あなたが悪いんじゃないんだよ。
早いもので、今月末には、アトピー本が出て5か月。
たくさんの方が読んで下さり、レビューを書いて下さっています。感謝。
今まで私が見つけたレビューは
#「アトピーの夫と暮らしています」の感想でサクッと読むことができます。
レビューを拝見して、一番驚くのは、ほとんどのレビューで
「できた奥さん」
と書かれていること!
えっ!マジですか!いやもう、ぜんっぜん、ダメ嫁ですから!
ただ思うに、そもそも、自分がダメだと自覚しているからこそ、相手に寛容になれるのかもしれませんね。
もっといろいろ完璧に出来ていたら、相手にも多くのことを求めすぎてしまうのかもなぁ。
お互いに完璧でいようとすると、病気でなくても疲れますよねぇ。。。
ただ本当にね、アトピーの人に限らず、病気の人を支えるって難しいですよね。
難病で死期の近づいた方などに比べれば、全然楽だって言われてしまうかもですし、確かにそうなんですが
死ぬわけではないけど治らなくて、健康な人と同じように社会生活を送るのは難しい、というのも
それはそれで、辛いものなんですよね。
それこそが、私がこの本を通じて伝えたかったことなんですけれども。
もう本当にずっと起き上がれないほど重症の病気だったら
家族も本人も「これは大変なことだ」って感じになって、とにかく、病気の人をいたわって、大事にするし
本人も、とにかく治すということに専念できるし、そんな病気になった運の悪さを嘆くことはあっても
自分を責めるようなことは、あまりないのではないかと思うのです。
アトピーの患者さんって、元気なときは元気なんですよね。
でも、一番ひどい時に会社を辞めたり、社会生活から脱落してしまうと
元気になっても、なかなか元の生活に復帰することが出来なくて
またいつ悪化するかわからない恐怖と常に闘わなくてはならなくて
脱落したのは、病気のせいなのに、だんだんと自分がダメなせいだと、自分を責めるようになってしまう。
調子が悪くても、我慢して生活しなくてはいけない、それが出来ないのは自分が悪い、と思ってしまう。
私はこれが本当に悲しいことだって思うんです。
だからそういう方たちに、声を大にして言い続けていきたい。
「あなたが悪いんじゃないんだよ」って。
そういうことをみんなが言える社会であって欲しいなって思うんです。
この本を通じて、病気に対する理解が深まって、そういう社会に近づいていけたらいいな。。。
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木村文乃さんがアトピーを告白して反響。
5年前からオットと共にアトピーとの闘病生活を始めて、私は、アトピーの人の存在に敏感になりました。
すれ違いざまに気づくと、じっと見ないように気を付けて、通り過ぎて、かなり経ってから、振り向かないようにオットに声をかける。
「今の人もだったね」
「そうだね」
ただすれ違っただけの、言葉も交わすこともない、まったく知らない人。
だけど、私の心は、その人の近く近くへと寄り添って行く。
勝手に想像してしまう。
しんどくないのかな?ちゃんと眠れているかな?
こんな文章読んで、かえって不快に思われたらすみません。
勝手に仲間とか、同士だって思ってるだけなんです。他人とは思えないだけなんです。
だって、苦しみが手にとるようにわかるから。
女優の木村文乃さんがアトピーだとinstargamに投稿して、
すごく反響があったそうですね。
寄せられたコメントの「私もアトピーです」「娘もアトピーです」と言う数のすごさ。
アトピーに苦しんでる人、やっぱりたくさんいるんですね。
こんなきれいな女優さん。
私たちとは違う世界の人みたいなのに、悩んでることは同じなんですね。
特に女優さんでアトピーってどんなにつらいだろう。
美しさを競う職業で、見た目に出てしまう病気って。。。
これまで、ほとんど知らない女優さんでしたが、勝手に親近感抱いてしまってます。
アトピーを公言されている芸能人の方って意外と多いのですが、その方たちがテレビに出ていると
やっぱり勝手に応援しちゃってます。
「頑張って」
って。
こんなとき、私自身もやっぱり自分たちだけじゃないって勇気付けられたり。
発信してる女優さんも書きこんでる人も見てる私も、知らない人同士だけど、そこで気持ちが繋がって。
お互いに見えないエールを送り合う。
そういう気持ちって、意外と届くものなんじゃないかって信じてるんです。
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ストレスに負けない心・その2。
1よりつづき。
さきほど書いた「何かの拍子に再発」というのは、強いストレスを感じた時というのが多いようです。
それはつまり、極力ストレスを感じない様な生活をすればいい、ということなのでしょう。
そうは言っても難しい。
そう感じていたところに、いい映画を観ました。
少し前から話題の「オデッセイ」です。
(大きくネタバレはしておりませんが、まっさらな状態で映画を見たいという方は、この先を読むのをお控えください)
簡単にストーリーを書きますと、マット・デイモン扮するマーク・ワトニー宇宙飛行士は
火星でのトラブルで、死亡したと仲間に誤解されて、火星に取り残されてしまいます。
地球へのアクセスも出来ない、たった数十日分くらいしか食糧が残されていないという絶望的な状況の中
観客は、彼を驚きを持って見ることになります。
それは、とにかくワトニーが「上機嫌」だということです。
この映画の日本でのキャッチコピーは「火星版DASH村」(TOKIOの人気番組「鉄腕!DASH」のようだから)だそうですが
(もちろん、公式なものではなく、Twitterなどで若い人を中心にそう盛り上がっているそうです)
ワトニーは、次のプロジェクトが火星に到着する4年後まで生き延びるための食糧を確保するために
なんと、基地の中に畑を作り、ジャガイモを育て始めます。
彼は元々植物学者で、得意分野だということもよかったのでしょう。
実に嬉々として、楽しそうに、失敗してもめげずにジャガイモを育てます。
その後いろいろあるのですが、最後まで彼は、前向きに「機嫌よく」あることを辞めません。
職を失うということも、火星で一人ぼっちになるということも
サバイバルな状況に置かれると言う点では同じです。
そんな中生き残るのに必要な才能は、もちろんワトニーのような専門知識だったり
現実的なビジネスセンスだったりと言ったこともあると思いますが
「機嫌よくいられる」というのが、一番必要な才能なのかな、と思いました。
イロイロ見どころのたくさんある映画ですが、私にとっては
「すうーーーっと気持ちが軽くなる」
映画でした。
こんなん奇跡だ!と言うシーンも最後の方には見受けられますが、ワトニーがジャガイモを育てるシーンはすこぶる現実的で
この先地球上でどんな危機に陥っても、ジャガイモを育てれば、何とか生きていけそうだと思いました。
火星でジャガイモを育てられるんなら、地球上でジャガイモを育てるなど、わけはないことのように思えますもんね。
そんなわけで、いざとなったら、田舎に引っ越して、芋を育てて生きよう!と決めました。
実は私は60坪ほどの庭を一人で管理したことがあります。花と野菜はちと違うかもしれませんが、なんとかなるでしょう!
そんな風に気楽な心構えでいることが、この病と闘うには、必要なのかな、と感じています。
本人だけでなく、家族もね。
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ストレスに負けない心・その1。
私の著書『アトピーの夫と暮らしています』は、アトピー性皮膚炎と言う病気の中でも
特に「成人型アトピー」にスポットをあてて書いています。
「成人型」と「小児型」の違いと言えば、成長するにつれて治癒する確率の高い小児型に比べて
成人型は悪化しやすく治りにくいということが上げられます。
赤ちゃんのすべすべのお肌がアトピーで真っ赤に腫れ上がる様子を見るのは
親御さんにとっては、とても辛いことだと思います。
痒がって泣くお子さんに、掻かないように手袋をさせたり
好き嫌いの多いお子さんに、どうやって食事制限をさせるか知恵を絞ったり
アトピーを患うお子さんの子育ては本当に大変なものだと思います。
けれど、成人型は、それとは全く別の苦しい側面があります。
本書にもあるように、成人型が重症化すると、あまりの痒みやだるさから、寝込んでしまい
そうなると、まったく社会生活を営むことができなくなるのです。
それが、一家の生計を担っている男性だったらどうなるか?
仕事を休職できるならまだいいですが、余裕のない会社だったら、退職するしかありません。
また、アトピー性皮膚炎は、完治はしないと言われています。
一時的に良くなっても、また何かの拍子に再発して、そのたびに退職を余儀なくされたら
今のご時世では、次が簡単に見つかるとは限りません。
つまり、重症アトピーを抱える成人の人は、いつまた悪化して、職を失うかもしれないという不安と
常に闘いながら生活しているのです。
つづく
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成人型アトピーとは?
今回出版したこの本「アトピーの夫と暮らしています」は、アトピーの中でも特に
「成人型アトピー」にスポットを当てて描いているのが特徴です。
アトピーって、どうしても
「え?かゆいだけでしょ?我慢すれば治るんじゃないの?」
って思われがちですよね。
私自身も、そう思っていました。
夫と結婚して、実際の症状を、この目で見るまでは。
詳しくは本書内に書きましたが、成人型アトピーとは
15歳以上の、身体的には「大人」になってから発症するアトピーです。
幼児型のアトピーは、内臓が未発達の状態で起こるため
成長して、内臓が発達するにつれ、治ることが多いのですが
成人型は、発症する理由が複雑なため、治療が困難だとされています。
重症化すると、なんと寝たきりになってしまったり、普通の社会生活を送れなくなったりしてしまうんです。
我がオットは、かなり重症の部類に入るアトピーです。
そんなオットとの4年以上に及ぶ闘病生活について、もう本当に赤裸々に描いています。
(表紙ではヌードまで披露していますし。。。イラストですけど(笑))
今現在、アトピーに実際に苦しんでいる方以外にも、今までアトピーについて、まったく知らなかった方たちにも
是非読んで、知っていただけたらと願っています。
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