異郷のモダニズム−満洲写真全史−

170617manshu_modanism1s.jpg170617manshu_modanism2s.jpg2017.06.17 Saturday

これもだいぶ前に終わってしまった展覧会。
最近は大抵前売りまで買って準備万端で会期を迎えるんだけど
会期が始まると何かと忙しくなり
見なくちゃいけない展覧会が押してきて、会期の早い順から
滑り込みで見るような感じになる。

前週にギリギリ、シーボルトを見て、翌週、何とか一週間残して
6/17に見に行きました。

なんかもっと固い感じで、満州の生活の過酷さなどが前面に
押しだされた写真展かと思ったら意外と面白かった。

特に面白かったのが、写真をもっと芸術的な方向へと考えた結果
絵画的な表現を目指して、印象派みたいな写真を撮ってるんだけど
え、これ、単なるピンぼけちゃうの?というツッコミどころ満載で
でも当時の人たちは大まじめにやってたんだろうなぁと思うと
アートの軌跡としては、大切なことなのだなぁと思ったり。

情景を淡々と映し出した中にも、心にふと留まる写真と
何も訴えかけてこない写真があって
淵上白陽さんの写真はやはり素晴らしく、この写真イイなと思うと
必ずこの方の写真だった。

「一般に、日本の近代写真(新興写真)は淵上作品から始まる」
そうで
「作風は、ピクトリアリスムを基調としながら、キュビスムや未来派の
影響を受けた構成派の作品(1920年代半ば)、さらには
ストレートフォトグラフィ(特に、満洲にて)も残している。
写真制作のみならず、むしろ、写真クラブの活動や雑誌の編集・発行に
力を入れた。写真の普及に努めたその一生は、そのほとんどを写真に
捧げたといってよい。」
そうだ。素晴らしい!

途中イロイロあったみたいで(批判されて別の団体が出来ちゃったり)
苦労もあっただろうけれど、好きなものに一生をささげられたんだから
シアワセな人生だったんじゃなかろうか。

鑑賞後はお隣の科学館でお茶。至上最遅でフレンドリーすぎるスズメと遊ぶ。
どんくさすぎて不憫になる。。。
170617_IMG_5255.jpg
大きすぎてごめんね。スズメの大きさに合わせるのってムズカシイわー
スズメくん、落としたことも忘れてぽてぽて歩いて行っちゃいました。。。
概要

1905(明治38)年の<ポーツマス条約>により、東清鉄道の南部支線と炭礦の採掘権を獲得した日本は、翌1906(明治39)年、<南満洲鉄道株式会社(満鉄)>を設立し、本格的な植民地経営に乗り出していきました。「十萬同胞の熱血が注がれた」”満洲”については、日露戦争終結の時点から、「内地」の国民にその存在と意義を知らしめるべく、満鉄による啓蒙活動が展開されました。「内地」に向けての「弘報」活動において、視覚的な「資料」=写真が宣伝材料として重視されるようになりました。

当初は、記録的な表現であった満洲の写真は、1932(昭和7)年の「満洲国」建国の前後からは絵画的な表現により、「赤い夕陽の満洲」や「曠野を行く隊商」など、日本人が大陸に抱いたロマンティシズムが図像を伴って可視化され、配信されました。1930年代後半に入り、やがてグラフィズムの時代を迎えると、大陸の表象は、より洗練された「記号」へと変貌していきます。

しかし、日本の敗戦とともに「満洲国」は13年と5か月で崩壊し、それとともに「大陸」」に寄せられた視線とその写真表現の展開も途絶え、消滅します。「記録」と「表象」、「紹介」と「啓蒙」、さらには「宣伝」へと展開した「満洲」の写真とは、正しく「近代」を記録し続けた写真というメディアの発展をたどるものでもありました。

本展覧会は、およそ四半世紀の間に展開した「満洲」の写真表現を、貴重なヴィンテージ・プリントや多数の資料でたどり、改めて日本のモダニズムが到達し得た豊饒なその表現を紹介いたします。
会期:[前期]4月29日(土・祝)〜5月28日(日)
[後期]5月30日(火)〜6月25日(日)
休館日: 月曜日
開館時間: 午前9時30分〜午後5時(入場は午後4時30分まで) 夜間開館
金曜日は午後8時まで(入場は午後7時30分まで)
但し、5月5日(金・祝)は午後5時まで(入場は午後4時30分まで)

主催: 名古屋市美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社、テレビ愛知
後援: 愛知県・岐阜県各教育委員会、名古屋市立小中学校PTA協議会協力PGI、銀遊堂、アフロアトリエ、
名古屋市交通局助成公益財団法人ポーラ美術振興財団

観覧料:
 区分      当日     前売・団体
 一般      1,200円    1,000円
 高大生     800円      600円
中学生以下    無料       無料
団体割引料金は20名以上に適用
                  


◇見に行きたい展覧会メモ◇ →展覧会記録■

奈良美智 for better or worse
2017年7月15日[土]−2017年9月24日[日] 豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2017/special/narayoshitomo.html

デンマーク・デザイン
2017年9月9日(土)〜11月12日(日) 静岡市美術館
http://www.shizubi.jp/exhibition/future_170909.php

2017イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
2017年9月30日(土)〜10月29日(日) かわら美術館
http://www.takahama-kawara-museum.com/exhibition/schedule.html

篠原有司男展 ギュウちゃん、“前衛の道”爆走60年
平成29年9月16日(土)〜11月5日(日)刈谷市美術館
http://www.city.kariya.lg.jp/museum/exhibition/schedule/

ビアトリクス・ポター™生誕150周年 ピーターラビット™展
2017年9月16日(土)〜11月5日(日) 名古屋市博物館
http://www.peterrabbit2016-17.com/
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/lineup/index.html


                  


170701_IMG_5399.jpg
最近あったとある事件について、的を得すぎてて、膝打ちすぎて痛いよw
少し引用しますが、ぜひ全文読んでみて下さい。
いすみ鉄道 社長ブログ
http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=2918
         ----- 略 -----
今回のアイスクリームさんは、搭乗ブリッジのない沖止めスポットに飛行機を駐機しているにもかかわらず、階段を上れないお客様のための手段を用意しておかなかったというのが、会社側としての敗因でしょうね。

         ----- 大幅略 -----

車いすのお客様は健常者に比べると配慮が必要なのは当然ですが、航空会社の職員は、その便全体を見ながら、すべてのお客様に快適に乗降していただくことが使命ですから、車いすのお客様にばかり関わっていることはできません。機内での乗務員も同じです。
他のお客様の妨げになるような可能性があれば、ご搭乗をお断りすることもあるわけで、だから事前にお知らせくださいと言うのです。これが航空会社側の状況です。

今回の騒動の発端となったお客様は、どうやらこれが初めてではないらしく、赤い会社や青い会社でも、同じようなトラブルがあったみたいですね。外国の航空会社でもやってるみたいです。
どのケースも、ふつうに予約して、いきなり空港で車いすであると告げてトラブルになっているようですが、そういうことを過去に何度も起こして、その時の航空会社側の対応を詳細に自身のブログに書き綴っているようです。
そういうことに関しては、私は非常に違和感を感じますね。

この方のWebページは こちら です。

ふつうであれば、何度か経験すれば学習すると思いますし、少なくともそれによって飛行機が遅れるようなことがあれば、無関係な他のお客様にご迷惑をおかけすることになるのですから、経験を糧にして、事前に車いす利用の旨を航空会社にひと言伝えるぐらいできると思うのですが、あくまでも自分が車いす利用であることについてのハンドリング責任を航空会社に帰属させて、それができていないことに対して世の中に問題提起しているようにしか思えないのですから、私は違和感を覚えるのです。
おそらくいろいろな活動を通して、車いす利用者のパイオニアとなって世の中を変えようとされているのでしょうが、飛行機が遅れたりすることで、他のすべてのお客様がどれだけ迷惑をこうむるかということに関してが欠けているように感じるのが残念ですね。

まあ、でも、こういう人が出てきてくれたおかげで、アイスクリームの会社も、きちんと考えるようになるとすれば、それはそれで一歩前進なのではないでしょうか。
格安航空会社といえども、公的使命がある以上、きちんとやらなければならないところは、きちんとやらなければならないのですからね。

         ----- 略 -----
                  


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