『サザエさん生誕70年記念 よりぬき長谷川町子展』(松坂屋美術館)

170507_sazae-san1s.jpg170507_sazae-san2s.jpg名古屋ボストン美術館の歌川広重展のあとは、矢場町に移動(名城線に乗ってしまったわ)。
松坂屋美術館で開催中の長谷川町子展へ。
これ個人的にはすごく楽しみにしてたし、すごくよかったし、すごく混んでると思ったので
意外とすいてて驚きました。(特に子供を全然見かけなかった)

入り口近くで顔出しパネルを見かけて気分が上がります。
しかし、これサザエさんの方はサイズバッチリだけど、波平さん大きすぎ。
オットが特に小顔なわけでも、後ろに下がってるわけでもございません。
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そしていよいよ展覧会会場へ。
まず感じたのが、すごくすごくおしゃれだってことです。
私の世代だと、サザエさんってテレビでしか見たことなくて、アニメのサザエさんはものすごく
保守的に万人受けするように作られているんだなとあらためて思う。

170507_MG_4867.jpg170507_MG_4869.jpgずらっと並んだ表紙の数々!
長谷川町子さんは、表紙にもこだわりがあって
すごく手間暇かけて描いていたそうで
あとで原画のコーナーもあったけどカラーは圧巻。
デザインやファッション的にもすごく凝っていて
みごたえがありました。

正直、漫画家さんなので、イラストがこんなにお上手とは
まったく存じ上げなかったので、おみそれしやした。

ファッションや子供向けのイラストも描いているんですが
それが同じ人が描いたとは思えないほど素晴らしい!
長谷川町子さんのサザエさんの功績は素晴らしいけど
それだけの人ではなかったなーと思いました。

もちろん漫画もすごく面白いし、線が細くてきれいで
同じ内容のものを何度も改定しているものが
年代順に並べてあったのだけど、だんだん洗練されていて
やっぱり、描き続けるって違うなーと思いました。

花森さんもそうだったけど、やっぱり天才は子供のころから天才だった。
15歳で田河水泡の弟子になり、天才少女として一躍脚光を浴びたのだ。

そして、長谷川町子と言えば「サザエさん」、だけど「いじわるばあさん」でもある。
知名度人気から言えば、「いじわるばあさん」は「サザエさん」に遠く及ばないけど、おそらく長谷川町子は「サザエさん」を
描き続けることにうんざりしてたんじゃなかろうか。
ヒューマニズムや理想の家庭ばっか書いていたら、そりゃ毒も吐きたくなるだろう。
「赤毛のアン」のモンゴメリが、実はアンを書くのにうんざりしていて、むしろアンが嫌いで、エミリが好きだった
という話を読んで、若かった当時は軽くショックを受けたけど、今ならわかる。人間いつもいい人じゃいられないよね。

うちあけ話も面白かったなー。やっぱり、その人の生の姿が見られるって意味で、個展っていいよね。
大昔過ぎて謎すぎる人より、ある程度身近で、実像に迫れる方が満足度も高い。

三姉妹の仲のよさも素敵だわ。晩年はお姉さんしか出てこないと思ったら、妹さんとは疎遠になってしまったのね。
NHK朝ドラの「マー姉ちゃん」って、町子本人のことだと今の今まで思ってたら、姉の毬子さんのことなのね。
などなど、一気に長谷川家に詳しくなったのでした。

余談だけど、サザエさんの声役の加藤みどりさんって、本名は伊藤みどりさんっていうのね(加藤は旧姓)。
ほぼ響きが変わらないのと、伊藤みどりって字までかぶってるのに驚き。

会期 2017年4月29日(土・祝)〜5月24日(水) 会期中無休
会場 松坂屋美術館
http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/
開館時間 10:00〜19:30
ただし、最終日5月24日(水)は午後6時閉館(いずれも入館は閉館30分前まで)
主催 松坂屋美術館、朝日新聞社
協賛 JAバンク、野崎印刷紙業
協力 長谷川町子美術館

入館料(税込)

          前売り料金/団体(10名以上)料金     当日料金
一般           700円                900円
高・大学生        500円                700円
中学生以下          無料
みどころ

その1・サザエさん100選

「サザエさん」は、1946年から「夕刊フクニチ」「新夕刊」「夕刊朝日新聞」を経て、1951年から「朝日新聞」朝刊で1974年まで連載されました(途中何度か休載)。初期から中期にかけては、サザエさんや家族、身の回りの人々との暮らしを描き、高度成長期に呼応した後期の作風は社会風刺の要素が増えていきます。また、作者である長谷川町子自身が登場し漫画制作そのものをテーマにした作品も増え、円熟味を増していきました。


その2・戦前戦後の貴重な資料を初公開

長谷川町子は、最愛の父を亡くした翌年の1934年、14歳の時にスケッチブックを持参して当時憧れの漫画家・田河水泡宅に弟子入りを志願しました。当時、「のらくろ」で一世を風靡していた田河水泡の目にとまり、すぐに弟子入りを許可され、翌年の1935年に、天才少女漫画家としてデビューします。弟子入りの時に持参したスケッチブックや、記念すべき初めての連載漫画「チャッピーフーチャン」、『少女倶楽部』に連載した「仲よし手帖」、さらには小学館や講談社の雑誌のために戦時下に描いた漫画など、初公開を含んだ貴重な原画や掲載紙を紹介します。


その3・エプロンおばさん、いじわるばあさん

「エプロンおばさん」は、「サンデー毎日」(毎日新聞社)で1957年1月6日号〜1965年7月25日号まで連載された短編漫画です。昭和30年代の下宿屋を舞台として日常生活のドタバタ、当時の世相や、時事ネタ、風刺を取り入れました。
「いじわるばあさん」は、「エプロンおばさん」連載中、「サンデー毎日」(毎日新聞社)の1965年新年号で登場。その後、1966年1月2日号〜1971年7月18日号まで連載された4コマ漫画です。米国作品『意地悪じいさん』(ボブ・バトル)に触発され、「サザエさん」や「エプロンおばさん」でのヒューマニズム的作風から意図的に離れた長谷川町子代表作品の一つです。テレビドラマ化やテレビアニメ化もされました。


その4・サザエさんうちあけ話、サザエさん旅あるき

「サザエさんうちあけ話」
「サザエさんうちあけ話」は、1978年に朝日新聞夕刊で連載した自伝エッセイ漫画。田河水泡への師事や駆け出しの頃、「サザエさん」連載や休載を巡るエピソードなどを披露しました。「サザエさん旅あるき」は1987年に朝日新聞で半年連載したエッセイ漫画です。国内外の旅や思い出をテーマに描いた最後の作品となります。


その5・絵本のしごと

「ぞうのおまわりさん」
長谷川町子は動物好きで、「サザエさん」連載開始の頃から、動物が登場する絵本を数冊手掛けていました。漫画執筆中も「サザエさんえほん」や「まちこえほん」など、絵本のしごとを並行して続けました。

                  


GW中のご飯。モンローは期間限定のキリンラガー。
ウォーホール作品イロイロだったけど、やっぱモンロー欲しくて、単品では買えなかったので、6缶入りを大人買い。
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◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

三菱東京UFJ銀行貨幣資料館所蔵 歌川広重 東海道五拾三次展
2017年3月18日(土)〜5月14日(日)名古屋ボストン美術館
http://www.nagoya-boston.or.jp/exhibition/list/utagawa-201703/outline.html

異郷のモダニズムー満洲写真全史―
4月29日(土・祝)〜6月25日(日)名古屋市美術館
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/manchoukuo

シーボルト没後150年記念 特別展 よみがえれ!シーボルトの日本博物館
2017年4月22日(土)〜6月11日(日) 名古屋市博物館
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/past/tenji170422.html

横尾忠則 HANGA JUNGLE
2017年4月22日(土)〜6月18日(日) 町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2017-333

ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展
2017/4/29(土・祝)−6/25(日) Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter.html

マリメッコ展 ─ デザイン、ファブリック、ライフスタイル
2017年3月4日(土)〜6月11日(日)新潟県立万代島美術館
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/open/

企画展「幻のナカヤマ 華麗なる洋食器の世界」
2017年4月28日(金)〜8月27日(日) 多治見市美濃焼ミュージアム
http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/archives/4206

奈良美智 for better or worse
2017年7月15日[土]−2017年9月24日[日] 豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2017/special/narayoshitomo.html

2017イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
2017年9月30日(土)〜10月29日(日) かわら美術館
http://www.takahama-kawara-museum.com/exhibition/schedule.html

篠原有司男展 ギュウちゃん、“前衛の道”爆走60年
平成29年9月16日(土)〜11月5日(日)刈谷市美術館
http://www.city.kariya.lg.jp/museum/exhibition/schedule/

デンマーク・デザイン
2017年9月9日(土)〜11月12日(日) 静岡市美術館
http://www.shizubi.jp/exhibition/future_170909.php

ビアトリクス・ポター™生誕150周年 ピーターラビット™展
2017年9月16日(土)〜11月5日(日) 名古屋市博物館
http://www.peterrabbit2016-17.com/
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/lineup/index.html


                  


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