7日間ブックカバー制作チャレンジ

【7日間ブックカバーチャレンジ】
SNSでお馴染みのバトン。私はFacebookで回ってきました。(ルールは一番下に)
手持に好きな本がほとんど残っていないので、他の方と違ったルールを設けました。
それは「毎日自分の描いたイラストで制作した装丁を挙げる」というミッションを自分に与えるということ。

ここでは、バトンの行方には触れずに、ルールも無視して
本の概要や雑感、自作装丁についての諸々について書きたいと思います。
(装丁については、私はデザイナーではなくイラストレーターのため
まぁこんなもんだと心の目でイラストだけご覧になっていただけましたら幸いです。)

以下の順で載せます。

・本のタイトル
・私の作ったカバー(イラスト+ブックデザイン)
・本の概要
・今回のチャレンジにおける雑感と装丁についてひとこと

発表したのとは逆順に行きます!


2020.04.29 Wednesday 【7日目】「オーデュボンの祈り」(伊坂幸太郎)
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*本の概要・・・伊坂幸太郎が2000年に発表したデビュー作。第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞。
キラキラとした才能がほとばしるような瑞々しさと練り込まれた物語に最後まで惹きつけられる。
オーデュボンとは18世紀後半から19世紀にかけて実在した鳥類学者の名。
この本には、オーデュボンと絶滅した鳥・リョコウバトの印象的なエピソードが登場する。
*雑感・・・この本は、オットと知り合った頃に、彼が読んでいたのをはじめて借りた本。
彼は私より9歳若いわけなんですが、文化的な影響と言う点で言えば、完全に私の方が彼の影響を受けています。
本はもちろん、音楽も映画もここ10年ほどで自分の趣味嗜好がガラッと変わったのを感じます。
もともと推理小説はあまり読まない方だったので、伊坂さんも彼と出会わなければ読むことはなかったかも。
割と人生損してましたね(笑)

この本も好きだけど、一番読後感が爽やかで感動したのは「ラッシュライフ」。
読みだしたら止まらず徹夜してしまったのは「アヒルと鴨のコインロッカー」と「マリアビートル」。
「マリアビートル」は「グラスホッパー」の続編で本編はハードボイルド過ぎて苦手だったけど、「マリア」は読後感が良くて好き。「グラスホッパー」は映画も良かった。
魔王」はすっごく怖かったけど続編の「モダンタイムス」含め夢中になって読んだ。
シリーズものの短編集で好きなのは「死神の精度」。
今放映中のドラマ「隕石家族」を見るたび思い出す「終末のフール」。
*装丁について・・・伊坂さんの作品はどれも好きで、どれが一番かと聞かれたら、ちょっと悩みます。
でも想定するならどれかと聞かれたらこれ一択。だって鳥が描けるんだもん。
いやデザイナーさんからは「鳥は描かないで」って言われちゃうかもしれませんが。。。

2020.04.28 Tuesday 【6日目】「不思議の国のアリス」(ルイス・キャロル)
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*本の概要・・・ルイス・キャロルが1865年に出版した児童小説。
ルイス・キャロルはイギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンの筆名。
1862年キャロルの知人宅の三姉妹に話して聞かせていた物語「地下の国のアリス」を元にしている。
トランプをモチーフに、三人のうちお気に入りのアリス・リデルをモデルに書かれた。
続編の「鏡の国のアリス」はチェスがモチーフ。
*雑感・・・はじめてアリスに夢中になったのはディズニーのアニメーション。
私が子供の頃はビデオなんて無いから、少しでも目に焼き付けようと食い入るように見たものだった。
光る歯だけ残して消えるチェシャネコやパイプを吸って煙をくゆらす芋虫などのへんてこな生物や
イカれたお茶会やトランプモチーフなど、次々登場するカラフルで不思議な世界。

その後ジョン・テニエルのモノクロの挿絵を知ってその魅力にもはまる。
世に出版されているアリスを全部そろえたいくらい好き。
今持っているのはテニエル版と画家を目指していたというキャロル自身が描いたオリジナル版、
ムーミンで有名なトーベ・ヤンソン判のみ。
宇野亜喜良さんとかシュヴァンクマイエル版も欲しい。。。。
*装丁について・・・別格に好きな「不思議の国のアリス」。
2年前の個展のときに評判良かったイラストで作ってみました。
古典的名作だけあっていろんな出版社から出ています。
私も何冊か持ってますが、ここは一応こだわって
一番のお気に入りの「不思議の国のアリスオリジナル」が出ている書籍情報社さんとしています。

2020.04.27 Monday 【5日目】「自分の運命に楯を突け」(岡本太郎)
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*本の概要・・・1979年〜1981年『週刊プレイボーイ』に連載された人生相談の一部をベースに加筆構成。
その中に収まりきらなかった人生相談の中から、いまこそ読みたい言葉を抜粋し、あらたに構成したもの。
第1章 もっと「自分」をつらぬいてみないか 第2章 「すごい!」という感動が起爆剤だ 
第3章 キミも人間全体として生きてみないか 第4章 下手でも自分自身の歌を歌えばいいんだ 
第5章 キミ自身と闘って、どう勝つか
*雑感・・・岡本太郎の本を読んですごく気に入っていたのだけど、
実は3冊の有名な「自分の中に毒を持て」「自分の中に孤独を抱け」「自分の運命に盾を突け」のうち、どれなのかは謎。
私を招待してくれた友人が「自分の中に毒を持て」を上げていたので、じゃあ違うのにしようとこれに(笑)
でも、太郎の言葉は本当に力があって、身を正したくなると同時に、これでいいんだ、と元気をもらえる。
例え他人とは違う道でも前向きに歩いていきたいと思う人は必ずや勇気づけられるはず。
*装丁について・・・岡本太郎の本のほとんどは太郎の写真が装丁に
使用されているので、もちろんそれは避けて作ろうと。
自分の心に持った楯が、太陽の方を向いてすっくと立つ太陽の塔に集約されているようで、このモチーフを選択。
今回の装丁で唯一今回描きおろしたイラスト。

2020.04.26 Sunday 【4日目】「名古屋駅西 喫茶ユトリロ」(太田忠司)
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*本の概要・・・東京生まれの鏡味龍は名古屋大医学部に今春から通う大学生。
喫茶店を営む祖父母宅に下宿した龍は、店の常連客から、家にピンポンダッシュをされ、
外に出ると家の前に手羽先の骨が置かれ困っていると相談を受ける。
龍は友人と先輩の助けを借りて、謎に挑む。
手羽先唐揚げ、寿がき屋ラーメン、味噌おでん…名古屋めしの魅力が満載の連作ミステリー。書き下ろし!
*雑感・・・実は太田先生には実は何度かお目にかかったり、ご一緒にお茶したこともある。
太田先生の温かい人柄がほのぼのと感じられる作風と確かなプロットが飽きさせず面白い。
それにしても名古屋めしに絡めてこんな風にミステリが思いつくなんてすごい!
現在第2巻まで刊行されていて、3巻目の刊行が楽しみ!
*装丁について・・・名古屋めし本なので、得意の名古屋めしを散らしてみたのだけど、
茶色い重い色合いが多く、わりとゴチャゴチャしてしまい、スッキリまとめるのに苦労した。
太田先生ご本人にはご覧いただき、楽しんでいただけたようでよかった。
あと、名古屋の書店員さんの「名古屋限定で売って欲しい!」というお言葉に泣けた。

2020.04.25 Saturday 【3日目】「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス)
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*本の概要・・・アメリカ合衆国の作家ダニエル・キイスによるSF小説。
1959年に中編小説として発表され、翌年ヒューゴー賞短編小説部門を受賞。
1966年に長編小説として改作され、ネビュラ賞を受賞。
知能指数を高める手術とそれに付随する事柄という限定した範囲での前提でSFとして成立。

知的障害を持つ青年チャーリイは、開発されたばかりの脳手術を受けて成功する。
チャーリイは数ヶ月でIQ68からIQ185の知能を持つ天才となった。
頭が良くなるにつれ、知りたくもない事実を理解するようになる。
その後、手術は一時的に知能を発達させるものの、ピークに達した知能は、
やがて失われ元よりも下降してしまうという欠陥を突き止める。
*雑感・・・これあんまり言われなくなったけど、
私の世代だとこの本を始めて手にしたのは、元BOOWYの氷室さんの影響。
氷室さんのソロstアルバムのタイトルは「Flowers for Algernon」なのだ。
最後のチャーリーの手紙の結びを思い出すと自動的に泣ける。どんな時でも泣ける。
私が今さら言うまでもない名作で、日本でも二回ドラマ化されている。
2015年の山P版はまだ記憶に新しいところ(見てないけど)。
*装丁について・・・これのみ実は今回のために作ったものではない。
見るからに手が込んでるし、この装丁のために描いた絵だということがよくわかるだろう。

2020.04.24 Friday 【2日目】「ブラック・ティー」(山本文緒)
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*本の概要・・・「もう、あとには引きかえせないから…」「罪」という名の媚薬に溺れる男と女―。
脆く、儚い、人の心に巣喰う影と闇。新鋭女流作家・山本文緒が綴る罪な愛。
心に問題を抱えた寂しがり屋たちが、懸命に生きるさまを綴った短篇集!
*雑感・・・山本さんの本はとにかく好きで、ほぼ全部読んでいるのではなかろうか。
短編も長編もどっちも好きだけど、短編集は特に秀逸だと思う。結婚をテーマにした「紙婚式」自分にとって一番大切なものがテーマの「ファースト・プライオリティー」と並んでこの「ブラックティー」はホントに好き。
中編集の「アカペラ」もよかった。
長編だと「眠れるラプンツェル」「なぎさ」はかなり身につまされる感があって読んでいてドキドキした記憶がある。
反して「落花流水」や代表作のひとつと言える「恋愛中毒」は主人公にイマイチ感情移入できなかった。
でも物語としては面白かった。あと面白くてテレビドラマにもはまったのが「ブルーもしくはブルー」。
なんだか「私の好きな山本文緒作品」になってしまった。
*装丁について・・・山本さんの作品で一番好きなのも選べそうにないんだけど、バラの絵がちょうどあったので、色を落としてブラックティーに。(元はピンクのバラだった)Web用の小さな画像しかなく、これだけ元データが小さく、ぼかした下の方にサインが入ってるし(笑)。

2020.04.23 Thursday 【1日目】「街場のメディア論」(内田樹)
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*本の概要・・・テレビ視聴率の低下、新聞部数の激減、出版の不調・・・、
未曽有の危機の原因はどこにあるのか?
「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、危機の本質を見極める。
内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。
神戸女学院大学の人気講義を書籍化。
*雑感・・・この本は、ある編集者の方から勧められて読んだのだけど、本当に面白く、普段文芸しか読まなかった私にとって、新しい世界が開けるとはこういうことだと感じた。こんな講義が受けられてうらやましい。メディア関係の勉強とか今からでもマジでやりたい。
*装丁について・・・本書や内田先生の雰囲気には全く合ってないけど、内容は一応合ってる(と思う)。
表1でエサを貰ったネコが表4でお礼に肩たたきをしている。

一応ルールは以下の通り。
これは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもの。「本についての説明はナシで表紙画像だけアップ」&「その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする」ルールとのことですが、スルーぜんぜんOK&次の人を指名するかどうかは気分次第でOKです。
ということで、私も7日間「この人の読んだ本が知りたいっ」という率直な興味を元にバトンを回しました。
(最終日だけ回さなかったけど)


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