カメラマンやイラストレーターは便利屋ではない。

160814IMG_4783.jpg土曜日の朝、荷物が届いて、オットがゴソゴソ開けているので、誰から?と聞くと
一年くらい前に、梅沢登美男さんの出たライブを撮影したときに
会場に花を活けておられたお花の先生からだそうで。
その先生から、いったい何が?と思ったら、先日、頂き物の靴下があるのだけど
贈りたいので住所を知らせて欲しいとメールがあったんだそう。
開けてみたら立派なブランドの靴下が4足。

よくよく話を聞けば、まぁ、いつものことだけど(笑)
その先生とお話して、超聴き上手なオットは多分ほぼ聞き役だったようで。
で、その方のカメラで写真を撮ってあげたという。

たぶん、プロのカメラマンに写真を撮っていただいたんだから
そのお礼に、ということなのだろう。
さすがお花の先生、律儀にこの一年、お礼をしなくてはと思っておられたのかもしれない。

当然と言えば当然なんだけど、それを当然としてくれない人というのが、世の中にはとても多いのだ。


                  


うちのオットは、常にカメラを持ち歩いているけれど、それは、別に記念撮影のためではない。
一緒にいる私ですら、いつでもどこでも撮ってもらえると思っているわけではない。
(まぁ私の場合は、撮って欲しくないシチュエーションでも勝手に撮られているけれど(笑))

彼は今回Fip-FMモーチャーカメラ部でのスナップ撮影の講師を務めている通り、スナップ撮影を得意としている写真家だ。
だから、常日頃から、「作品」としての写真を撮っているのである。

でもたまに、イベントなどに顔を出すと、当然のように「撮ってくれ」と言う人がいるのだ。

別にね「プロだからお金をもらわないと撮りません」とまでは言いませんよ。
しかし、プロの写真家が一日に撮る写真の量って、半端ない。
大変失礼な言い方ではあるが、素人の方には想像が付かないほどの量なのだ。

普通の日常でも、毎日数百枚撮るんですよ。想像できます?
ましてやイベントなどでは、千枚以上撮ることもあるのです。
昔のフィルムで言えば、36枚撮りのフィルム100本とか、それくらいを普通に撮るんです。

で、スマホで撮った写真みたいに、撮ったものをすぐにメールで送れる訳では無いんです。
一度PCに取りこんで、専用のソフト(Photoshop)で調整して、サイズもすごく大きなもので撮るので、送るために小さくして
と、最低でもこれだけの作業が必要なんですよ。

それを1000枚以上ある写真から、探して、加工して、リサイズして。。。
一回くらいいじゃんって思うかもしれませんが、ちょっと想像してみて下さい。
あなたは今日一回頼んだだけかもしれないけど、うちのオットは出かけるたび毎回頼まれるんですよ。

それ毎回やってたら、体が持たないんです。

私が上記の様な理由を説明して
「うちのカメラで撮ってもいいけど、いつ渡せるかわからないから、あなたのスマホで撮ってあげる」
という言い方をしても、怒る人っているんです。
「ケチ」って思うんでしょうね。

「カメラ持ってるんだから撮ってくれればいいじゃん」というふざけたことを言う人もいます。
だったら、スマホ持ってるんだから、それで撮ればいいでしょう。


なんか、勘違いしてるようですが、カメラで写真撮ること、タダだって思ってません?
お金かかってないんだから、イイじゃんって思ってません?


プロが機材にどれだけお金かけているか、考えたことあります?
うちはそこまで高いカメラは使ってませんが、それでも、一台数十万はします。
そのカメラを、いつ依頼されても良いように、きちっとメンテして最善の状態維持するって大変なことなんですよ。
もちろん何かあった時のために2台・3台と所持するのは当たり前。

さっき出てきたソフトのPhotoshopも、以前は10万円以上する高額ソフトでした(現在は月額制でさらに維持費がかかる)。

PCだって、ネットが出来ればいいというスペックでは足りません。
HDやメモリ、モニタも大きなものが必要だし、画像の加工は非常にPCを酷使するので、こちらも常にメンテが必要。

ざっと考えても、これだけのことが必要なんです。
あと、カメラは消耗品で、一回シャッターを押す度に寿命が縮まります。

というわけで、あなたの記念撮影は、決してタダではないということを、覚えて置いて下さい。
当然、本来ならプロに頼めば料金が発生するということも忘れずに。


                  


まぁね、これって、イラストも同じで。
簡単に似顔絵描いてくれとか、私が猫の絵を描いていると「ウチの猫の絵を描いてくれ」とか言ってくる人がいますが
申し訳ないですが、基本、適当にお茶を濁して無視します。

タダだったら、誰だって描いて欲しいんですよ。
あなたは一人くらいいいじゃんって思うかもしれませんが、あなたひとりに描いたら
「わたしも」「わたしも」って言って来られることくらい想像できますよね。

そんなことになったら、責任とってくれます?
たぶん、描いたら、自慢しちゃうでしょ。宣伝になるしいいでしょとか言って。

言っときますが、タダで描いた絵なんて、何の宣伝にもなりませんので。
「ああ、タダで描いてくれる人なんだ」
って思われるだけですので。


以前、売れなかったころ、宣伝になると思って、知り合った出版関係者の方のプロフを無料で描いたことがありますが
一個も仕事なんか来やしませんでした。
その後、プロフ画像目当てのFB申請がやたら増えただけです。

その関係者の皆さま、今現在は無料でのプロフ画像は一切描いていませんので、ご了承下さいませ(笑)


まぁね、お金を払ってでも描いて欲しい人は、最初にちゃんとお金の話をしてきますからね。

「描いて描いて」って人のことは、無視するし、私の中では
「私をタダで絵を描く便利屋だと思ってる人なんだな」
という判定を下して終わりです。


                  


そんなわけで、お花の先生からの贈り物は、本当にうれしい出来事でした。

最初きいたときは、たった数時間ご一緒しただけで、一年後に思い出していただけるってすごいなぁとも思った。

私のインパクトが強いのはホント、ペンネームだけで、黙っていたら本当にすぐに忘れられてしまうと思うのだけど
オットはしゃべらずとも、こんなに印象に残るのだ。
フリーランスとして、本当にウラヤマシイ才能だと思う。

#フリーランス #仕事の流儀 #イラストレーターの仕事


                  


160820akayu_onsen1.jpg2014年8月20日  山形・赤湯温泉にて。
「すっかり気持ち良くなった私が、「規則正しい生活」と言おうとして
うっかり「礼儀正しい生活」と言ってしまったら
ひよこ様ひよこ様と言って、敬礼してくるオットがうざい。」

山形県高畠市にある浜田広介記念館で展示をしたのは
もう二年も前のこと。
その際に、数日山形に滞在したのは本当によい想い出。

特に赤湯温泉のこのお宿は最高でした。
私こう見えて、若いころは宿にコダワリがあり過ぎて
1泊数万する宿に普通に泊まっていた「宿フェチ」だったんです。

特にクラシックホテルが好きで。
今は廃墟になってる有名ホテルの写真が先日見つかったので
今度上げてみようかと思っています。

そんな私が泊まったホテルの中でも、この赤湯温泉の御殿守は最高の宿でした。また泊まりたい。。。

上杉の御湯 御殿守
http://www.gotenmori.co.jp/
じゃらんでも★4.5
http://www.jalan.net/yad321384/


                  


2015年10月発売の実話エッセイ。アトピーって痒いだけの病気じゃないんです。


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