あんな時代もあったのね
2020年に出版した『ナゴヤ愛』(秀和システム新社)を機に本格的にライターとなったわたしだが、その2年前、2018年には某企業で歴史ライター&編集者として勤務し、2019年にはライターに転身すべく、いろんな仕事を請け負った。
最初はどこから仕事をもらえばいいかわからなかったので、クラウドソーシングで1文字0.1円の仕事から始めたんすよ。一日かかって3本書いても1500円とかいう世界。最後は「いかがでしたか?」と締めるのが常識なのかと思って「ドヤ顔」で書いていたら、それはダメライターの常識とあとで知って赤面とか。
誰も教えてくれる人もいなかったから、手探りでやるしかなかったのよね。でもそれが、本を出した翌年には1本数万円の仕事が普通に来るようになった。1文字0.1円時代にはあんなに赤入れされたのが、本の編集さんからは誤字脱字以外の修正は一つも入らなかったし、1本数万(1文字20円)の仕事でもほぼ修正は入らない。
自分も編集者として記事の校正をしていたのでわかるが、基本的に人の書いたものは直したくなるものなのだ。それを直さずにOKを出すのも勇気が必要だ。ライターへの信頼と自分自身の編集者としての自信がないとできない。
基本的には大手媒体の編集さんは優秀であることは間違いない。同じ赤入れでも「意味ある」納得のいく赤で、本当に勉強になる。
最近頭が痛いのは、とある小さな媒体の編集さんの入れた赤のせいで、むしろ日本語が崩壊する事態が起きていること。大変由々しき事態なのだが、気に入っている媒体なのでケンカはしたくない。なので、インタビュイーに赤入れされた体でこっそり元に戻して提出することにした。それでも赤入れされたら、編集長の指示を仰ぐしかない。多分気づかないと思う、思いたい・・・




