宮田の写真展18日目。
今日は、たくさんのお客さんで賑わって大盛況でした。
たくさんパワーをいただいた日でした。ありがとうございます。
紅芋とブルーチーズのキッシュ、ウマー(*'▽'*)
2017.11.20 Monday
やっとかめ文化祭最終日。円頓寺にて。大阪からお客さまがお越しなので、わたしもオットも正装(豹柄)でお出迎え。
(オットは隠れているけれど、パンツがヒョウ柄なのだ)
すると「豹柄なんか嫌いやねん。」と一刀両断される。何を言うてもとりあえず、突っ込まれる心地よさ。
大阪のお客人と編集さんと会議。ざっくばらんに腹を割って話して、これでようやくお尻に火がつきそう。
編集さんの素敵なお着物の写真を撮り損ねてザンネン。
あちこちで「宮田先生の奥さん」と声を掛けられて、ドキドキする。
なぎさ(山本文緒)
山本作品を最後に読んだのはいつだったかと調べてみたら、2013年春の「アカペラ」以来だった。
鬱病からの再生を果たしてからの作品は賛否両論あるみたいだけど、やっぱり私は読んでいて、心の中がひんやりときしむ
この世界が好きだと思う。クセのない文体とクセのある登場人物。
この物語は、長野から久里浜に越してきた主人公・佐々井冬乃の視点と
冬乃の夫の会社の後輩で、元芸人の川崎くんの視点が交互に描かれる。
過去にはさほど重いものがなく、割と軽い感じで進むけど、先の見えない不安で満ちた川崎くんの視点と
先も不安だけど、それ以上に置いてきた過去の重さが暴かれるのが怖い気さえする冬乃の視点。
特に淡々と進むだけに、何かそこ知れないものが隠されていそうで怖かった。その恐れは期待を裏切らないものだった。
山本作品はサスペンスではないのだけど、主人公が何かしら重い過去を抱えていて
それが最後まで明かされないという手法はいつもながらあっぱれ。
そして、一部を除く登場人物には、どこかしら感情移入が出来る。
Amazonの書評を読むと、この作家には本当に世の中の人がこう見えているのかとあるけれど
人の闇を描くのが文学で、そこに誇張やデフォルメは多少あるかもしれないけれど
人って一皮むけば、残忍だったり、一筋縄では行かないものを抱えていて
それでも手を伸ばして信じあおうとするのが、愛すべき主人公たちだったりする。
そこを読み取れないというなら、その読者自体が、なんて浅い人間関係しか築いていないんだろうかと危惧してしまう。
それにしても、最初は一緒に寝ていないなど、夫婦の距離感に心がざわついたけれど、本当は想い合っていた夫婦の形に
最後まで誠実な夫の姿に、心打たれる。
自分たち夫婦の姿も、重なる。
主人公本人と、夫婦の再生の物語であると言えるのだけど、ずっと自己評価の低すぎた主人公が、物語の終盤でどんどん強くなって行く。ただ家事が得意なだけだった冬乃が、何でも出来るような気がしてくるくだりが好きだ。
逆に若くして漫画家として成功し、見た目も垢ぬけてて魅力的で、万能感のあった妹が意外に弱く、悪党に騙されていたり
姉のように毒両親を切れずに振り回されたり。
読者も姉の夫も、妹はめんどくさいことは姉に押し付けて、自分だけちゃっかりうまいことやってるんだと思っているが
実はそうでは無いことがだんだんわかってくる。それがこの物語の闇なのだ。
川崎くんも途中はひどい目に遭うが、お笑い芸人をあきらめて、ブラック企業でコテンパンにやられても
ちゃんと手を差し伸べてくれる人がいるのがうれしい。
紅シャケくんはもちろん、あまり描かれてないけどかつての相棒との絆とか、短いけれど登場した兄嫁を通じて
兄とのつながりとか母との関係とか、ジワジワ温かくなって。彼女・百花との関係もイイ感じに終わって。
冬乃の夫の佐々井くんと川崎くんとの関係も、なんかいいなぁって思う。
最後はあっけなく終わり、結局何も変わってはいないのかもしれないけれど
いや、実は全然違う。
最後に川崎くんがモリに告げた言葉にこそ、この物語の重みがあるのだ。
どうしようもないことはたくさんあっても、それでも人を信じたい。
斜に構えたモリや杏子のような人間こそ、本当は負けなのだ。
そういえば、同じように虚構の中に住んでいても、川崎をこき使っていた秋月や
その株主の妻で雲の上の世界の住人のナオミのほうが何となく人間味があった。
そう、どうやったって生きていける。どんな困難だって乗り越えられるよ、という強いメッセージに背中を押された、
そんな小説だった。今の自分が出会うべくして出会った本だと思った。
「労をいとわない夫婦」そんな評価をされる人でありたい。
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