この本のことは、拙著を執筆する前から知っていましたが、あえて読みませんでした。
私の本はいわゆる「脱ステ」の本で、現在のアトピー治療の主流である「ステロイド治療」とは反対の立場にあり
(私もオット自身も、決して反ステロイドと言う訳ではありませんが)
この本は、どちらかというと私とは真逆な「反・脱ステロイド派」に当たると、レビューなどから推測していて
私の立場からは特に参考になる話はないと感じたから。
また専門家以外の視点を入れることで、本を書く前の自分に雑念を入れたくないと感じたからです。
けれど、読んでみて、何と言うか、圧倒されました。
正直、うちのオットのアトピーもかなり重症だとは思いますが、この方(と弟さん)の比ではない。
そして、ありとあらゆる治療法を試されたと言う点で、本当に脱帽です。
ここまでやっても治らんのか。。。と絶望的な気分にさえなります。
また、高校生以降に発症した成人型アトピーの夫と違い、この方は幼少時からのアトピーで
小中学校時代のイジメ、高校時代の瞬殺での失恋など、痛々しい体験のオンパレード。
死ぬわけではない病であるアトピーで、ここまで悲痛な出来事が次々襲いかかってくると
想像できる人ってどれくらいいるんでしょう。
なのに、本書の素晴らしいところは、「読むと元気をもらえる」ところなんです。
いろいろあって、決して救いがあるような結末でもないのですが、ここまで悲惨な目に遭っても
それでもこうして生きている著者のたくましさに、人間って、人生って、捨てたもんじゃないな、と思える。
何かうまく言えないんですが、お化け屋敷で散々怖い目に遭って、でも出て来たら普通に生きてた
みたいな、すっきり感があるかもしれません。
読んでアトピーが良くなるという本ではありませんが、読んでみて損はない本です。
また、アトピーの歴史についても学べます。これは知っておいた方が良い情報かもしれません。
2017.03.14 Tuesday
リンク「アトピーの夫と暮らしています」
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