にしちゃったんだろう。できれば「怪談えほん」は、シリーズ全作品で一個の展覧会でやって欲しかったなぁ。会場には京極夏彦さんと宮部みゆきさんからのお花が飾られていて、あのお二人からのお花!!それなのに、トークイベントがあったせいか、タラブックスの方ばかり盛り上がっていて、「怪談えほん」のほうは閑散としていて、ホント残念!
    
「怪談えほん」やっぱ原画の力はスゴイ。大畑いくのさんの原画にやられた。ホントこんな絵が描けたらなーって思う。京極さんと宮部さんは以前読んで本も怖かったけど原画はもっと怖い。京極さんの「いるの いないの」は最後がめっちゃ怖いんだけど、途中出てくるネコがかわいくて、でも怖くて。ネコも何かあるんかと思ってしまう。宮部さんの「悪い本」は、吉田尚令さんの海外の絵本のような美しい絵が、この物語の世界にはまって、マジで怖い。かわいいだけに怖い。物語の世界も深くて、すごく考えさせられる。

宇野亜喜良さん作品がめちゃたくさん見られるので、ファンにはうれしい。「マイマイとナイナイ」はまさに宇野ワールドだけど、「へいたろう」は、3つのパターンのうち、見慣れた宇野さんの絵は最後のものだけで、他は、え?こんな絵も描いてらっしゃるの?ってくらい、ちょっとマンガチックで、意外な感じだった。

宇野さんの絵がどどどーんとこれでもかと飾られている会場には、髭の一風変わったおじさまがいて、一生懸命怪談漫画を読んでいて「もうあと30分しかないのに、ボクまだ二階(タラブックス)行ってないんよ」と言いながら、まだ読んでいた(笑)こういうひともいるからいいのかぁ、と思いながら会場をあとにした。

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◇◆◇世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦◇◆◇
◆概要
美しいハンドメイドの本で知られる南インドの出版社・タラブックス。1994年に設立して以来、民俗画家が描いた絵を版画技法で印刷し、それを糸で製本するなど、画家、編集者、デザイナー、印刷職人のチームワークで工芸作品と言えるユニークな本を生み出しています。本、原画、写真、メイキング映像など約300点により、タラブックスの魅力と全容を伝える初の展覧会です。

The Night Life of TREES 表紙
yorunokicover.jpg【会期】平成30年4月21日(土曜)から平成30年6月3日(日曜)
【休館日】月曜日(ただし4月30日は開館)
【会場】2階展示室
【開館時間】午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
【入場料】一般900円(700円)、学生700円(500円)、中学生以下入場無料

「怪談えほん原画展+稲生モノノケ録『ぼくはへいたろう』の世界展」と入場券は共通。
( )内は前売及び20名以上の団体料金
前売券は、刈谷市美術館、刈谷駅前観光案内所、刈谷市総合文化センター、高浜市やきものの里かわら美術館、チケットぴあ(Pコード:768-878)の取扱いのあるコンビニ等で4月20日(金曜)まで販売 →前売券販売代金徴収事務受託者については、こちらをご覧ください。
身体障害者、精神障害者保健福祉、療育の各手帳所持者及び付き添いの方(1名)は入場無料。入館の際に手帳をご提示ください。
【主催】刈谷市美術館
【後援】インド大使館、公益財団法人 日印協会、一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、絵本学会、愛知県教育委員会
【企画協力】Tara Books、ブルーシープ
【協力】刈谷市国際交流協会

『猫が好き』原画
yokubarineko.jpg◆展覧会内容の紹介
南インド・チェンナイの出版社「タラブックス」。1994年に設立され、ギータ・ウォルフとV.ギータという二人のインド人女性が中心となって活動しています。タラブックスといえば美しいハンドメイドの絵本が知られています。インドの民俗画家による絵を、ふっくらとした風合いの紙に版画の技法で印刷し、職人が糸で製本した、工芸品のような本です。インドには各地に多様な民俗芸術の伝統があり、画家たちは住居の壁や床に描いたり、工芸品を作ったりしています。多くのインド人にとっても馴染みの薄かったこうした民俗芸術を出版に結びつけたのは、とても画期的なことでした。

ハンドメイド本以外にも、タラブックスは多彩な本を刊行しています。画家、編集者、デザイナー、印刷職人らによるチームワークから生み出される本は、教育や社会問題をテーマにしたもの、本の形状に特徴があるものなど、とてもユニークです。出版を通してより良い社会をつくりたいという思いのもと、ワークショップなども積極的に開催しています。

『夜の木』(2006年初版)原画
yorunoki.jpgこの展覧会では、タラブックスの本づくりの全容を伝える初の展覧会です。ハンドメイド本を中心に、本や原画、写真やメイキング映像など約300点の資料を通じて、その魅力をたっぷりとご覧いただけます。

◆会期中のイベント
トークイベント 野瀬奈津子さん×松岡宏大さん×矢萩多聞さん
母の日☆インドスペシャル 親子無料デー!
バナナの葉っぱをお皿に!南インドの定食「ミールス」食べ放題!
学芸員によるギャラリー・トーク
イベントの詳細については、こちらをご覧ください。
◇◆◇怪談えほん原画展+稲生モノノケ録『ぼくはへいたろう』の世界展◇◆◇
◆概要
怪談・怪奇モノの人気作家と実力派の画家がタッグを組んだ「怪談えほん」(岩崎書店発行)シリーズ。2011年に発行され、子どものみならず大人も恐れさせた絵本の原画を紹介します。さらに、江戸時代の「稲生物怪録」を宇野亞喜良が現代に蘇らせた『ぼくはへいたろう』の原画と、古い「怪談絵巻」などを合わせて展示し、「怪談」をめぐる変容と享受のありようを見つめます。

吉田尚令『悪い本』原画 2011年
waruihonn.jpg【会期】平成30年4月21日(土曜)から平成30年6月3日(日曜)
【休館日】月曜日(ただし4月30日は開館)
【会場】全館
【開館時間】午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
【会場】1階展示室
【入場料】一般900円(700円)、学生700円(500円)、中学生以下入場無料

「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」と入場券は共通。
( )内は前売及び20名以上の団体料金
前売券は、刈谷市美術館、刈谷駅前観光案内所、刈谷市総合文化センター、高浜市やきものの里かわら美術館、チケットぴあ(Pコード:768-878)の取扱いのあるコンビニ等で4月20日(金曜)まで販売 →前売券販売代金徴収事務受託者については、こちらをご覧ください。
身体障害者、精神障害者保健福祉、療育の各手帳所持者及び付き添いの方(1名)は入場無料。入館の際に手帳をご提示ください。
【主催】刈谷市美術館
【特別協力】岩崎書店
【後援】一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)、絵本学会、愛知県教育委員会
絵本をはじめとする書籍やその他グッズも多数販売いたします!
クレジットカードの利用はできませんので予めご了承ください。

◆展覧会内容の紹介
軽部武宏『ちょうつがい きいきい』原画 2012年
choutsugaikiikii.jpg日本を代表する怪談文芸や怪奇幻想文学のプロフェッショナルたちが書き下ろした文章に、当代実力派画家が絵を描きビジュアル化した絵本シリーズ、岩崎書店刊行の「怪談えほん」の原画展を開催します。

人気作家5人と実力派画家5人がタッグを組んだ同シリーズは、子どものみならず、大人たちをも恐怖に陥れました。この展覧会では、第1期にあたる、吉田尚令、宇野亞喜良、町田尚子、大畑いくの、軽部武宏が描いた原画をご紹介します。

宇野亞喜良『ぼくはへいたろう』原画 1994年 刈谷市美術館蔵
bokuhaheitaro1994.jpgまた、同時開催として、刈谷市美術館コレクションの中から宇野亞喜良が3パターンで描き分けた『ぼくはへいたろう』の原画を集中展示します。

江戸時代の《稲生物怪録》から、宇野にインスピレーションを与え、その制作の源となった稲垣足穂の著述等の世界観を比較展示し、ひとつの「怪談」物語をめぐる変容と享受のありようを見つめ、絵本制作の極意に迫ります。

町田尚子『いるの いないの』原画 2012年
irunoinaino2012.jpg◆会期中のイベント
対談 宇野亞喜良さん×澤田精一さん(福音館書店元編集者)「ぼくはへいたろう」をめぐって
母の日スペシャル 親子無料デー!
「えほんのじかん」こわい絵本
ナイト☆ミュージアム
学芸員によるギャラリー・トーク

                  


誕生日前後。
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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

◆東京◆
PALETTECLUB特別企画 原田治のイラストレーション展
2018年4月7日(土)〜5月20日(日) パレットクラブ・スクール
http://www.osamugoods.com/news/180320.html

没後50年 藤田嗣治 本のしごと ─ 文字を装う絵の世界 ─ Léonard Foujita Private on Works
2018年4月14日(土)〜6月10日(日)目黒区美術館
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex180414

「猫都(ニャンと)の国宝展 〜猫の都の国宝アート〜」
2018年3月29日(木) - 5月13日(日) 目黒雅叙園・東京都指定有形文化財「百段階段」
http://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/nyanto

アール・デコ・リヴァイヴァル!鹿島茂コレクション フランス絵本の世界
2018年3月21日(水)〜6月12日(火) 東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/180321-0612_frenchpicturebooks.html

◆名古屋◆
クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム
2018年4月7日(土)- 2018年5月20日(日)岡崎市美術博物館
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/exhibition/openexhibition/p022419.html

ぼくと わたしと みんなの tupera tupera 絵本の世界展
2018年3月17日(土)〜6月10日(日) 三重県立美術館
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/000211092.htm

驚異の超絶技巧! -明治工芸から現代アートへ-

サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法
2018年6月30日(土)〜2018年9月2日(日) 三重県立美術館

スヌーピー×おもしろサイエンスアート展「SNOOPY FANTARATION」
2018年8月15日(水)〜8月27日(月) JRタカシマヤ
https://sn-fantaration.snoopy.co.jp/


◆大阪◆
ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展
2018年4月7日(土)〜5月20日(日)伊丹市立美術館
http://artmuseum-itami.jp/jp/wp-content/uploads/2018/02/2018slitami_press.pdf

兵庫県政150周年記念事業/開館5周年記念展 横尾忠則の冥土旅行
2018年2月24日(土)-5月6日(日)横尾忠則現代美術館
http://www.ytmoca.jp/exhibitions/2018/02/nextworld.html

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2018アソシエイテッド・プログラム
蜷川実花写真展 UTAGE 京都花街の夢 KYOTO DREAMS of KAGAI
2018.4.14 SAT 〜5.13 SUN 美術館「えき」KYOTO
http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1805.html

ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展
2018年5月18日(金)〜2018年6月3日(日) 美術館「えき」KYOTO
https://www.walkerplus.com/event/ar0726e217515/

おさるのジョージ展
2018年8月4日(土)〜9月2日(日)美術館「えき」KYOTO

生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。
2018年11月16日(金)〜12月25日(火)美術館「えき」KYOTO


                  


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