『花森安治の仕事 −デザインする手、編集長の眼 』(碧南市藤井達吉現代美術館)

170430hanamori1.jpg170430hanamori2.jpg最近まで世田谷美術館で開催されていて、すこぶる評判の良かったこの展覧会。
絶対行かなくては!とGW早々に行って参りました。
碧南って、愛知県民として地名は知っていましたが、降り立ったのは初めてかも。。。
名古屋市内の我が家からは結構な距離があるので、お寝坊な私たちは朝食抜きで
11時の到着と共にランチライム。
その名の通り大正時代から続く老舗の「大濱旬彩 大正館」さんへ。
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ここは「卵でとじないカツ丼」が有名だそうで、楽しみに伺いましたが
あまりに立派な店構えに、カツ丼なんて注文していいのかしら?という雰囲気。

人気の美術展の会期中で、ほとんど席は予約済でしたが、時間が早かったので、一つだけ空いてた席へ。
女将さんの温かい笑顔に和みます。旬彩弁当(midori)とカツ丼セットを注文。どちらも¥1,300とリーズナブル。

お弁当はどれも美味しくて、この雰囲気でこのお味でこのお値段ならホントコスパ高いって思います。
さすが大正時代から、地元で愛されてきたお店だけありますね。
こちらの跡取り娘の女将さんのお話では以前は婚礼などもされていたそうで。良き時代だったんだなぁって感じます。

しかし何より特記すべきはやはりこのカツ丼!
なにこれ、卵なくてもこんなにウマ味があるなんて!どーやって作るか、知りたいっっ!!
かなりなボリュームなんですが、あっさりしていて、お肉が柔らかくて、ペロッと食べられちゃいます。

そして添えられた小鉢が、煮豆なんですが、あれ?何か違う。。。
食べるとほんのり甘くて、口の中でパクッと二つに割れるんです。これってもしかして。。。
「落花生ですか?」
「そうなんです。実は落花生は碧南の特産で、この辺りでは煮豆と言うと落花生なんですよ。
千葉県なども落花生が特産で有名ですが、こういうのを作るのは碧南だけみたいなんです」
はい、私千葉に住んでましたが、聞いたことないです!

他にも、小さな小さなシジミの入った赤だしなど、地元の味満喫。ここ、オススメです!
特に気さくでかわいらしい女将さんに一票!

Retty https://retty.me/area/PRE23/ARE70/SUB60205/100000250203/

ランチにあまりに満足して、うっかりそのまま帰りそうでしたが、コラコラ、目的はこれからです。

花森安治さん、お恥ずかしながら、私は全く存じ上げなかったんですが
暮らしの手帖の編集長でありデザイナーでありイラストレーターであり。。。
一体何役こなしていたんだろう?って程マルチな才能を発揮された方。

最初はファッションから入って、次第に庶民の生活に密着した誌面となり
やがて戦争に突入してからは、花森さんにとって「暮らしの手帖」は、雑誌の域を超えて運動となりました。
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いやもう、素晴らしかったですね。
編集者としての目の付けどころ、広告のキャッチコピーなんか、これ買うでしょって感じで今も参考になります。
でも何より原画が素晴らしい〜〜〜初期は時代らしくガッシュやポスターカラーで描かれてましたが
やがてオイルパステルや、色鉛筆、ペン、アクリルなんかも登場して、何でこうステキに描けるのか!
とうなってしまうような作品がこれでもかと迫ってきます。

どれも素敵ですが、特に水彩とシンプルな細いペン画に強い魅力を感じます。
割付でページを構成して、ぽっかり空くと花森さんのイラストを入れたそうで
それって、編集長自らが絵を描くから出来ることで、イラストレーターにいちいち発注していたら
そんな訳には行きませんもんねー。
きっと、雑誌を作るのが楽しくて楽しくて仕方なかったんだろうなぁ。
実際、新聞作りに没頭して、大学時代留年したそうで。

そしてこの方もやはり小学校時代から教師が舌を巻くほど絵がうまかったそうです。
やはり、才能は隠し切れないものなのだね。

作風や感性も女性っぽいし、その風貌もたまに女性に見えて、もしや男色家の方かと思ったら、全然違って
学生結婚されてて、お孫さんへの絵付きのお手紙などにほっこり。
この激務の中で家庭も大事にされてたんですねー。素晴らしい。

迷うことなく図録買ってしまいました。

そしてこのアートな一日はまだ続きます♪
花森安治の仕事 −デザインする手、編集長の眼
会期
平成29(2017)年 4月18日(火)から
平成29(2017)年 5月21日(日)まで
観覧時間
10:00−18:00 (入場は17:30まで)
休館日
月曜日
(ただし5月1日(月)は開館)
観覧料
一般700(560)円
高校・大学生500(400)円
小学・中学生300(240)円
※()は20名以上の団体
花森安治(1911-1978)は、終戦まもない1946年3月に、大橋鎭子を社長とする衣裳研究所を銀座に設立
新進の服飾評論家としてデビューしました。
〈直線裁ち〉という誰もが簡単に作れる洋服を提案した『スタイル・ブック』は評判を呼びますが
かねてより計画していた生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(のちの『暮しの手帖』)を1948年9月に創刊し
その後社名も暮しの手帖社へと変更します。
〈衣・食・住〉を基本にすえ、もののない時代には〈工夫とアイデア〉による豊かな暮しを提案
電化製品が普及した高度成長期には〈日用品の商品テスト〉を実施
そして、食品添加物や公害問題が叫ばれた70年代には〈社会の矛盾を鋭くえぐる批評〉を誌面で展開し
ペンで権力に挑みました。
30年間にわたり一切広告を入れず発行100万部に迫るまでに成長させた『暮しの手帖』を率いて
その表紙画から、カット、レイアウト、新聞広告、中吊り広告までと、取材や執筆はもとより
制作から宣伝まで、すべてを手がけたのが編集長・花森安治だったのです。

本展では、花森の作品そのものともいえる『暮しの手帖』が庶民に向けて発信したメッセージに
改めて耳を傾けます。

戦時中の大政翼賛会での仕事にも着目しつつ、花森が全身全霊をかけて打ち込んだ出版活動を
ひとつの雑誌を超えた「運動」として捉え、多彩な仕事のなかからその思想を探っていきます。

花森安治特設サイト
https://www.kurashi-no-techo.co.jp/hanamorisan/
はなもり やすじ
1911年神戸市生まれ。
旧制松江高校、東京帝国大学卒業。
召集され、2年従軍するも、戦地で結核になり帰国。療養生活の後除隊。大政翼賛会宣伝部につとめる。
終戦後、1946年大橋鎭子らと衣装研究所を設立。『スタイルブック』を創刊。
1948年9月に『美しい暮しの手帖』を創刊社名を暮しの手帖社とした。
以後『暮しの手帖』を中心に、編集者、ジャーナリスト、イラストレーター、デザイナーとして活躍。
1978年心筋梗塞のため死去 享年66歳。

駅を降り立ったときに、ひときわ大きな白い花が目に留まったのですが
帰りに近づいてみたら、バラでした。
こんな大きな一重のバラを見たのは初めてで、ハマナスに似てるけど、違うよね。
テリハイバラとかナニワイバラとかかも、と言っていたら、ドンピシャ。
おそらくナニワイバラの様です。青い空に映えて美しかった。

ナニワイバラ (浪花茨・難波茨) 学名:Rosa laevigata Michx.
花の大きさは直径10センチほど。白いハナマスとよく似ていますが、ナニワイバラの方が大輪。
花言葉  「 清純な愛 」 「 静かな愛と敬意 」


                  


◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■


シーボルト没後150年記念 特別展 よみがえれ!シーボルトの日本博物館
2017年4月22日(土)〜6月11日(日) 名古屋市博物館
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/past/tenji170422.html

サザエさん生誕70年記念 よりぬき長谷川町子展
2017年4月29日(土・祝)→平成29年5月24日(水) 松坂屋美術館
http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/2017_machikoten/
200円割引券 http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/2017_machikoten/waribiki.html

横尾忠則 HANGA JUNGLE
2017年4月22日(土)〜6月18日(日) 町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2017-333

ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展
2017/4/29(土・祝)−6/25(日) Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter.html

マリメッコ展 ─ デザイン、ファブリック、ライフスタイル
2017年3月4日(土)〜6月11日(日)新潟県立万代島美術館
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/open/

企画展「幻のナカヤマ 華麗なる洋食器の世界」
2017年4月28日(金)〜8月27日(日) 多治見市美濃焼ミュージアム
http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/archives/4206

ビアトリクス・ポター™生誕150周年 ピーターラビット™展
2017年9月16日(土)〜11月5日(日) 名古屋市博物館
http://www.peterrabbit2016-17.com/
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/lineup/index.html


                  


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